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Channel: バレエ忘備録
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『親子で楽しむ年末バレエ・ガラ・コンサート』~ヤコブソン記念サンクトペテルブルグ・アカデミー・バレエ

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2015.12.26 東京文化会館

【第一部】

『レ・シルフィード』 アルチョム・プハチョフheart01 

【第二部】

『白鳥の湖』 一幕二場より アダージョ

『くるみ割り人形』 第三幕より パ・ド・ドゥ

『ゴパック』

『眠りの森の美女』 第三幕より パ・ド・ドゥ

『スバルタクス』より アダージョ

『白鳥の湖』第二幕より 黒鳥のパ・ド・ドゥ

【第三部】

『パキータ』より アルチョム・プハチョフheart01

親子で楽しむ 年末バレエ・ガラ・コンサート』(対象年齢4才以上)

と光藍社がわざわざ謳う公演ですから、同社の『くるみ割り人形』(対象年齢小学生以上)よりさらに幼児向けの、カワユイ内容だと思っていました。

≪いないいないばあっ!ワンワンとうーたん≫ショーより、ちょっとオトナ?みたいな。

(関係ないけど、お正月の姪っこちゃんへのプレゼントに、うーたんのぬいぐるみ準備した)

その一方で、ヤコブソン版『スパルタクス』や『パキータ』、『ゴパック』などマニアックな演目を見たいわーと、つまり何も考えずに会場に赴いたところ、着いたらいきなり

【第1部】『レ・シルフィード』フルバージョン

が追加されていました。わー、ラッキー☆

実は、バレエ鑑賞歴6年目にしてこれが初めての『レ・シルフィード』。

でも、ある程度バレエを知ってる人向けの作品で、子供向けではないですよね?

年末の土曜日マチネの親子バレエですから、会場のほとんどが家族連れです。

しかも、夏休みよりじいじばあば含むファミリー総出の比率が高く、お父さんと小さな男児の絶対数も多く、お姫様みたいにおめかしした子もいっぱいで、会場はフェスティバル状態。

そんな感じですから、ヤコブソンが『レ・シルフィード』を詩情豊かにリリカルに踊れば踊るほど、

会場の期待するベクトルから、遠く離れてゆくのです……

主催の光藍社とヤコブソンの間で、意志の疎通は出来ていたのでしょうか?

・ ヤコブソンは伝統の東京文化会館に相応しく、本格的な構成を組んできた。

・ 光藍社は『くるみ割り人形』全幕とは別に、ファミリー需要を掘り起こしたい。だからとにかく『白鳥の湖』『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』入れて、お祭りにしたい。

この結果、公演はグダグダに……

【第一部】のあと、グズる子にお父さんが、

「この次は『白鳥の湖』とかオーロラ姫がでてくるよ」

と宥めていたので、光藍社の方針はチケット販売的には良かったのだと思います。

しかし、似たような有名アダージオが単純にこれだけ並ぶと、まったりして中だるみするし、飽きてくるんですね。

ゴパックはソロのみで一瞬で終わってしまうし、ヤコブソン版『スパルタクス』はモロ大人の世界です。

これでは、『親子で楽しむ 年末バレエ・ガラ・コンサート』(対象年齢4才以上)は看板倒れですよ。

普段行くガラ公演が、いかに良く練り上げられた構成であるかを実感する、適当なブッ込み感満載の【第二部】でした。

……orz

ただ、小さいお子さんたちの反応ってとても素直で可愛くて、白いドレープの幕にシャンデリアが吊るされてる舞台に「わーっ」て歓声が上がるのですね。

(『ラ・シルフィード』は、「NHKの体操」みたいに何もない舞台に、ペカーっと明るい照明、これではいけません……子供たちも反応ゼロ)

他にも『黒鳥のパ・ド・ドゥ』で、音楽の盛り上がりとともに「わーっ」と手拍子拍手が沸き起こりました。

実はオデットのフェッテもピケターンもヨレヨレ、王子のマネージュは終わりの方は足が開いてないという状態でしたが、お子様たちはテクニカルな大技で盛り上がり、それは楽しそうにしていたんですね。

これ見てつくづく思いました。

需要はある。

ニーズに応じた舞台を提供すれば、親子で楽しい舞台体験がきっとできるはず。

それが、最強コンテンツ『くるみ割り人形』なのでしょうが、

今回のようなガラコンサートにもこれだけのファミリーが集まっているのですし、もっと上手くやってほしいと思います。

私は大人でバレエ好きなので楽しめましたが、三時間にも及ぶ冗長な公演は、

(主旨がうまく定まっていない公演というか)

小さな男の子などにって、将来のトラウマにならないか心配になるくらいでした。


公演の感想としては、アルチョム・プハチョフが他を圧倒して素晴らしく、まるで鶴が舞い降りたみたいでした。

グランパドシャの伸びやかな足の長くて美しいこと。

あまりに素敵だったので、お名前にheart01マーク付けてしまったり。

第二部は、およそこんなものかなという感じでしたが、『パキータ』では倉内七さんがテクニックが強くて良かったです。美しく目立っていました。

その他、『白鳥の湖』のホワイト・アダージオの王子が、♪チャチャッ、チャチャチャ……♪で逆さまに持ち上げるリフトで、オデットを肩に担ぎ上げてました。??

このパターンは初めて見ましたが、小柄で可憐な王子だったので、持ち上げられなかったのかな……

(でもいいの。プハチョフの次に彼が素敵だったから)


そしてヤコブソンとは関係ないですけど、サンクトペテルブルク・アカデミー・バレエ(タッチキン)の直塚美穂さんが、ミハイロフスキーに移籍されるそうです。

少し前のことですが、ご本人のインスタから。

おめでとうございます~~

https://www.instagram.com/p/_tx5C2yWQP/?taken-by=miho_naotsuka

ご本人のコメントで、16年の来日公演には間に合わないようですが、ミハイロフスキーの17年の来日公演についても少し触れられています。

もしそうなら、再来年の来日公演で直塚さんを再び見ることができそうですね!

そして今回の嵐のごときキャスト変更で、私の最大の目的だったレベデフ君を見られなくなってしまってショゲておりましたが、

また一年後にもしミハイロフスキー来日公演が実現するなら、少し希望が沸いてきました。


年末に際して

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今年も残すところあとわずかとなりました。

今年の舞台を振り返ってみますと、ロパートキナ様の『白鳥の湖』『愛の伝説』が私にとってはやはり格別でした。


そして、フォーゲルの『オネーギン』。
この舞台でフォーゲルの魅力にモーレツに開眼し、目覚めたのですが、
これまでは「イケメン好青年だなあ」くらいの薄ぼんやりした印象しかなかったのが、


水も滴るイイ男heart04


かつてない興奮をもたらしてくれたのは、嬉しい驚きでした。
フォーゲルは元からバレエスターですから、私が気づいてなかっただけですね。


ザハロワとボッレの『ジゼル』はスターの輝き。
ムンタギロフは5回見て全て良いという安定感。


演目としては、初めてのクランコ作品と、
マリインスキー、バーミンガム、モンテカルロと、それぞれ異なる『白鳥の湖』を見比べられたことが興味深く、楽しい経験でした。

この二つの『白鳥の湖』とジェイソンの『オネーギン』鑑賞記は途中放置でサボっているので、そのうちコッソリ補完するつもりです。


来年もたくさんの良き舞台に出会えますように。


新しい年の皆さまのご健康とご多幸をお祈りしています。
今年も一年間お世話になりました。

スチョーピンとか、ワガノワ「くるみ割り人形」とか

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あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。<(_ _)>

年末から帰省し、実家天国を満喫、上げ膳据え膳で2キロも肥え(…orz)、甥っ子姪っ子たちと凧あげやシャボン玉、お砂場遊び等で、刀折れ矢尽きて帰京しました。

先日産まれたばかりの3人目の子が成長する頃には、もっと大変なことになりそうですね……(楽しみ♪)

まずは新春に目出度いニュース、フィリップ・スチョーピンがファーストソリストに昇格しました。

おめでとうございますーーhappy01

スチョーピンは来日公演の東京では代役のロミオが大好評、『白鳥の湖』のトロワでも正統派マリインスキー・スタイルの踊りが記憶に新しいところです。

嬉しいです~heart04

その一方で、この時期の昇格人事というのは、ここ数年は記憶になく、また、パリッシュよりスチョーピンが先に昇格することも意外でした。

先日の来日公演でも、パリッシュとスチョーピンの立場の差は明らかでしたので。

パリッシュはプリンシパルとほぼ同格の起用でしたし、海外でのゲスト出演も多く、存在そのものに華があります。ファテエフ監督の強力なプッシュも感じます。

その一方で、来日公演で実際に見たパリッシュ、

容姿抜群、品格十分、しかしながら踊りの方はソロはまだしもサポートと表現力に疑問、といった彼の印象から、

パリッシュがセカンド・ソリストに残留しスチョーピンが昇格という今回の人事は、至極真っ当だとも感じました。

(劇場側は何でまた妙なところで妙に律儀なんでしょうね? パリッシュは主演ダンサーとして国際的に活躍しており、職級とか今さら関係ないのかもしれませんが。次に必ず昇進するでしょうし)

ファンとしても、中途入団組の優勢に比べて、ワガノワ卒の純マリインスキー男子の不遇っぷりには大いに危機感を持っていたので、

少し希望が沸いてきたところです。

スチョーピンの昇格は、後に続く純マリ男子の希望の星かも?

(そして、エルマコフには早う王子を! くるみでもデジレ王子でも何でもいいから)


そして、ミハイロフスキーが来日公演中で盛り上がっているところですが、ワガノワ・バレエ・アカデミーの修学旅行来日公演も迫っています。

全国11公演。

チケット販売も好調のようで、既に関西の2公演が完売しているもよう。

素晴らしいですねーー

新しい来日公演チラシも貰いました。マーシャと王子は去年のアナスタシア・ルキナ(現マリインスキー)と、エフゲニー・クズネツォフ(現ダンチェンコ)。

文章がギッシリの最新のチラシには、3人の生徒さんのインタビューが載っています。

『小さいマーシャ候補』のダリア・ネウボコーエワと、アンナ・シャローワ。

『王子候補』のパヴェル・ミヘーエフ。

しかし、パヴェル・ミヘーエフは12月のマリインスキー本劇場公演では王子を踊ることはありませんでした。

ワガノワは1月の公演は無く、このまま日本公演に突入します。

本劇場で主演したダンサーは以下のとおり。

20 Eleanor Sevenard / Pavel Ostapenko

21 Anna Smirnova / Oleg Ignatyev

26 Alexander Korshunov / Roman Malyshev

27 Vera Segova / Pavel Ostapenko

28 Maria Ilyushkina / Oleg Ignatyev.

エレオノーラ・セヴェナルドとAlexander Korshunovは7年生、その他は8年生(学士1年生?)です。

そして王子が3人しかいません。オスタペンコとイグナテフが2回ずつ。

チラシで紹介されているミヘーエフはどうしたのかしら?

ミヘーエフのインスタはコチラ↓

https://www.instagram.com/pashamih/

参考までに、王子を踊ったロマン・マリシェフのインスタはコチラ↓

https://www.instagram.com/maloi97roman/

オレグ・イグナテフのvkがコチラ↓

http://vk.com/id28744374

オスタペンコは動画でご覧下さい。

https://youtu.be/dSTNG9ZGxFw

https://youtu.be/ZZbVVHz9mlY

美人のセヴェナルドにばかり目がいってしまいますが……笑

その他、中国の踊りに、日本からヨシノタカオミ、フジムラマオ、イケダケント、ナカシマミノリ(?)、タカハシアヤノさんらの名前があります。ざっと見たところ。

楽しみですねーー

私がチケット持ってる日は、どの組み合わせに当たるかなーー?happy01

『白鳥の湖』~ミハイロフスキー劇場バレエ(訂正あり)

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2016.1.9 ~東京国際フォーラム ホールA

オデット/オディール  アナスタシア・ソボレワ
ジークフリート王子  レオニード・サラファーノフ
悪魔ロットバルト  ミハイル・ヴェンシコフ
道化  デニス・トルマチョフ
王妃  ズヴェズダナ・マルチナ
家庭教師  ロマン・ペトゥホフ

≪ミハイロフスキー来日公演について、1年前の記事と動画を文中にリンクしてましたので、訂正しました≫


お正月公演は帰省組にとって難しいところがあり、帰省にまつわるアレやコレやの重圧?のためか、これまでミハイロフスキーには縁遠かったのですが、

今回は噂のヴィクトル・レベデフ君を見たい!という強い強い思いでチケットを購入しておりました。

それなのに、劇場都合によるボルチェンコ降板に伴う玉突き人事のため、関係ないレベデフ君まで変更。

きゃー光藍社ってば、キャスト発表の意味無いやーーん(泣)

格上のサラファーノフへの変更ですから不足は無いものの、ボルチェンコの降板は、彼女の代役で収めてほしかったというのが、レベデフ君目当ての偽らざる心境です。

しかしながら、ゲストのポリーナ・セミオノワまで降板したことで、ニュー・スターであるヴォロンツォーワ、ソボレワら若手の主演が増え、

現在のありのままのミハイロフスキーがはっきりと見えたことは、結果的に良かったのではないかと思います。


○ 王子のレオニード・サラファーノフ。

毎日または隔日で主役という、あまりに過密な馬車馬日程。しかも何かあった時の交代要員も不安な中、求められるスキルは

≪大過なく日程をこなす≫。

そんな風ですから、サラファーノフも60%くらいに抑えていた感じです。

回転は珍しく軸がぶれるし、ザンレールも曖昧だったり、対角線上のダイアゴナルのシリーズでも、通常ならあと一回跳ぶところをゆったりポーズで終わらせたりなど、

このクラスのスター・ダンサーとしては、やや精彩を欠くような印象もありました。

とは言っても、上手く入らないものも流れの中できれいに収めており、優雅でステキね、という範囲。

乱れても雑なところはまるで無く、あくまでアカデミックで完璧なダンサーが、加減して軽やかに流している感じです。

それで良いと思いました。『ジゼル』『海賊』はレビューを見ると良かったようですし、ミハイロフスキーの興業日程をこなすことが先決。サラファーノフに何かあったらミハイロフスキーは回っていかないし。

(これで許されるのが、ボリショイマリインスキーとの違い……とか言ってしまえば、それまでですが)

100%サラファーノフは、夏のNBSガラ公演『バレエの王子様(仮題)』に期待、でしょうか。

サラファーノフは最盛期の男盛り年代ですが、少年のようなほっそりした体躯に紙のような青白いお顔、まさに

憂いの王子。

物憂げに白手袋を脱ぎ、また違う場面では、整髪料のCMのように髪をかきあげたりなど、

(実際には掻き上げるほどの前髪は無いのですけど)

彼なりの役作りが好ましく、微笑ましく好感度高い王子でした。

本番中よりカーテンコールで赤い緞帳の前にいるときのほうが、オデットに恋してメロメロな演技だったことは、

サラファーノフの舞台に対する誠実さの表れかしら?

カーテンコールの最後の最後まで、王子続行。

○ オデット/オディールのアナスタシア・ソボレワ。

長身ながらも極細に絞っており、これなら細いレベデフ君やサラファーノフと組んでも安心の、素晴らしいスタイル。

手が大きくて腕がロパートキナ級に長く、本当に白鳥の翼のような美しい腕の持ち主です。あまり筋肉のついていない背中はしなやかで柔らかく、美しいラインが出ます。

ソロは普通に良かったのですが、デュエットで踊った時に特に美しく素晴らしく、この若さで既にロシアの白鳥姫としての「淀みない流れ」を持っていることは、驚きでした。

少しの引っ掛かりもありません。欠点も無い。

それだけに……オデットとしても、特徴うすく、心にも残らず……

三幕のオディールは若い娘さんらしい魔力があってまだ良かったのですが、二幕と四幕のオデットでは、

ちょっと眠気との戦いでした……

これは私に問題があり、三幕の黒鳥の前の休憩時間に家から持参したおやつチャージで体力回復に成功しただけで、

前後の白鳥の退屈も私の正月疲れが原因なのか、ちょっとわからないのですが、

フェッテも足を高く振り上げるスタイルのゆったり目オールシングル、ターンもゆったり二回転の安全運転で、

無風のミハイロフスキーそのものに感じられました。

コンクール入賞の後に移籍せず、あのままボリショイに留まっていたら、ソボレワは今頃どんな白鳥姫になっていたでしょう?

ボリショイ・バビロンの厳しさに晒されて磨かれて、鬼気迫る美女姫になったかもしれませんし、

そのような諍いを避けたからこその、今のおっとり善良な白鳥なのかもしれません。


このメッセレル改訂版の『白鳥の湖』は、白鳥コールドに特徴があり、結末はハッピーエンド、スパニッシュはロットバルトの手下という位置づけです。

三幕のロットバルトは、「頭にローソク四本付けてるの?」と一瞬思ってしまう形状の冠で(笑)、衣装はカッコいい甲冑風の伊達男。

手下のスパニッシュもベテランのイケメンを揃え、見目麗しく大迫力。

(マリインスキーは、このスパニッシュが弱かった……笑)

衣装や舞台セットも今風でスッキリと、洗練されていたと思います。


私の鑑賞日ではありませんが、ファルフ・ルジマートフが『海賊』コンラッドと『白鳥の湖』ジークフリートを踊ったことについて、現地のファンは驚きを隠せない様子。

ざっとグーグル翻訳の意訳で、

『なんで!? もうずっと踊ってないし、年なのに』

『日本では年齢は尊重されるの、歌舞伎とか、中村雁次郎は90歳だし、玉三郎は66歳よ』

と、羨ましくて仕方ない感じですーーうふふ。

それにしても、雁次郎や玉三郎の名前がサラっと出てくるあたり、ロシアのバレエファンって、教養が高いですね……舞台芸術に対するベースが、私とは全く違う感じです……

いずれにしても、ワガノワ公演もそうですが、みなさん日本公演の成功を祈り、喜んでいる様子。

(以下、訂正してます)

http://www.1tv.ru/news/culture/275601

1年前の記事ですが、テレビのチャンネル1の元ニュースをグーグル翻訳にかけたところ、

“最終的に、日本サイドは現代的なバレエにも興味を示すようになった”

とあります。

名前が上がっているのが、『パリの炎』、そして『眠れる森の美女』。

……当初は、『パリの炎』も打診されていたのですね。

今回は『ローレンシア』が来ましたが、『パリの炎』、見てみたいですよね!?

そして、今回来日しなかったアリサ・ソドレワ(ソチ五輪でボリショイのロヂキンと踊り、去年マリインスキーから移籍)も、ぜひ見てみたいです。女性陣は、ゲスト不要なほど充実しています。

ただし男性主演陣が、今回サラファーノフとレベデフの日替わり状態。

次に打って出てくる新星にも期待したいところです。

ミハイロフスキー劇場管弦楽団の音楽も良く、会場がだだっ広い国際会議場であることを除けば、

お値段以上の満足感のある良き公演でした。


パ・ド・トロワ タチアナ・ミリツェワ イリーナ・ジャロフスカヤ ニキータ・ナザロフ
小さい白鳥 アンナ・クリギナ エレーナ・ニキフォロワ ヴェロニカ・イグナツェワ エカテリーナ・ホメンコ
大きい白鳥 アスティク・オガンネシアン スヴェトラーナ・ベドネンコ アンドレア・ラザコヴァ
スペイン クリスティーナ・マフヴィラーゼ マリアム・ウグレケリーゼ アレクサンドル・オマール アンドレイ・カシャネンコ
ハンガリー (チャルダッシュ) オリガ・セミョーノワ ウラジーミル・ツァル
ポーランド(マズルカ) アーラ・マトヴェーエワ ユリア・カミロワ アレクセイ・マラーホフ アルチョム・マルコフ
イタリア(ナポリ)オルガ・プリュトコワ コンスタンチン・キリンチュク
花嫁候補 アナスタシア・ロマノワ デボラ・ダヴィス ユリア・バラグロワ アナスタシア・トルスタヤ エレーナ・トゥルシナ ヴィクトリア・ザリポワ

ワガノワから今年のローザンヌ出場者

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ワガノワ・アカデミーの修学旅行日本ツアーがいよいよ始まります~10都市11公演。

生徒さんたちのインスタにも、空港やら日本での写真が少しずつUPされ、ワクワク感が伝わってきます。

ただ、生徒さんたち、宿泊先のホテルの名前や位置情報を投稿するのはやめたほうがいいと思うんですね。

ツェスカリーゼ校長も、そんな彼女らを再投稿して拡散してはいけませんーー(>_<) 犯罪率低く安全な東京でも、変な人を寄せ付けちゃったらどうするのよサ。生徒の美少女少年らを危険に晒してどうする。

そんなワガノワ公演ですが、私は若い子にあまり興味がなく、10代の特有の未完成な煌めきにも関心が低いため、

「とりあえず、一回見ておこうかな」

くらいの軽い気持ちだったのが、彼女らのインスタに

【Konnichiwa, Japan ! Konnichiwa, Tokyo !】

なんて可愛らしいコメントと絵文字が踊ってるのを見ると、そのあまりの愛らしさに、くにゃくにゃになってしまいます……lovely

バレエに青春かけてる本物の美少女100%、

その破壊力、パワーって、あらためて凄いですね……


そして、これも今頃になって気づいたのですが、ワガノワから今月末からのローザンヌ・コンクールにエントリーしている子がいるんですね。

彼女らは今回の日本ツアーには参加しないでしょう。

ワガノワからローザンヌ・コンクールにエントリーしているのは以下の2人。

もう何度も貼ってますが、またインスタ貼っときます。

○ Mariia Khoreva

https://www.instagram.com/marachok/

○ Alena Kovaleva

https://www.instagram.com/_kovalenka_/

マリア・ホレワちゃんは、『くるみ割り人形』のリハーサルが始まった去年秋ごろに、主役のマーシャに選ばれるのではないかとチラっと名前を出していた子です。

その後の様子が全くわからなかったので、どうしたのかと思っていたのですが、

ローザンヌの準備に入っていたのですね。

少し前でまだまだ子供子供してる動画ですが。

https://youtu.be/szObH4AQTCw

この時より身長も伸びており、今回見られるのがとても楽しみです~

(予選通過は、当然するでしょう)

urikoが今さら知ったかぶりでご紹介とか不要の、インスタのフォロー数がポルーニンの約3倍、ヴィシニョーワに迫る数のマリアちゃん、その内容もひたすらバレエのレッスン動画や写真という、バレエ学生の鑑。

そしてアリョーナ・コバリョーワ。

これまで何度か拙ブログでも書いてる子で、12月のマリインスキーでのワガノワ公演では、アラビアや雪の精のリード、ローズワルツなどを踊っており、その他の発表会など出演多数、今回も当然来日するものと思ってました。

ローザンヌにもエントリーしていたのですね。びっくりです。

(ローザンヌ向けの準備はしているのかな……?)

発表会での『海賊』の動画です。

https://youtu.be/1PBbdtdRkpo

ローザンヌのTV映像で彼女を見て、彼女のファンが増えたら嬉しいです。

上の動画ではお名前のアナウンスがアリョナ・カバリョワって聞こえるのも、本放送時にNHKが正しい表記を出してくれるでしょうし。

(予選は当然、通過するものと思ってる)

しかし私、ローザンヌ・コンクールについて全くわかっておらず、いつも日本人だけ動画でチェックする程度なのですが、ローザンヌの特徴、目的などを考えると、

まだ生徒であるマリアちゃんにとってはメリットいっぱいでも、コバリョーワは後は卒業するだけ、

その後の進路は、一にも二にもマリインスキー!!

と、個人的に彼女にはマリインスキーに入団してコールドから叩き上げのオデット候補になってほしい、と願っているコバリョーワが、

まあ無いとは思いますが、まかり間違ってロイヤルやハンブルク目指しちゃったり、思うような順位がつかずガッカリな結果に終わった場合、むしろデメリットしかないじゃないのーー??とか、思ってしまうのですね。

去年のワガノワからの参加者は予選落ちしましたし。

しかもローザンヌって、解説者が『この子は顔が大きいですね』とか無情に言い放つのと違いましたっけ? 今はもう変わられたのかもしれませんが、私の可愛い子が公衆の面前でそんな目に遭うなんて、キビシー(>_<)

……とかなんとか陰気なこと書いてますが、これはちょっとしたお遊びで、

今年のローザンヌは、ワガノワからは本気の人選です。

純ロシアっ子の彼女たちにとって、ローザンヌはアウェイかもしれませんが、可愛い子らの冒険の旅は見ていて楽しみでもあります。

私にとっても今年は本命が2人も出場するので、とてもとても楽しみですーheart01

ワガノワ『くるみ割り人形』直前

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昨日からワガノワの『くるみ割り人形』東京公演が始まりました。

私は今日行きますー楽しみですheart01

出発までに、書けることまで。


小さいマーシャを踊るアンナ・シャローワちゃんのインスタから。控室で遊んでいる様子ですが、もう可愛くってurikoはくにゃくにゃ lovely

https://www.instagram.com/p/BAxM_kiKnVHYmaZ4Ov4unI3Zfuu2wTLksk2g4g0/?taken-by=nyuta.ballet

他にアップされてるお写真を見ると、ちょっと背伸びしたり早く大人になりたいお年頃のようで可愛いですが、

いずれ絶対に大人にはなるし、その後はあっという間におばちゃんですから、今のかわゆいリアルを大切にしてほしいものです。


そして、博多からはスカイマークで来たようで、例によって、ボーディングパスをそのままインスタにアップしてる子がいて(そしてツィスカリーゼ校長がそのままリポスト)、搭乗者名は「VAGANOVA BALLET」。

ますます修学旅行っぽいですね。

全く関係無いことですが、スカイマークの翼に描かれたさくらんぼの意匠をアップしてる子が複数いて、

https://www.instagram.com/p/BAyl97ZuRQG/?taken-by=ionovaworld

このさくらんぼのマーク、うちとこの有料の成人チャンネル『チェリーなんちゃら』のマークとそっくりなのですね……(@_@)

(社員は誰も止めなかったのかしら? そんなんだから経営も傾くのよーーー)


そして、去年の卒業生でツィスカリーゼのお気に入り、ダンチェンコに入団したエフゲニー・クズネツォフがお写真にチラチラと散見され、どうも来日しているようなんですね。

https://www.instagram.com/p/BA3JwniJTnt/?taken-by=maloi97roman

中央のおっさんみたいな社会人の貫禄のハンサム君がエフゲニーです。

インスタ貼っときますね。

https://www.instagram.com/j_ballero/

(しかしこの子はマッチョなポーズが好きなのね……正式なポーズ名あるのですけど、調べたサイトが「筋肉バカドットコム」だったので、もうやめときます……)

当然マリインスキーに入るものと思っていたら、ダンチェンコに入ってエエエΣ(゚д゚lll)だったエフゲニーですが、

彼はプロフェッショナルに踊れますし、彼が入ることで公演のレベルがクンとUPすることは間違いないまでも、彼、踊るのかしら?

まだ他公演のキャストをオスタペンコ以外を知らないのですが、

(キャスト表はどこに行けば見られるのでしょう……? どなたか教えてください<(_ _)>)

サンクトペテルブルクの本劇場公演で王子が三人しかおらず、日本公演はどうなるのかと思っていたところです。助っ人呼んだのかしら?

まあ、公式チラシの王子もエフゲニーですし、問題は無いっちゃ無いのですが、

こっちはワガノワ生徒さんの“こけつまろびつ”を承知してチケット買っているので、こんなプロフェッショナルな主役が舞台を牽引すると、公演の主旨が変ってしまうやないのーーと、思ったり思わなかったり。

実際のところはどうなのか、とりあえず渋谷に行ってから、という感じです。

ちなみに上記のお写真、後列の向かって左から、

Roman Malyshev  https://www.instagram.com/maloi97roman/

パヴェル・ミヘーエフ https://www.instagram.com/pashamih/

ツィスカリーゼ校長

Krill Sokolovski  https://www.instagram.com/kirill_sokolovski/

(https://www.instagram.com/sokolovskikirill/)

パヴェル・オスタペンコ

そして、中央の美少女が今回の日本ツアーのヒロイン、エレオノーラ・セヴェナルド。美人ですね。


東京バレエ学校の海外研修生でワガノワ留学中の南江祐生さんの記事に、

http://thetokyoballetschool.com/overseas-training/from-5.html

“特に、校長のツィスカリーゼ先生がとても厳しくて、大きな役の子で失敗してしまい、役をおろされてしまった子もいました。”(本文から引用)

とありますが、これ、ミヘーエフも該当しそうですね……

ワガノワ招聘元のチラシで『王子候補』としてコメントが載っていたパヴェル・ミヘーエフですが、結局王子を踊っていないようですし、まあ18歳やそこらの子にとっては挫折で傷ついたでしょうけど、

気にせず強く生きてほしいです。

もう心境は遠い親戚のオバちゃん・笑

日替わりのようですが、ローズワルツで見られるかも。でも、マリインスキー仕様のあの白カツラだと、おそらく判別つかないかと。

今日はこのあと夕方から東京は雪が降るそうです。


そして、マリインスキーでは二月初旬までのキャストが発表され、シャプランが白鳥デビュー、

エルマコフは選ばれず、これで入団二年目のアメリシコに王子デビューで抜かされることが決定しました。しかもジークフリート。

エルマコフは海外公演に欠かせず、ひたすらロットバルトを踊って踊って消費されて終わりそうな予感がしてきました……orz

『くるみ割り人形』~ワガノワ・バレエ・アカデミー

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2016.1.23 ~オーチャードホール


Vaganova1

↑当初配布された配役表

↓オーチャードホールの階段下にヒッソリ掲示されていた、変更後のキャスト表

Vaganiva2


* アルス東京さまとオーチャードホールにお願い :
 

キャスト変更表は、出口付近のわかりやすい位置に掲示して下さい。ヒッソリと階段下のあんな位置に掲示されたら、気付けないですよ。私はコーヒー飲んだ後に帰宅ダッシュのためコート取りに降りた際に階段を間違ったので(笑)、たまたま気付きましたが、

あの位置、あのヒッソリ具合では気付かなかった人続出のはず。

そもそも、開演前にわかってる変更なら、印刷しなおすとか、客席入口に張り紙するとか、他にも方法があったはず。


:::*:::*:::*:::*:::*:::*:::*:::*:::*:::*:::*:::


幕が上がると、そこは夢のおとぎの国。

その夢々しさは半分リアルな現実で、目の前には実際に生きて動いている本物の天使たちがいっぱい。

世界でもっとも天使に近いワガノワの子供たち、その愛くるしさにはうっとり夢見心地になりますし、

その一方でインスタにアップされた上級生の女の子がフランクドック買い食いしてる写真とか(笑)、

(あーーオーチャードホール向かいのファミリーマートね、みたいな)

そんな超現実的リアルも可愛らしく、

もうステキに可愛い可愛いワガノワ『くるみ割り人形』でありました。(主役の二人を除く)

世界最古のバレエ学校、そのブランド力は威力絶大で、このジャンルにおいては本家本元、

舞台としては(主役の二人を除いて)あくまで学生さんたちの通過点であり、発表会的な青さはあるのですが、

夢に青春を賭ける姿は清々しく美しく、

この楽しみ方の違いは、プロ野球と高校野球の違いに似ているように思いました。

それぞれに違う良さがあり、異なる感動があります。


主役の二人、セヴェナルドとオスタペンコは共に見事な容姿で、修学旅行然とした他の生徒さんたちとは、自覚レベルから違っているようでした。

○ 王子のパヴェル・オスタペンコ

特にオスタペンコは印象が良く、事前の動画の印象や日本ツアー当初のレビューを読む限り、この日本ツアー中に驚異的に伸びているようです。

才能ある若い子が、チャンスを得て急成長している様子。

東京は連続して2公演とも主演、初日など目立つ所は全部オスタペンコ、取材の入ったゲネプロも合わせて何度も王子を踊っており、

海外ツアーを牽引するワガノワ・トップの自覚を感じました。

しなやかな筋肉でバネがあり、シクリャロフに良く似た夢の国の王子様タイプ、

ジャスティン・ビーバーを上品でエレガントにしたようなアイドル的なカリスマがあり、愛嬌があって華やかで、マリインスキーの純古典にぴったりの王子様系、

くるみ王子の大マネージュも、よく弾んでよく伸びていました。地味な動画とは大違い。

豪華な金髪にほんの少し、控え目~にラメを散らしていたのですが、あと数年先のマリインスキー来日公演で、キランキランshineにラメを散らして古典王子を踊るオスタペンコの姿が、

目に浮かぶようで笑えました……

コマ回しのピルエットでナナメらせてましたが、あれはマリインスキーの2ndソリスト級でもよくありますし(笑)

今はまだ中背ですが、若いし、今後は身長も伸びることが期待されます。

○ プリンセスのエレオノーラ・セヴェナルド。

中背ながら超小顔でスタイル抜群の美少女。

東京初日にロシアのTV局vestiの取材が入り、ワガノワ公式の動画サイトに転載されてます。

http://www.vesti.ru/doc.html?id=2711518#/video/https%3A%2F%2Fplayer.vgtrk.com%2Fiframe%2Fvideo%2Fid%2F1473378%2Fstart_zoom%2Ftrue%2FshowZoomBtn%2Ffalse%2Fsid%2Fvesti%2FisPlay%2Ftrue%2F%3Facc_video_id%3D668732

https://youtu.be/m5pm8SsIT5A

そして、いつもの掲示板にこの文字起こしがあり(コチラ)、翻訳にかけるとセヴェナルドは

≪偉大なJoseph Kshesinskaiaの孫娘≫

とあります。掲示板カキコの翻訳ぶっこなので、さすがに『孫娘』という訳は怪しいのですが、ヨセフ・クシェシンスカヤについて検索すると、係累にマチルダ・クシェシンスカヤというロシアの歴史に名を残す大プリマに行きあたります。

素晴らしいサラブレッドですね!

これを知ったのは帰宅後で、この予備知識がなくてもセヴェナルドは十分に特別で素晴らしく、近い将来に必ず頭角を現してくることでしょう。

ただ、化粧が濃すぎて、ペネロペ・クルスのような色香が漂っていたのには……笑

(彼女はまだ7年生)

○ 雪の精のヴェラ・セーゴワ

https://www.instagram.com/veraballet/

今年の最上級生では、ローザンヌに出るコバリョーワと並んで注目していたセーゴワ、動画ではテクニックが弱いかと思いましたが、あれは金平糖のバリエーションが難しいだけで、

流石の目立ちっぷりでした。雪の精ならテクニック十分。

○ 人形のエレザベータ・クリコーワ

https://www.instagram.com/kulikova_liz/

美女とは少し違うけど、愛嬌があってとにかくとっても可愛い。舞台のどこにいてもわかります。

花のワルツでも目立ってました。

○ 花のワルツの、ロマン・マリシェフとエフゲニー・クズネツォフ。(配役表にはなく、urikoの目視)

去年の卒業生でダンチェンコに入団したクズネツォフが、ここに入ってました。

当初の配役表では王子だったので、変更に至る経緯はわかりませんが、万が一の控え要員って感じなのかしら?

大人の男性であるクズネツォフは、子供の中に混じると、まるでおっちゃん……

そして、ロマン・マリシェフ。

https://www.instagram.com/maloi97roman/

男クサイ容姿と思っていたら、はじめ本人と気付かなかったほど端正な顔立ち。まるで歌舞伎役者みたいな舞台姿で、クズネツォフと共に目立ってました。

ロマンは本国では王子ローテーションに入っており、キャスト表で当初発表されていたプリンセスはコールシュノワなので、

<クズネツォフへの交代がなければロマンだったかも?!>

と惜しい気もしますが、それも結局オスタペンコ組に交代しましたし、

今回は見られなくても、ロマンがモノになりそうなら、またいずれ本舞台で見られるでしょう。

(まあ、彼は夢の王子様ってタイプでもないですしね……)

かなりクセの強い個性ですが、この子はお顔も大き目で、組む女の子を美しく見せるはず。

そのほか、上記のワガノワ公式動画で、ツィスカリーゼ校長の隣にいる金髪のおかっぱの色白な男の子がキリル・ソコロフスキー、

https://www.instagram.com/sokolovskikirill/

https://www.instagram.com/kirill_sokolovski/

ツィスカリーゼが今回浅草に連れて行ってTV局に取材させているメンバーは、トロワ踊っていたり主要な役の子たちばかりですが、

ソコロフスキーは花のワルツの群舞の1人。

他の日に何を踊っているのかは不明ですが、とにかくタレっとして、他の男の子たちがポーズを決めてピシっと立ち続けてる中、

彼だけヤル気なくタレっとしてました。

踊ってるときはさすがに真面目に踊ってたけど、脇に避けた時のあのユルさと手抜き感は、ちょっとね、気になるものがありました……

ほんと、ちょっと気になります……親御さんとか先生方とかが、気にかけてあげたほうがいい子かも。老婆心ながら。


今回のワガノワの子供たち、彼らが夢を叶え、何度も来日してくれますように。

終演後の帰り際、オーチャードホール隣接の東急地下で食料品を買ったりしてモタモタしてたら、表に出た時はもう上級生のガールズが外をウロウロしてました。

さっき終わったばかりなのに、支度早いのね!

そして皆さん宇宙人のような驚異的スタイルで、そこだけ異空間が広がっていました……しかも、ワガノワにおいては、これが標準という……(@_@)

『月夜に煌めくエトワール』~エルヴェ・モロー他

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2016.1.9 ~オーチャードホール

バレエと音楽との饗宴、エルヴェ・モローを中心とするパリ・オペラ座エトワールのバレエに、バイオリンとピアノ・ソロが入るという、ハズすはずもない洒落た構成。

これは素敵そう~heart01 親しみやすく、デートに最適。きっと若いカップルやご夫婦などが多いに違いない、男性客も多いのでは?というurikoの予想は大ハズレ、

ここしばらくの舞台で他に類を見ないほど、会場は女性でいっぱいだったのです。。。

しかも、いかにもパリオペラ座のエスプリを好まれそうな、美意識高い系のマダム率高し。

若い娘さんや少女もいるにはいるけど、数においてマダムが圧倒。

前日のミハイロフスキーは本当に多様なお客さんが来られていたので、その違いは歴然、

『月夜に煌めくエトワール』は舞台も観客も共に明確な志向性を示す、極めて趣味的でスノビッシュな舞台だったのです。

うっかり夫を誘ってしまって二人でノコノコ出かけたところ、場違いな夫は周囲から浮きまくり、そもそもバレエにあまり関心がなく、男にはほとんど興味無し、むしろ野郎なんざどうだっていーんだよ、的な夫に、

美男のダンス、美男のバイオリン、美男のピアノ、美男のダンス……

と延々と続く美男のループ、これを修行と言わずして何と言う、という、

あまりに洗練された煌めきの世界でありました……

(夫にとっては、正月の嫁実家に続く、修行の日々)

とりあえず、行けばきっと楽しいはず、という私の願望は完全に打ち砕かれました。

私はそろそろ、人生に幻想を持つのはやめにして、現実を直視すべき時期にきたのかもしれません……



○ 『煌めくエトワール』 日本初演
音楽:ジュール・マスネ(「タイスの瞑想曲」) 振付:エルヴェ・モロー
バレエ:ドロテ・ジルベール/エルヴェ・モロー 
ヴァイオリン:三浦文彰 
ピアノ:ジョルジュ・ヴィラドムス

星空を背景に、舞台下手にグランドピアノとバイオリン、そして煌めきの美男美女。

モローの振り付けは美しさをサラサラと流しつつ、

(本当にサラサラと流れて行くだけで、後に残らない感も)

終盤の音楽が高まるところ、高く持ち上げたジルベールが星空にふわーっと舞いあがる昂揚感は、まさに奥様方のドリーム。

ドロテ・ジルベールのインスタから。

https://www.instagram.com/p/BAsK0J-iig5/?taken-by=dorotheegilbert

○ イザイ: 『無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 バラード』
ヴァイオリン:三浦文彰

三浦さんて、素敵なんですよね。この世界最高峰の美男美女と並んで全く遜色ない容姿。

ですから、てっきり美男のバイオリンだと思っていました。女優ピアニストの松下奈緒さんやキャスターでバイオリニストの宮下笑里さんのような。

それが、とてもパワフルな音を出す実力派でびっくり。

後で知ったのですが、今年のNHK大河ドラマ『真田丸』のオープニングのソロを弾いておられる方でした。そりゃ上手ですわ。あのような、クリアで強い音を出されます。

○  ポンセ: 『メキシカン・バラード』
ピアノ:ジョルジュ・ヴィラドムス

エルヴェ・モローよりも美形かも?という超絶美形ピアニスト。ラテン系の大人の色香がむんむん。

○ 『トリスタンとイゾルデ』よりパ・ド・ドゥ 日本初演
音楽:リヒャルト・ワーグナー『愛と死』 振付:ジョルジオ・マンチーニ ※音楽は録音テープを使用
バレエ:ドロテ・ジルベール&マチュー・ガニオ

読売オンラインの高橋森彦先生の解説によると、

http://www.yomiuri.co.jp/entame/ichiran/20160119-OYT8T50037.html

“体を密着させて禁断の恋の極致を表し、最後は寄り添い愛に殉じる。”(本文から引用)

とのことですが、解説文を読むまで、そのことに全く気付きませんでした。

確かに『トリスタンとイゾルデ』ですから、騎士と王妃の許されぬ禁断の恋……のはずなのですが、マチューとドロテは双子のようにお似合いで品良く美しく、

清く正しい彫刻のような二人でした。

マチューが完璧に美しすぎるせいか、ひたすら可愛く健全なのです。

マチューの容姿が衰えてきたときにようやく、人間の奥にある情念とか、ねっとりした大人の情感とか、そういったものを表現するようになるのでしょうか……?

結局は本人の意思、芸術との向き合う姿勢次第だと思いますが、

でもでも、優しく清潔で色気に乏しい、今の耽美なマチューが好き。

(文字にすると病的ね)

○ 『ツクヨミ』 世界初演
音楽:アルヴォ・ペルト「アリーナのために」  振付:中村恩恵
バレエ:エルヴェ・モロー
ピアノ:ジョルジュ・ヴィラドムス

月面クレーターの陰影も美しい月が背景に映し出され、それが細く下弦の月となり、また満月へと変化していく、コズミックな森羅万象、

パリ・オペラ座のエルヴェ・モローらしく、フランス的エレガンスの見地から映し出す、ジャポニズム。

プログラム買いそびれて解説を読んでないのですが、「ツクヨミ」は「アマテラス」の弟で、太陽と対をなす月。

狩衣の袖のような薄い衣がライトに透けて幻想的で、擦り足のような日本的な動きが繰り返され、インテリジェンス溢れるコンテンポラリーに仕上がっていました。

技術的にどうこうという作品ではなく、エルヴェの知性と美しさをただひたすら堪能する作品。

(同時に、エルヴェほどの身体的美しさがないと成り立たない作品でもあり……)

○ 『それでも地球は回る』 日本初演
音楽:アントニオ・ヴィヴァルディ(「バヤゼット」より“私はないがしろにされた妻”) 振付:ジョルジオ・マンチーニ
バレエ:マチュー・ガニオ 
ヴァイオリン:三浦文彰 
ピアノ:ジョルジュ・ヴィラドムス

体操着みたいな黒のショートパンツに、赤(ショッキングピンク?)のタンクトップ。しかも、よくある普通のタンクトップではなくて、胸のあたりまでピッタリで腹にかけてふわりと広がるタイプ。

スポーティーな不思議衣装に、音楽が純古典のクラシック、物悲しいメロディに、クラスレッスンのようなバレエの基本動作が繰り返され、

五番の足にアン・オーの腕で静止したときなどの、基本中の基本におけるマチューの美麗さは圧巻。

バロック絵画の大天使のようなマチューの美しさと、体操着衣装とのミスマッチが、なんとも言えない哀しみを醸し出しており……

(流麗なビバルディが、その哀しみをさらに増幅し……)

かようにして地球は回っていく、というオチなのかしら、この作品……



○ サン=サーンス:『序奏とロンド・カプリチオーソ』
ヴァイオリン:三浦文彰 
ピアノ:ジョルジュ・ヴィラドムス

これは素晴らしかったですーー堪能しました。


○ 『瀕死の白鳥』
音楽:サン=サーンス「動物の謝肉祭」より第13曲「白鳥」 振付:ミハイル・フォーキン
バレエ:ドロテ・ジルベール
ヴァイオリン:三浦文彰
ピアノ:ジョルジュ・ヴィラドムス

バイオリン伴奏の『瀕死の白鳥』はザハロワとレーピンのガラ公演の動画で見ましたが、チェロの伴奏に比べてバイオリンの音が高くなる分、作品自体も軽い印象になるのが、

この日のドロテは、さらに機械的で無機質。クールで孤独。

彼女のインスタにアップされた写真そのままの、『瀕死の白鳥』でした。

https://www.instagram.com/p/BAW5QiwCikk/?taken-by=dorotheegilbert

この写真はスゴいです。あの世界観そのまま。

本当にこんなコンクリートの背景の中で死んでいく、刹那の白鳥でした。

○ リスト:『 バラード 第2番』
ピアノ:ジョルジュ・ヴィラドムス

リストはトリフォノフのパワフルな演奏を聴いたばかりで、相対的にパワーの不足は否めず、

今回はガラ公演の主旨からも、最初の曲のような洒落た美男の選曲のほうが合っていたと思いました。

……長いし。

○ 『月の光』
音楽:クロード・ドビュッシー 振付:イリ・ブベニチェク
バレエ:エルヴェ・モロー
ピアノ:ジョルジュ・ヴィラドムス

以前に『エトワール・ガラ』で見た演目。美しい男性たちによる、美麗な世界。


そして舞台はフィナーレへと。



○ スペシャル・カーテンコール

音楽:バート・ハワード「Fly Me to the Moon」
出演:全員
※音楽はフランク・シナトラによる録音を使用

前の『月の光』の途中から予感はしていたのですが、

「エルヴェとマチューの新作デュエットはぁぁ???」

世界初演、日本ツアーのために用意された、世界で最も美しい二人の男性エトワールによる新作デュエットは、今回の目玉だったはず。

エルヴェが最近怪我降板したことと、演目の変更があることは聞いてましたが、変更がまさかコレだったとは。

そして会場に流れる、フランク・シナトラ往年のあの名曲。

ビッグ・バンドをバックに歌うシナトラの野太い歌声は、破壊力満点。それまでの、おフランス的に優美で粋な空気が、突如として古き良きアメリカに一変、

きゃー、期待してるのはコレじゃなーーい(涙)

『Fly Me to the Moon』だから≪月≫繋がり? そんな安直な、と困惑するuriko。

シナトラがようよう癇にさわってきたころ、ようやく今回の企画がニューヨークはカーネギーホールで成功した企画の焼き直しであることを思い出しました。

“カーネギーホールで成功”って、若い初来日の音楽家とかのコピーでよく見かけますが……

これがマディソンスクエアガーデンだったら、エルヴェってば凄い、ラルクアンシエルみたい、とか思ったかもしれませんが、

パリオペラ座のエトワールですし、そりゃ成功するでしょ、くらいの感覚、『カーネギー・ホールで大成功したエルヴェ』にさほど価値を置かない場合、

それまで積み上げてきたフランス的なエスプリをぶち壊してまで『カーネギー・ホールでニューヨーク』に拘ることで、

舞台の構成そのものが、とりとめのないものになってしまった気がします。。。

その他、シナトラを背景にしたカーテンコールで、エルヴェは座長としても、彼と同格のエトワールたちが1人1人なのに対し、

美男ピアニストだけは別格扱いで手を取り合うはハグするは肩を組むはの親密さ濃密さで困惑していたところ、

この『カーネギーホールで大成功』企画が、この美男ピアニストのヴィラドムスとエルヴェの二人の企画であったことも、合わせて思い出しました。

うーーん……

同伴した夫にはこの説明をしてないので、普通に

「二人は恋人かな」

とか思ってるんじゃないでしょうかね……面倒なので、もう説明しませんでしたけど。

おフランなエスプリにうっとり、怪我による演目変更までは理解できるも、

でも、最後のシナトラはどうなの?と思う舞台でした。


そしてここからはバレエに全く関係のないヨタ話ですが、

この後に食事に出かけた先で、適齢期カップルの男性がプロポーズしたらしく、小さな赤い花束を渡してました。

終演が予定より30分遅くなったので、もし予定通りに終わっていたら指輪を渡すプロポーズの瞬間も見られたかも?!(ΦωΦ)

と、完全にデバガメ根性・笑

東京男って、お花とか、こんなことするのねーー若いって素晴らしい、とか思いつつも、

こんな年明け早々にプロポーズするなら、年末に済ませてお正月には両親に正式に報告すればいいのに、とか、

もしかしたら、すでにお年始にてママ☆チェックでOK!が出て、満を期してのプロポーズなのかも?東京男ってマザコンねーとか、妄想炸裂、

指輪の箱を手にしたお嬢さんには、

上手くやりなされ、手綱を上手に捌いて、とにかくうまいことやっていくのよ

と、遠い親戚のオバちゃんのような応援モードに。

舞台が八時終了だと、次の楽しいことがあったりして良いですね。


ローザンヌ

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ローザンヌで、日本から5人が決勝進出。おめでとうございます。頑張って!!

http://www.yomiuri.co.jp/culture/20160206-OYT1T50002.html?from=ycont_top_txt


そして、ワガノワからはアリョーナ・コバリョーワが、まさかの予選落ち。

((((;゚д゚))))

セミファイナルは古典のガムザッティはまだ未見ですが、コンテのストラヴィンスキーは美しく魅力的で良かったと思います。

振り付けを間違えたとかコケたとか、そういうことも無かったので、音楽性や表現力、解釈が他より劣ったということになりますが、

うーーーん、魅力的だったと思いますし、お金を払って見に行くに値する子だと今も思っていますが……

予選落ちという厳しい現実に直面し、言葉もありません。

順位すらつかない、予選落ち。

予選落ちでファイナルに残れなくてもオファーが来ることもあるので気落ちしないで、とは言っても、応援してた子がその様なグループに分類されてしまうことについて……落胆せずにはいられないです。

ローザンヌはアウェイとは思ってましたが、思った以上にアウェイだったということですね。。。

http://www.forum-dansomanie.net/forum/viewtopic.php?t=7187&start=60

インタビューによると、コバリョーワはマリインスキー以外にも興味を示しているようですが、

(そりゃ、ローザンヌに出ていて『マリインスキーに入りたい』とか言ったら、だったら何故ここに来たんだ、となりますが)

こちら側は彼女を必要としていない、ということですね……

それにしても、ツィスカリーゼは何故コバリョーワを出場させたのでしょう? 

普通高校に通いながらチャレンジしてる子もいるでしょうし言い訳にもならないですが、

コバリョーワは秋から発表会その他に出ずっぱり、本国のワガノワ『くるみ割り人形』にも、オリエンタル、雪の精、花のワルツと、リハーサルも含めてずっと拘束されていて、ワガノワ本隊が修学旅行日本公演に入った2週間前からようやくローザンヌの準備に入ったようですし、

ツィスカリーゼってば、さしたる準備もさせず、自分も審査員に入ってるくせにこんなことになって、彼女の経歴に傷を付けて、

しかも、ツィスカリーゼはわりと冷たく容赦ない所が見受けられるので、人ごとながら心配になります。

先日放送されたwowowのワガノワ・ドキュメンタリー、まさに今現在、ありのままのワガノワ・アカデミーを取材しており、先日の日本公演で主演したエレオノーラ・セヴェナルドなどが登場しますが、ちょっと衝撃の展開があるそうです。

http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/107678/

来週に再放送がありますので、これを見ようと思っていますが、

ツィスカリーゼの印象として、どちらかというと、自分に恥をかかせた形のコバリョーワに冷たく当たりそうで、心配……まあ、この世界で生きていくコバリョーワにとっては、これが現実なので仕方のないことですが。


(こんなことになるなら、日本ツアーに参加して楽しく踊って東京ディズニーランドにみんなと行って楽しく遊んで来れば良かったのに……しくしく)

ローザンヌ その2

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ローザンヌ・コンクール、日本から入賞した中村淳之介 さんおめでとうございます~

ワガノワからは留学生のラウラ・フェルナンデスが5位入賞、おめでとうございます~!

決勝の動画を見まして、1位に入った中国のYu Hang16歳、上手ですねえ。特に古典が。

数年後に欧州の名門バレエ団で主役を踊ってる姿が目に浮かびます……中国本国が離さないかもしれませんが。

予選落ちしたワガノワのコバリョーワですが、今では本選に出て順位がつかなくて良かったとも思います。本番では何があるかわかりませんし。

ワガノワで公式動画がきたので貼りますね。






動画を見る限り、私は魅力的だと思います(特にコンテが)。予選落ちというのはなかろう、という感じです。

コバリョーワが本選に進めなかったことについては、審判団の意思を感じます。

ローザンヌは公式サイトを見ますと、コンクールの目的として

『若手ダンサーが権威あるバレエ学校やバレエ団の研修生として入り、そのキャリアを育成する扉を開く』

とあり、既にワガノワでエリート教育を実践中、卒業後は普通ならマリインスキーに入るよね?という王道コースが見えるコバリョーワは、そもそも参加資格からして、ナゾ。

ローザンヌは名門校のエース級がワザを競うコンクールではないので、参加資格に該当しないコバリョーワは本選に進めなかった……のではないかと、推察するのですが、

でも、そんなことは最初からわかってることやんね?

 

わかっていて、あえて出場させたんじゃないの? それに、ツィスカリーゼ校長は今年のローザンヌの審判団の1人、それなりの内部のアレやコレやの了解が、当然あるものと思うじゃないですか。

普通、そう思いますよね?

この結果を見るに、そういうの全く無くて、何の勝算も無いままコバリョーワを出したと思われるわけですが、

ジャッジパネルの中にいて何の政治力も発揮しないツィスカリーゼ校長もアレですが、何より

「審判に選ばれたから、自分とこのいっちばんエエ子連れてく!」

くらいの軽~い思いつきでコバリョーワを出場させただけと違うの?とか思ってしまうわけです。

わー、こんなお調子者が自分の上司だったら、すごい嫌ですね。

勝算もないのに、前提条件からして合ってないのに、「オレ様がやりたいから」ってだけで後先考えずに突っ込んでいき、やっぱりダメでした、後はしらネ、みたいな。

傷つくのも尻ぬぐいも下の者。

ツィスのインスタ等で、スイスのラウラちゃん入賞写真に(これは、おめでとうございます!)

「コバレンカはどうしたの?」

「あの子は予選落ちした」

「あら、残念」


みたいな会話がなされていて、もう、コンチクショーーって感じです。

(すごいゲスで余計なお世話様ですが、コンクール出場の経費、先生の渡航費やお礼などの諸々の費用は、ワガノワの経費なのかしら……親御さんかな……)


ワガノワの看板背負ってローザンヌに出場したコバリョーワ17歳、準決勝の結果発表には半そでの赤いワンピース姿だったのが、

その後の落選者を集めた説明会では、白いショール羽織ってました。まあ、寒さが堪えるよね……笑

最後列の隅っこで、がっくり肩を落としていたコバリョーワ、ローザンヌには彼女の居場所は無かったということで、

間もなくの進路を決める時には、誰にも惑わされることなく、自分のいるべき場所を、自分で選んで決めて欲しいと思います。

ツィスカリーゼ校長の口出しが良いどうかはわかりません。

去年のワガノワ男子トップ4は、みんな外に出てしまいましたし。

コバリョーワは今回は予選落ちの憂き目を見ましたが、経歴に傷がついたとか思ってもしようがないし、どうせ皆すぐに忘れるし、

身長が高過ぎてワガノワのひよこちゃんには相手役が見つからず、『くるみ割り人形』では主役は踊れないので、

ローザンヌはよき経験として、強く生きてほしいです。

ワガノワやシャプランなど雑記

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何かと気忙しく、ルスランの『白鳥の湖』にも結局行けずじまい、今週末が終われば溜まりまくった『ビッグ・バレエ』の動画などまとめて見たいと思っていますが、

とりあえず、チラチラと見聞きした心の拠り所のアレやコレやの忘備録として。

ワガノワ・アカデミーの修学旅行日本ツアーの総括が、公式サイトに上がっています。

生徒さんのインスタから色々と抜粋されてますが、もう修学旅行感満載で、とっても可愛くて(笑)

http://vaganovaacademy.ru/index.php?id=894

いつものグーグル翻訳ですが、心洗われる可愛らしさなので、ぜひお読みください。そして、

“日本はまるで他の惑星”

……うーん、「違う惑星」って、我々の感覚だと、『あの子はドコの惑星から来たん?』とか、否定的なニュアンスなのですが……

でもワガノワ公式で取り上げられてる子たちはみんな優等生の可愛い子ばかり。

本当に違いを楽しんでくれているといいですね!

最終日には東京ディズニーランドを楽しんだようですが、京都の最終公演のあと、もしかしたら夜行バスに詰め込まれたんじゃないかしら……と思っていたら、やっぱり夜行バスだったもよう。

一泊分のポテル代が浮くし、新幹線より夜行バスの方が安上がりだし、朝起きたら東京ディズニーランドで生徒さんたちは嬉しいしで、良いことづくめ?

私も高校を卒業した春休みに、彼らと同様に京都発のディズニーランド行きの深夜パスに乗りましたが、

明け方に乗客の1人が癲癇の重い発作を起こし、救急車に乗り換える事態となり、

あれ以来夜行バスには乗っていません。なかなかハードな体験でした……

さて、ここで沢山写真をとりあげられているDaria Ionova、すごい可愛いなーと思ってインスタで注目していたのですが、このように先生方からも取り上げられるってことは、優等生なのかしら?

https://www.instagram.com/ionovaworld/

すごく細くて、ほとんど骨と皮だけの少女体型で、舞台姿も骨が浮いてるというか、細すぎてシワが寄ってましたし……

これだけ細いと、非力なワガノワ男子でもリフト出来そうですが、それでも細い。

二幕ではピンクの衣装きて椅子に座ってるだけでしたが、常に綺麗な笑みを浮かべており、一切の手抜きナシ、ガラス細工のような可愛らしさでしたよ。

ダリア・イオノワ、6年生なんですね。

卒業まであと2年、とりあえず踊ってるところを見ないことには何とも言えませんが、トトロのぬいぐるみをお持ち帰りする女の子が、どのように成長するのでしょうね?


(ここでわかったのは、先生方は生徒のインスタをチェックしてるってことです。当たり前ですよね。私が見てるくらいですから、当然先生方もバレエ団の採用担当者もインスタをチェックしているはず。

親御さんもチェックしないと!

インスタ見ていて、これは良くない傾向だわ、キケンだわ……みたいな子、いるんですわ。シーツに半裸だったり入浴してる写真をオッサンに撮らせるんじゃないよ、しかもアップするなんて、みたいな。

バレエ学校は感受性の強い美しい子が揃っているので、誘惑もキケンもいっぱい……)


そして、こちらは大人のマリインスキー、パーティーのスナップなどを掲載しているsobakaロシア紙で、

クリスティーナ・シャプランとティムール・アスケロフの、恋人カップルの写真を掲載してます。

翻訳ブッこで、ゴシップ欄のカップルページ。

http://www.sobaka.ru/photo/heroes/43825

美男美女ですねーー

未婚の美男美女のカップル写真といえば、梅宮アンナちゃんと羽賀賢二の写真を思い出してしまいますが、あれも絶世の美男美女でした。

(いえ、決してシャプランとアスケロフのファンの皆様にケンカ売ってるわけでは……)

もう彼らはワガノワの子たちと違って大人ですから自由ですし、彼らの思うようにすればいいわけですが、アスケロフのコメントにある2月4日のシャプランとの『白鳥の湖』は無くなりました。

シャプランの白鳥デビューは、去年の11月くらいに一度流れていて、今回が二度目のキャンセルとなります。

(もし実現していたら、エルマコフがロットバルトで、ちょっと面白い舞台になったかも?←ゲスいですね)

そして、3月3日にダニーラ・コルスンツェフと再仕切り直しの『白鳥の湖』デビューが予定されています。

リアルな彼が相手役だと心安く楽しいでしょうが、大切なデビューです。しかも三度目。ここは安心と信頼のダニーラで、堅実に決めてほしいところです。

動画の天使が降臨されますように。(ー人ー)

(シャプランについては、ローザンヌの子たちの『ジゼル』と比較しても、少し思う所が……来日公演の『ロミジュリ』をご覧になった方は、どのような感想をお持ちがお聞きしたいところですが、

とりあえず、動画の天使の降臨を待ちたいです……)

WOWOWノンフィクション『ワガノワ名門バレエ学校の秘密~くるみ割り人形への110日』

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≪ネタばればかり≫

≪今日からハンブルクですし、マリインスキーは新たな白鳥姫と王子が誕生してるのに空気読まず今さらのワガノワ≫

wowowのノンフィクション・ドキュメンタリー『ワガノワ名門バレエ学校の秘密~くるみ割り人形への110日』の、再々放送を見ました。

ここの掲示板で評判をお聞きしたのと、これを見た友人も

「すごく厳しい世界ねーー」

と言っており、興味津々でwowow契約。

(その友人曰く、

「校長先生の翻訳がオカマちゃん風になっていて、芸が細かい」

とのこと・笑)


本ドキュメンタリーでは、二人の対照的なワガノワ少女による、『くるみ割り人形』を巡るそれぞれの闘いが描かれます。

これは虚構の物語ではなく、実際の現場に取材カメラが入ったノンフィクション。

物語であれば、予定調和的にストーリーは進行するところですが、

(努力と友情そして勝利、的な)

現実の世界においては、物事は予想通りに進まないもの。

ワガノワの現場でも事態は思いもよらぬ方向に展開し、想定外の結末を迎えることになります。

リアルな現実の中に、物語を越えるドラマがありました……人生って、過酷ですね……


今回の主人公はヴェーラ・セーゴワ(18歳)。

https://www.instagram.com/veraballet/

2011年、13歳で小さいマーシャを踊り、最終学年となった今年、夢に見たプリンセス・マーシャの主役を射止める。それは、夢への第一歩。

しかし、公演は5回、5人の少女が交替で主役を踊る。

ヴェーラの他、選ばれた5人は以下の通り。

エレオノーラ・セヴェナルド(17歳) https://youtu.be/ZZbVVHz9mlY

アレクサンドラ・コールシュノワ(16歳)

マリア・イリューシキナ(18歳)

アンナ・スミルノーワ(18歳)

「誰かが2回転したら私も2回転しないといけない」(セヴェナルド)

「頑張らないといけません。でもこれからもいつもライバルがいる。それがバレエ人生です」(ヴェーラ)

5人が狙うのは、その年のワガノワの顔、『初日』

初日の栄誉を勝ち取るために、選ばれた少女たちは死力を尽くして稽古に励む。それは美しさを追求する孤独な戦い。

「『初日』は年齢に関係なく、一番いい子にやらせます」(ツィスカリーゼ)

「応援するフリはできます。でも実際に、心の中で純粋に他人を祝福する人は誰もいません」(アリーナ・ソーモワ)

初日のスポットライトを浴びるのは誰になるのか、この『くるみ割り人形』の舞台が、世界への扉を開く。

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2015年9月、ロシア国立ワガノワ・バレエ・アカデミーの新学期が始まる。生徒312人、

(写ってる男子はオスタペンコ、マリシェフ、ミヘーエフなど、いずれも王子候補のイケメン)

基本は10歳で入学し、18歳で卒業。

およそ7時間の通常授業を終えた夕方、『くるみ割り人形』のリハーサル(デュエット)が始まる。

ここでヴェラの相手役はロマン・マリシェフ。
https://www.instagram.com/maloi97roman/

マリシェフのサポートによる5回転ピルエットが上手くできない。

「ごくろうさま。5回転はやめて4回にしましょう」と、先生はアッサリ。

「変えましょう。5回で出来なければ4回、4回が悪ければ3回」(先生)

「ロシアパレエはテクニックが一番ではない。まず美しく見せるのが重要」(石井久美子)

(そうは言っても、美しくかつ最高のテクニック、がロシアのプライドですよね…)

「ワガノワで大切なのは『腕』の表現。ワガノワではこれを徹底的に教育します」(ガリーナ・エニケーエワ先生)


8年前の入学試験の映像。わずか60人の定員に対し、数千人の希望者が殺到する。

入学審査では、パンツ一丁の上半身裸に剥かれた女児が、身体を表返し裏返し、ためすがめつ徹底的にバレエの資質を審査される。

(この選考の様子は、西側基準だと大問題になりますよね? ワガノワの公式動画でも、つい先日も男児女児のパンツ一丁の半裸姿をYouTubeにアップしてますが、親御さんの了解は得ているのかしら)

合格すれば授業料は無料。才能ある子を国家レベルで教育する。

「バレリーナになりたいです。だってきれいだし」

と、無邪気に夢を語り、屈託なく笑う10歳のヴェーラ。

しかし入学後は厳しい競争が待ち構えている。2011年の進級試験の結果発表、

学校の廊下の一角にゾロゾロと集まる生徒たちに、先生が宣告する。

「マーシャは残念ながらお別れです」

その場でテーブルに伏して泣き崩れる少女。耳まで真っ赤にして号泣する少女の肩を先生がそっと撫でるだけで、他の少女たちが声をかけることはない。

過酷な世界。

18歳になったヴェーラ、学校から地下鉄で30分の郊外にある自宅アパートに取材陣が訪問する。

ヴェーラと双子のナージャ、その姉の美しき三姉妹、いずれもヴェーラとよく似たストレートの金髪で、はにかみ屋さんでよく笑う。

6畳に足らないくらいの三姉妹が同居する部屋、2段ベッドが二つと勉強机でギュウギュウ。

「ひとり入ればいっぱいなの!」(と、楽しげに笑うヴェーラ)

「(足の)ここが痛い、ここの筋肉が痛いの」と愚痴るヴェーラに、医師を目指す双子のナージャが、勉強机で人体解剖図のような本をめくって、足の筋肉を解説。

机の上にはプリンターや使い込まれた勉強のノート。

殺風景ながらも、仲良し三姉妹が過ごす様子は、まるで花園。

2段ベッドの下段にもぐりこみ、トウシューズの幅を詰める針仕事をしているヴェーラだが、

部屋を見る限り、彼女自身のスペースは、恐らくはこの小さなベッドの上だけ。

トウシューズは1週間でボロボロに。

母と三姉妹の食事風景。父親は大型トラックの運転手。仕事で不在がちだが、娘の晴れ舞台は何としても見たいと言っている。

小さなダイニングキッチンはコンロのすぐ横がテーブルで、椅子を引くにもギリギリの壁。

狭いが清潔によく整えられている。

米を炒めたピラフにパサパサの鳥肉?のようなものが載ったものがメインの夕食。

「(ヴェーラのことを)誇りに思っています。彼女がマーシャを踊ることを、知り合い全員に話しています。でも本人は嫌がるの(笑)」(ヴェーラの母)

母の言葉にテレ隠しで笑うヴェーラ。

食後に同じテーブルで、三姉妹と母がノートパソコンを囲み、ヴェーラが踊った「小さいマーシャ」の動画を見ている。音楽を口ずさみながら、とても楽しそうな光景。

「踊ることほど楽しいことはないし、カーテンコールが大好きなんです。観客の拍手に包まれる瞬間は最高に幸せです」

と語るヴェーラ。大人になった彼女は満身創痍、でも10歳の頃と同様に夢がいっぱいの笑顔。

「そこまで必要ないんじゃないの?何のために?と友達に何度も言われました。怪我をするかもしれないし、精神が傷つくかもしれない。でも才能を与えられたなら、それを咲かせるべき」(母)


授業開始は夜明け前の8時45分。(朝だけど真っ暗)

ヴェーラの同級生は、入学時の60人から19人と、3分の1以下に減ってしまっている。本番まであと2カ月、連日続くリハーサル。

マリシェフとのPDD、1幕のリハーサル、軸がぶれるし、回転で止まる。

「あなたは相手がいないみたいに踊っている」(シトニコワ先生)

「男の子からラブレターをもらったことある?愛してると言われたことは?一度もないの?それでどんな愛が語れるというの?」と、横柄なツェスカリーゼ。

(大きなお世話ですよネー)

「脳にスイッチを入れろ! すごく小さいのは分かっているが、たまには使わないと」

(ツェスカリーゼのインタビュー*マーシャの条件について)

もちろん外見です。彼女たちはみんな魅力的ですが、華奢でキュートであって欲しいです。それからもちろんテクニックを備えていることですね」

(明日のキャスティングについて)

「わかりません。今日の段階では誰一人として決まっていません。初日は年齢に関係なく、一番いい子にやらせます」

ワガノワで『くるみ割り人形』に主演し、マリインスキー入団後すぐにプリンシパルになったアリーナ・ソーモワ

「応援するフリはできます。でも実際に、心の中で純粋に他人を祝福する人は誰もいません。選ばれなかった人たちの気持ちは、落ち込むだろうし、意地悪な気持ちにもなるでしょう。なぜ私ではなくて、あの人が?と思うでしょうねライバルを応援する気持など存在しません」(アリーナ・ソーモワ)

ソロを踊るヴェーラ。

本番まで一カ月を切った12月、『くるみ割り人形』の日程とキャストがついに発表される。廊下に張り出されたキャスト表に群がる生徒たち。

ヴェーラは初日には選ばれず、4日目の公演となった。4番目というのは、学年トップだったヴェーラには厳しい結果。

初日の大役を勝ち取ったのは、一学年下のライバル、エレオノーラ・セヴェナルド。

「初日を踊ることになったのでとても嬉しいです。「初日」は私たちの『くるみ割り人形』の幕開けだから責任が大きいです」と、輝く美貌のエレオノーラ。

完璧な少女。

王子とキャバリエ?役が揃う教室、グラン・パ・ド・ドゥのリハーサルが始まる。

「あなたはトウシューズでウォーミングアップして」(先生)

「もうしました」(エレオノーラ)

「もう? えらい」」(先生)

オスタペンコ王子とリハーサルするエレオノーラ。

リハーサルながら、素晴らしい完成度。清楚にして可憐。

本番一週間前の日曜日の昼下がり、取材班がエレオノーラの自宅を訪問する。映像を見る限り、ビルの立ち並ぶペテルブルクの新市街。

暖炉のある広いリビング。焼き上がったケーキを手に、取材陣を笑顔で迎えるエレオノーラ。

(めっちゃ素敵なお嬢さま)

父親は建設会社の社長。

(日曜の午後だが、父親は不在)

重厚な飾り食器棚を背に、先ほどのケーキを切り分けてのティータイム。

テーブルにはクッキーや、菖蒲の生花が生けられており、(真冬のペテルブルクでアヤメ?)

マダム然とした真珠の装飾もエレガントな母親、エレオノーラと同様にワガノワに通う妹と、一番下の可愛い弟。

弟はブレイクダンス好きと、一家のダンス好きが強調されるが、本ドキュメンタリーでは本筋には関係ないため触れられないが、セヴェナルド家はバレエにおいては特殊な家系。

(セヴェナルド家については、また日を改めて)

「みんな甘いものが大好きだと思うけど、私は体型維持のために制限してます(ニッコリ)」

大きな窓から明るい日差しの差し込むエレオノーラの自室。白い二重のレースのカーテン、白で統一された調度、白いシャンデリア、白にピンクの装飾を施された壁、天井の高さは三メートル半以上。

そして奥の壁には特注サイズの大きな鏡に、十分な長さのレッスン用のバー。

「単なるカーテンレールの棒なんです」とエレオノーラは笑うが、常にバレエを練習していたい娘のために、母親が用意したもの。

この広さの壁面を鏡とバーで潰してなお余裕のある部屋、しかも子供三人いてそれぞれ自室という、セヴェナルド家。大富豪というわけではなさそうだけど、十分な余裕とゆとりが感じられる。

沢山のぬいぐるみやバレリーナの装飾で飾られた部屋は、まさに絵に描いたような少女の部屋。

「この公演に今後の全てがかかっています。これまで覚えてきたことを全て出せば、きっと上手くいきます」

と、笑顔のエレオノーラ。


生徒たちがバスでマリインスキー劇場に移動し、いよいよ本番のリハーサルが始まる。

学校のレッスン室で、ヴェーラのリハーサル。相手役はマリシェフからパヴェル・オスタペンコに代わっている。

https://youtu.be/dSTNG9ZGxFw 

映像の印象として、エレオノーラより雑で固く、足の疲労のためその場でマッサージを受けている。悲壮な表情。

初日の2日前となったランチタイム、学校の食堂でヴェーラは動揺している。涙目になってクダを巻く。

同じテーブルに、ダンチェンコに入団したエフゲニー・クズネツォフ。

「もうほっといてよ」(ヴェーラ)

「これが世界の終わりってわけじゃない」(クズネツォフ)

「他人事だから言えるのよ!」(と、ベソをかくヴェーラ)

前夜のガラコンサートで、ヴェーラは『くるみ割り人形』のグラン・パ・ド・ドゥを踊ったが、思うように踊ることが出来なかった。

該当のコンサートは↓

http://vaganovaacademy.ru/index.php?id=47&page=2

問題のヴェーラの動画は↓

https://youtu.be/u7Mp3jGnqeE

(……まあ、微妙ではありますね……美しい長所もあるけど)

(クズネツォフは、活躍する卒業生として、このガラ公演に出演。動画は↓

https://youtu.be/x34HURIEPmM)

クズネツォフってば、久々にワガノワに来てみたら、この位置でヴェーラちゃん達とランチ食ってるのね……


昼食のあと、教室での最後の通し稽古。

「君たちの愚かさ加減にはもう飽き飽きだ! 何回も同じことを言ってるのに!」

セヴェナルドたちを怒鳴りつけるツェスカリーゼ。

そして、不機嫌なツェスカリーゼが他の教師たちと何やら揉めている。

その後、ヴェーラの担任のシトニコワ先生がやってきて、出番を待つ彼女に伝える。

「あなたはもうマーシャを踊りません」

椅子に座って前を向いたまま、身じろぎひとつしないヴェーラ。

瞬きすら出来ない彼女の目から、やがて涙が零れ落ちる。教室の中央では 「アラビア」のリハーサルが行われていて、ピアノ伴奏の低音が響く。

ヴェーラは無言のまま何かを必死で呟き、手にしていたボロボロのトウシューズを少し触って、

再び唇を結んで前をじっと見つめる。

リハーサルがグラン・パ・ド・ドゥまで進行して、ようやくトウシューズのリボンを解くヴェーラ。

チャイコフスキーのセンチメンタルなピアノの旋律と、突然失われてしまった、夢見る少女の時間。少女マーシャを踊り、プリンセス・マーシャも踊るという夢は潰えてしまった。

これ以上、いくら待っていても彼女の出番はこない。心配そうに話しかける同級生も、その本心はわからない。

(言いたかないけど、この子は日本ツアーでお味噌汁をヴぇーってやってた子やね……インスタだけど)

「とてもくやしいです。そんなに簡単にいかないことは誰でも分かっていることだけど、

この先も練習を続けてねどうなるか分かりませんが、全て積み重ねです。無駄にはなりませんが、ただ悔しいです」

失敗すれば、その次は無い。それがバレエの世界。失敗したのは、他でもない自分。

涙を拭うヴェーラ。

そしてヴェーラの脱落により、初日に加えて穴埋めの機会を得たエレオノーラ。

表情は全く変わらない。淡々と、自分に与えられた役割を果たすのみ。

ところが本番前日のレッスン室で、エレオノーラは突然泣き出してしまう。

「何が起きたの? 校長にたくさん注意された? 何か言われたの?」と、心配する先生。

(やっぱりツェスカリーゼ校長って、他の教師が心配するほど口が悪いのね……)

「大丈夫よ、心配しないで。あなたはもう全部できてるでしょ」と、静かにウダレンコワ先生が諭す。

リハーサルが終わり、ようやく落ち着いて取材のカメラに応えるエレオノーラ。ほんのりと照れたようで、目が潤んで赤い。

「今はもちろん疲れているので、だから…、気持ちが弱っているというか、なぜだかこういう状態なんです。自分でもわかりません。本番がもうすぐと感じているからかもしれません」

初めての大役に重圧を感じているエレオノーラ。本番は明日。

レッスン終了後、「(今夜は)やすみなさいね。早く寝るのよ」と声をかける先生。

どんなときも、やること為すこと全て、あらゆる仕草が品良く美しいエレオノーラ。

恐らくは、本番前夜もあの部屋の大きな鏡で、彼女は自分自身と向き合っているはず。

いよいよ本番の当日を迎える。

エレオノーラたちの直前リハーサルを、壁際で見ているヴェーラ。

初日の幕が上がり、プリンセス・マーシャの出番を示すベルが鳴る。舞台衣装で駆けだすエレオノーラ。

そして、ブラボーと歓声が上がる。鳴りやまぬ拍手。

初日の舞台を見事に踊り切り、自信に満ちた笑顔で観客に応えるエレオノーラ。

「全てはこの日のためにありました。この瞬間を心待ちにしていました。今日がスタートだと思います」

トッププリマへの輝かしい最初の一歩を踏み出したエレオノーラ。その行く先には大きな可能性が広がっている。

スポットライトを浴びるエレオノーラと、そんな彼女を舞台の袖から見ているヴェーラ。

ひっそりと、自分だけのマーシャを踊っている。

夢は実現せず、父親に晴れ姿を見せることも叶わなかった。しかし、彼女のバレリーナとしての人生もまだ始まったばかり。

「マーシャをとても踊りたかったです。これよりつらいことはもうないから、この先は大変じゃないと思います。踊り続ける以上、これからも味わうと思います。

これが私のバレエ人生です」

もう、以前のような夢を語る少女の無邪気さは無い。それでも、踊り続ける意志は変わらない。挫折を噛みしめるような、大人の表情。


“もっと美しく、もっと強く。18歳、覚悟の再出発です” (終了)


WOWOWでは3月26日にも再放送があります。

かなり書き写しましたが、私の主観と混在してますし、ヴェーラやエレオノーラの表情など、一見にしかず。

ぜひぜひ、興味のある方はご覧になってみてください。

バレエに青春を賭ける17、8歳の少女たちの、ここで将来が決まるという最大のヤマ場を迎えてのそれぞれの闘争が、ストレートに映し出されています。

映像の力って、凄いです。

個人のプライベート情報がてんこ盛りの自宅および自室とか、よくここまで撮影させたと驚きますし、

教室でのリハーサルや控室など、この局面で?という重要な場面にも取材カメラが入っています。

彼女たちにとってもギリギリいっぱいの状況の中、カメラの前に取り繕う余裕などなく、

ヴェーラにとってこれまでの人生で間違いなく最低最悪の瞬間、先生からマーシャ落選を宣告されるその瞬間も、

ヴェーラの絶望を、取材カメラは克明に捉え、ありのままの姿を写し出しています。

特にヴェーラとエレオノーラとの対比の鮮やかさは、私の稚拙な文章では伝えきれるものではなく、ぜひ映像で感じていただきたいと思います。

双方の家庭については、実際の映像を見ると、

元から決められたレールの上で選択の余地を感じないセヴェナルド家に対し、

(ここの姉妹って、どんな感じなのかしら……?妹がかなりクールに見えたけど)

ヴェーラの家庭は両親の深い愛に包まれ、子供たちはのびのびと自由に進路を選び、支えられているように見えます。

慎ましく、かつ温かい。

(家庭訪問の際、ヴェーラはまず家族の紹介から入るが、エレオノーラがケーキ持って出迎える場面では、妹は奥でオープンの始末をしている)

その一方で、映像というのは冷酷でもあり、

ヴェーラがこの先、それこそ血の滲む努力を重ねたとしても、

エレオノーラにはおそらく敵わないのだろうな、と思わせるものがあるのです……

あらゆる仕草、挙措が端正で品良く美しく、ヒロイン体質のエレオノーラ。

手入れの行き届いた、ツルツルでピカピカの滑らかな肌。白い歯。持って生まれた資質と育った環境からくるエレガンスは、一朝一夕でできるものではなく、

テレビの大画面に映し出されるヴェーラの荒れた肌とは、彼女たちの立ち位置の違い、進んでいく方向の違いを象徴的に感じさせます。

切ないですね……でも、これも現実ですね……

しかし、今回は負け組として描かれたヴェーラですが、そう悲観したものではなく、

ヴェーラは依然として今年の卒業生ではトップランクですし、東京で踊った「雪の精」は圧倒的に光ってました。

まあ、その年に5人も選ばれる主役から落ちたことは事実として残るわけですが、

今回のドキュメンタリー制作では、セヴェナルドに対峙するにはヴェーラくらいのパワーが必要だったと思うのです。

他の3人は可愛いけど、お顔が覚えられないのです。ヴェーラの存在感はやはり魅力で、彼女だからこそ、このドラマが生れたのだと思います。

頑張れヴェーラ。負けるなヴェーラ。


そして、ツィスカリーゼですが、ドキュメンタリーとしては面白くなりましたが、教育的配慮という面では、どうなの?と思ってしまいます。

それにー、非モテの全否定も(笑) まだ17,8歳の少女ですから、異性への愛に疎く、恋に恋してたっていいじゃない。

「あなたは愛のない会話をしてるだけ。王子とイルクーツクで3LDKを買おうか、親と小さなアパートに同居しようか」

……知らんがな。

ただし、主役やその他のキャスティングについては、基準が明確で選考もクリアで、大変良いことだと思います。

(仮) ガラ公演〈ジョン・ノイマイヤーの世界〉

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素晴らしかったです。

初ハンブルクでノイマイヤー初心者の私でも、ぐっときました。泣けました。

一応ガラ公演と銘打たれてますが、ノイマイヤー氏のナレーションと氏に扮したプリンシパルのリギンズがこれまでの代表作の名シーンを繋いでゆくという、

『ノイマイヤーの軌跡』といった趣で、氏の生涯を描く全幕作品のような、感動的な仕上がりとなっていました。

≪京都賞≫を受賞したのに際し、氏のこれまでの人生を振り返る、そんな時期に入ったのかもしれません。

おりしも、アーノンクールの訃報を聞いたところです。

ノイマイヤー氏はまだまだ闊達でお元気ですが、あと何回、このような舞台を見られるのだろう?と思わずにはいられません。

バレエファンにとって、ノイマイヤー氏は大切な人。

この大切な人を、大切にしたいと思いました。

いつか訪れるであろうその日まで、十分に愛せるといいですね。


一階席は総立ちでした。泣いてる人も、いっぱい。


あと、エドウィン・レヴァツォフが、なんか一回り体が大きくなっていました……胴回りとか。

前からこんなんでしたっけ?

お顔は相変わらずキレイで可愛いのですが。

「マーラー交響曲第三番」の全身タイツ姿が、少し「アレ?」と思ってしまう太ましさだったように思います……? 

「ハムレット」も、なんだかもっさり……レヴァツォフって、美男子枠の子ですし……?

『真夏の夜の夢』のキャスト変更も、もしかしたら役を降ろされたのでは?とか、思ってしまったり……

『リリオム―回転木馬』~ハンブルク・バレエ団

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2016.3.5 マチネ ~東京文化会館

リリオム:カーステン・ユング
ジュリー:アリーナ・コジョカル(ゲスト・ダンサー)
ルイス:アレッシュ・マルティネス
風船を持った男:サシャ・リーヴァ
マダム・ムシュカート:アンナ・ラウデール
マリー:カロリーナ・アグエロ
ウルフ:レナート・ラドケ
フィスカー:ダリオ・フランコーニ
水兵:キーラン・ウェスト
天国の門番:イヴァン・ウルバン
内気な青年:アリオシャ・レンツ
悲しいピエロ:ロイド・リギンズ
エルマー:エマニュエル・アムシャステギ
幼少時のルイス:ガブリエル・アラン

振付・衣装・照明 ジョン・ノイマイヤー

指揮:ジュール・バックリー
演奏:北ドイツ放送協会ビッグバンド、および録音音源


観客の知性が試される、ノイマイヤー。

ノイマイヤーの芸術的世界を理解しうるインテリジェンスを持つ者にのみ、至高の芸術世界への扉が開かれる……


テレビ放送された『タチアナ』をざっとかいつまんで見て、いまひとつ理解できなくて頭を抱えた私としては、ちょっと襟を正すような気持ちで舞台に臨んだ……と言いたいところですが、

この日に限ってギリギリの会場入りで、プログラムの予習が出来ず(涙)

しかし『リリオムー回転木馬』はノイマイヤー作品としてはぐっと庶民的で理解しやすい作品であり、

ノイマイヤー初心者には、初心者なりに、

ノイマイヤーの芸術世界を理解し得る人には、その期待に十分に応えうる作品であったのではないかと思います。


ストーリーとしては、

* 粗野なDVクズ男が強盗に失敗したあげく逆ギレ自殺、天界の気まぐれで魂だけ地上に降りるも、また息子を殴ってしまう。

DVクズ男の息子もまた、クズであり…… *

という、もう身もフタもない底辺の物語。

同名のミュージカル映画もあるようですが、ノイマイヤーのバレエ版はストーリーの大筋が同じではあるものの、

よりノイマイヤーの哲学が色濃く反映され、

作品の構成は老練かつ緻密。

舞台セット、衣装もノイマイヤー的なインテリジェンスとクラス感溢れる高尚なゲイ的テイストで統一され、

(その中で、現世でのリリオムだけが、ノイマイヤー的な美的センスから外れている)

全編が一貫してノイマイヤーの美学に貫かれた芸術作品となっていました。

urikoは遥か高いところを仰ぎ見るような感覚で、ノイマイヤー哲学を理解すべく、ありがたく拝見してまいったのであります……


音楽は舞台セットに組み込まれた二階建てセット部分に、ビッグバンドを編成。

弦が足りない部分は、オーケストラ録音音源に切り替わってました。とは言っても、音源と設備が良いのか、生演奏との境界は気にならず。


≪現在≫ー≪過去≫ー≪煉獄=天国でも地獄でもない空間≫

この三つの異なる空間を、不思議な「風船を持った男」が繋ぎます。

マルグリットの絵にあるような黒い帽子に、黒の長~いロングコート、白手袋。ピエロのような白塗りで、サシャ・リーヴァの見上げる長身、色とりどりの20個以上の風船。

この上へ上へと伸びる風船の束が、縦のラインをさらに長く長く、そこから横方向に彼の長い手足がにょきにょきと伸びてゆく様子は、視覚的に摩訶不思議。

その黒コートの「風船を持った男」が、白の≪煉獄≫になると一変、

白のロングコートに白い帽子、白い風船の束と、空間に溶け込む真っ白に変化します。

この黒→白の鮮やかな対比が、≪地上≫と≪煉獄=地上でも天国でもない空間≫を明確に区別していたと思います。

衣装と小物の色が変っただけで、これだけ変わるんですね。演出効果って、すごいですね。


リリオム。

このどうしようもないクズ男を、ノイマイヤーは時に辛辣に、しかし多大な慈悲をもって愛情深く描き出します。

ノイマイヤーのようなインテリ階層って、リリオムのようなどうしようもない愚かなクズに、格別の慈悲と愛情を注ぎますよね……?

(自分のパートナーには絶対に選ばないけど)

それは、根源的で原始的な男性的魅力を、リリオムが持っているからではないかと思うのです。

リリオムは愚かで浅はかで、会話すら成り立たないような男ですが、

村娘たちを「キャーーheart01」と言わせ、リッチで成熟したマダム・ムシュカートをして身悶えするほど恋い焦がれさせる、

そんな男性的魅力を備えています。

それは根源的な男性性であり、原始的であるが故に、知性や洗練といったものと並立せず、ノイマイヤーは遥か遠いところから、

例えば≪煉獄≫の「天国の門番」の扉の向こうにおわす全能の神のような立場から、リリオムに寄り添い、深い愛情を注ぎます。

しかし、ノイマイヤーが辛辣だわ、と思ってしまうのは、≪煉獄≫の白い場面。

白スーツの「天国の門番」、白い「風船を持つ男」、

そして強烈な「悪魔」たち……これは「精霊」と置き換えられるかもしれませんが、彼らの深紅のスーツに真っ赤なルージュ、黒髪をオールバックに撫でつけた美男子ズラリと勢揃いという、

この極めて洗練してソフィスティケートされたスタイリッシュ空間に、

くっそダサい衣装のリリオムを放り込むところです。

あの洗練された美しい男たちの間にあって、リリオムのロゴ入りタンクトップにヨレヨレのジーパン姿は、とても惨めなものでした……リリオムの恵まれない境遇、どうしようもない社会階層、格差、それらを表現するカーステン・ユングの背中の哀しいことといったら。

ノイマイヤー先生ってば、残酷。。。

リリオムが最も魅力的に見える衣装、例えば上半身裸にピタピタの皮パンツという、遊園地の場面の野性的色香ムンムンの衣装だったら、あのシーンの印象は全く違ったと思うのです。

しかし、あの対比がノイマイヤーの意図なのです。

さらにノイマイヤーの冷酷は続きます。

恋人ジュリーの妊娠で金に困ったリリオムが、悪い友達にそそのかされて強盗に及ぶのですが、クズの友達はやはりクズ、

目だし帽(銀行強盗みたいな、アレですアレ)をモソモソと被り始めたときは、

「ナニこれ、バレエ?」

という違和感が漂いましたが、さらに驚くのは強盗の相手が、なんとマダム・ムシュカート! つまり丸腰の中年女性。

これを武器携帯の屈強な男が二人かかりで襲うのですよ。映画では、少なくとも悪い大金持ちの金庫を襲うことになっていたはず。

世話になった元愛人を襲って、速攻で警察に追われて、追い詰められたあげくに逆ギレ自殺。

強盗といっても所詮はハンドバッグの中身程度、マダムの怪我も知れてるし、たとえ逮捕されても大したことなかったはずなのに、もう悲しくなるほど愚かな馬鹿。カーステン・ユングがリリオムを誠実に演じれば演じるほど、哀しみが増幅してゆくばかり。

リリオムをますます惨めに追い込むノイマイヤー先生、容赦ないです……

しかしリリオムのこのような愚かさ悲哀を、先生は慈悲深く、愛情豊かに描くのですね。

ジュリーに無償の愛を捧げられます。

リリオムとジュリーのパ・ド・ドゥは、今どき少年少女でもやらないような、幼くピュアで、切実な美しさがあり、

馬鹿な男のなけなしの純情は、物語のラストで美しく完結します。

カーステン・ユングはノイマイヤーの求めるリリオムそのものだったと思います。


ジュリー。

彼女もまた、ある意味で愚かな女ですが、

ノイマイヤー先生のようなインテリ階層って、ジュリーのような聖母のごとき女性性に、格別の夢と理想を投影し、偶像化しますよね……?

(自分のパートナーには絶対に選ばないけど)

ジュリーはノイマイヤー先生によって、「永遠の女性」として描かれます。

愚かで馬鹿なクズ男を許し、ただ一途に愛する。なんの打算も下心も無く、誠実に無償の愛を注ぐ可愛い女性。その愛の深さはまるで母のようで、無尽蔵で決して尽きることはない……たとえ殴られても、男の弱さを理解し諭すように愛し続ける……永遠に。

ジュリーはリリオムと違って、まともな女性です。

友達もまとも。ジュリーと一緒にウェイトレスをしている友達のマリーは、普通の青年と愛し愛されて結婚し、共に成長し、やがて成功して金持ちになり、可愛く元気な息子とともに一家で町を出てゆきます。ポーターに荷物を持たせて、幸せいっぱいに歌いながら。

ジュリーが、恋人リリオムがマリーの結婚式で強盗に失敗して逆切れ自殺、その後は寂れた遊園地から抜け出せず、息子も半グレ……という底辺の人生を歩むのと、

その対比はあまりにリアルで残酷です。

しかしジュリーにも、マリーのように幸せになるチャンスはあったのです。ジュリーを踊りに誘った普通の青年を選んでいたら、あるいは一般的な幸せがあったかも。

でもそれでは通俗的すぎて、芸術になりません。

橋田寿賀子的世界と対極にある、花のような、永遠の理想の女性。

アリーナ・コジョカルそのものだったと思います。

(そしてコジョカルの人生をも一部彷彿させます……ロイヤルに留まっていれば不世出の国民的大プリマだったのに……みたいな、今でも大プリマですが)

アリーナの遊園地のウェイトレス姿がもう殺人的にプリプリに愛らしく、次のリリオムとの場面は灰色の粗末な作業着を着てますが、

終盤の息子との対話、そして魂となったリリオムとの場面は、ジュリーの純粋性を表す真っ白なコットンのワンピース姿で、

その神々しさは、まさに聖母。

(もしくは、純潔の花嫁)

ラスト、天国に行くリリオムと、そんなジュリーの別れの場面、くだらないクズのような人生の中で、

「それでも愛していた」

との言葉が聞こえるようで、じんわりと泣けました……


当初、3公演とも同じシングルキャストで「何故?」と思ってましたが、カーステン・ユングとコジョカルが作り出すこの情感は、ノイマイヤーの目指す作品の中核。

ノイマイヤー先生、完璧主義なんでしょうね。

それに付き合うダンサーは大変ですね。

踊りとしては、アリーナ・コジョカルが完璧でした。全ての動作が、強く美しく。

パ・ド・ドゥでは、リリオムと息子の「親子のパ・ド・ドゥ」が秀逸で、リリオムの心情が言葉で語られるようでした。

* 息子が健やかであってほしい、父として色々と教えたい、十分に愛したい、だけどその願いは叶わない、自分はクズ男で、しかも死んでるし……*

という、夢と願望と現実と失望が、どーんと迫ってきました。男性二人ですから、迫力が違います。

息子役のアレッシュ・マルティネズが本当に少年のような瑞々しさで、しかも感受性の強い少年。

失業者たちの群舞の踊りも見どころの一つ。ハンブルクの美しい男性ダンサーが一斉に踊る様子は大変ゴージャスで、その美麗さといったら、

あれだけ夢中になったシュツットガルトの男の子たちが、なんか田舎くさくもっちゃり思えてしまうほど。

身長もバラバラですが、ノイマイヤーの審美眼に適った子たちがノイマイヤーのテイストに染められてるわけで、大変に麗しいのです。

失業者の群舞の中に、「レヴァツォフが混じってる?」と思うほど綺麗な子がいました。誰かしら?

マチアス・オベリン? ちょっとよくわかりませんが、他にもステキな子が何人かいました。

この失業者の群舞はとっても豪華で、凄いわーステキだわーと思っていたら、ロイド・リギンズやトルーシュ他、プリンシパルも投入されていたのですね。見どころたっぷり。

その他、マダム・ムシュカートのアンナ・ラウデールが往年のマレーネ・ディートリヒを安くしたような頽廃感がステキでした。

彼女以外の女性陣は、やや印象が薄かったかも……これは、シュツットガルトと共通します。

あ、最後になりましたが、クズの友人であるフィスカー役のダリオ・フランコーニが、野卑で崩れた色男でステキでした~heart01

ただ、プログラムの解説を読むと、フィスカーは「黄泉の国からやってきた」そうなのですが、

……そうなの?(´・ω・`)

これは……解説読むまでわかりませんでした。読んだ後も今ひとつ理解できません。

黄泉の国からやって来たのなら、パっと見て分かる目印つけてくれるとか、風体が風船男くらい突き抜けてないと、わからないですよ……


色々と書きましたが、『リリオムー回転木馬』は、

ノイマイヤー作品を見た

という充実感たっぷりの芸術作品でした。素晴らしかったです。堪能しました。

四月のマリインスキーとか

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さて、四月のマリインスキーですが、いよいよエルマコフの王子デビューが決まりましたよ~happy01

4月24日12:00 ≪Cinderella’s First Ball≫

http://www.mariinsky.ru/en/playbill/playbill/2016/4/24/1_1200/

残念ながら全幕ではないのですが。ラトマンスキー版『シンデレラ』から一部抜粋。

若い観客のための、軽く短い上演です。

でもいいの。とりあえず、彼の髪の毛があるうちに王子が決まって、ほんと安心しました。

ひたすらロットバルト踊って踊って消費されるだけかと懸念していたので。

技術的に足りない部分は多いですが、経験で埋まるところもあるでしょうし。

相手役はシャプランです。見目麗しいカップルですね。


以下、公式サイトでとっくの昔に発表されてることの羅列ですみません。


恒例の国際バレエフェスティバルが、スメカロフの『青銅の騎士』からスタートします。

キャストは未発表。多分、いつもギリギリです。

その他ゲストは恒例のパリオペラ座からエロイーズ・ブルドン、オニール八菜さん、ABTからヒー・セオ等。

『ジゼル』でアリーナ・ソーモワの相手役に、カナダ国立バレエからエヴァン・マッキー。

これは見目麗しいですね。これくらいの身長差があると、見栄えしますね。

その他、ヴィシニョーワのガラ公演にゲスト多数。

千秋楽のガラ公演で、ミルピエの『La nuit s’achève 』プレミアがあります。

これは良かったですね! 今シーズンのマリインスキーは、新作プレミアが二作品もありますね!!

去年はゼロでしたので、大きな前進です。この作品のためにエルヴェ・モローが参加します。

そして、ロパートキナ様の出演はありません。

4月には『愛の伝説』が三公演あり、ファンはこれに期待をかけていたようですが、ここにも出演はありません。

ロパ様のホームの出演は、めっきり少なくなっています。てゆうか、前回はいつでしたっけ? 

ファテエフ、ロパ様に何か恨みでもあるんでしょうか?

ホームのファンの間では、

<日本では『白鳥の湖』も『愛の伝説』も踊ったのに。日本ずるい>

みたいな恨み節が聞かれます……まあ、そうでしょうね。素晴らしかったですものね。


そして、毎年恒例の『若い振付家のためのワークショップ』、マリインスキーでは久々のアンドレイ・メルクリーエフの作品が注目されます。

(音楽がバッハなので、比較的安心というか、期待されます~)

そして、過去二年連続で作品を振り付けて発表していたワガノワの俊才ですが、もしかしたらと期待してましたが、やはり名前がありませんでした。

どうも年末にワガノワを辞めたようなんですね……

彼は去年の春先から夏にかけて素行的に「ちょっと、どうかな?」と思うようになっており、

また、それをインスタにバカバカUPしていたのです。親御さんは何をしているの?と思っていたのは、きっと私だけではないはず。

当然ワガノワの先生方も知ってるでしょうし、気になっていたのですが。

彼のような感受性が強く、美しく才能豊かな少年の難しさというのは、私のような一般人には想像も及ばぬところですし、インスタから受ける印象として、校長のツェスカリーゼと折り合いが良くなかったのかしら?と思う節あり。

ツェスカリーゼの指導は、wowowのドキュメンタリーそのままとしたら、まあ、あんな感じでしょうし、

彼のこの先の人生に幸多からんことを、願うばかりです。。。


あと、マリインスキーで先日ジークフリート王子デビューを飾ったばかりの期待の新鋭ヴィタリー・アメリシコですが、その評判はさっぱり聞こえてこず、

(みなさん、関心が薄いですね……? なぜなぜどおして? 待ち望んだワガノワ出の純マリインスキー男子ですよ? 自分とこの大事な大事な次世代王子サマ誕生なのに、この関心の薄さって……)

四月にソロル・デビューも控えていましたが、そちらは流れてしまったようです。

相手役のニキヤに予定されていたノーヴィコワに、何かあったのでしょうか……気になります。

代役にアナスタシア・コレゴワ、ガムザッティにチェブキナが発表されてますが、ソロルは空欄。

なので、まだアメリシコに期待できるかな? まだ入団2年目の坊やに、果たして大型ダンサーが持ち上げられるのか、否や。笑


マリインスキー今年のコリフェ昇格

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少し前ですが、マリインスキーでコリフェ昇進が発表されています。

○ Roman Belyakov 

http://www.mariinsky.ru/en/company/ballet/coryphees/coryphees_man/belyakov1/

○ Tatiana Tiliguzova

http://www.mariinsky.ru/en/company/ballet/coryphees/coryphees_woman/tiliguzova1/

おめでとうございます~happy01

しかしながら、マリインスキーは現在もの凄い公演数で、引っ越し公演もあり、

マリインスキー4

とも言われる、ウラジオストクのプリモルスキー劇場がマリインスキー傘下として稼働し始めており、時おりダンサーを派遣しているなど、コリフェの頭数が必要な昨今、

ほとんど大勢に影響ない感じの、思いのほかシブちんな昇進発表という印象です……

新鮮味もあまりなく。

勢いのある若手を残留させておくのは、塩漬けでくすぶってる中堅どころの不満に配慮してのことかしら、とか邪推したり、

もしくは、最近コリフェをすっ飛ばしていきなりセカンド・ソリスト昇進のケースが増えてるので、勢いのある子たちは、また別な機会にポーンと二階級特進で昇進するのかもしれません。


○ ロマン・ベリャコフ

2013年ワガノワ卒の純マリインスキー男子で、先の来日公演では『エメラルド』をブリリョーワと踊ってました。期待の高身長男子。

今月も『火の鳥』でデビューしたばかり。ただ、王子系に縁遠く、このままだとエルマコフ路線一直線かも?

○ タチアナ・チリギゾワ

『レ・シルフィード』『など純古典では欠かせない存在の彼女。小柄ですが、美人なので群舞にいても目立ちます。


ベリャコフは次の来日公演くらいでロットバルト来るかな?と期待しています。

マリインスキーを盛り上げて行って欲しいですね。


しかし最近のマリインスキーではクリスティーナ・シャプランが圧倒的な存在感……

公式フェイスブックにアップされる写真とか、もうどれもこれも超絶可愛らしいです。

https://www.facebook.com/mariinsky.theatre/photos/pcb.10154054156915798/10154054155540798/?type=3&theater

その他、ザンダー・パリッシュがABTの『シルヴィア』にゲスト主演するようです。相手役はイザベラ・ボイルストン。

Dance Europeのフェイスブックとか、ツイッターとか。

『真夏の夜の夢』~ハンブルク・バレエ団

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2016.3.12 マチネ ~東京文化会館

ヒッポリタ/タイターニア:アリーナ・コジョカル (ゲスト・ダンサー)
ヘレナ:カロリーナ・アグエロ
ハーミア:フロレンシア・チネラート
デミトリアス(士官):アレクサンドル・リアブコ
ライサンダー(庭師):クリストファー・エヴァンス
シーシアス(アテネの大公)/オベロン:カーステン・ユング
フィロストレート(儀典長)/パック:アレクサンドル・トルーシュ

装置・衣装:ユルゲン・ローゼ

指揮:ギャレット・キースト
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団


ええと、あの、妖精王のオベロンと妖精パックって、アレでコレなんですかね……?


ノイマイヤーの『真夏の夜の夢』は、前評判によると(ノイマイヤー作品としては)理解しやすい娯楽作品ということで、ストーリーも一応は知っているし、NBSのサイトでノイマイヤー版の予習もしたしと、リラックスしてほよよんと臨んだところ、

途中くらいから・・・???(´・ω・`)

雄々しく男性的な妖精王オベロンと、キュートな美少年の妖精パックの二人の絡みが、

あら、そーなるの? あらら、アナタそこ入るの? あれま、そーなってこーなるのん?

と、なんと言ったらよいのか、マッタリねっとり、そこはかとなく濃厚な振り付けなのですよ。


『真夏の夜の夢』って、そういうお話でしたっけ?


……とか反芻しつつも、urikoはこの胸の高まり、トキメキを抑えることができません(笑) もう萌え萌え~heart01

なぜなら、妖精王オベロンのカーステン・ユングが渋くムッツリ寡黙で雄々しく逞しく、

妖精パックのトルーシュは髪もお目目もクリクリでやることなすこと全てがキュートな魔性の美少年、

そんな妖精パックのお尻を、妖精王オベロンが、ペチペチペチ……


(もうこれ以上はやめるのよuriko……)


そして、ラストのどんでん返し(?)で、( Д) ゚ ゚

結婚式で恭しく踊っていた儀典長が、閉じられた赤い緞帳の前でひとり、魔法の赤い花を持って意味シン~にニッコリ。

ここでようやく、儀典長と妖精パックが同一人物、共にアレクサンドル・トルーシュであることに気付いたのです。ほんと、ようやく(笑)

もしかして、≪現世≫と≪幻想≫の世界は同じなの?

他の観客の皆さんは、わかっておられたんでしょうね。私だけが、わかってなかったのかと思います。

思い込みって、こわいですね。

原作やバランシン版、演劇などの『真夏の夜の夢』は、オベロンやシーシアスその他の登場人物はそれぞれ独立しており、

当然ながら、それぞれ違う役者が演じます。

(マリインスキーのバランシン版だと、オベロンがアスケロフで、シーシアスがクズミンあたり。ダンサーの格も全く違う)

しかしながら、ノイマイヤー版においては、≪現世≫≪幻想≫の場面ではそれぞれ、

○ ヒッポリタ/タイタニア(アリーナ・コジョカル)

○ シーシアス大公/オベロン(カーステン・ユング)

○ 儀典長/パック(アレクサンドル・トルーシュ)

この三人を、それぞれ主要な役を1人2役で、同じダンサーが演じます。

この1人2役について、私はあくまで興業的な理由、

「プリンシパルの踊りをいっぱい見せてくれて、ノイマイヤー先生ありがとう!」

だと思い込んでいたのですよ。コジョカルが沢山見られてラッキー、みたいな。

ですが、これは見た目のまんま、

彼らのパラレル・ワールドなんですよね?

ヒッポリタ→タイタニアと名前は変わってるけど、どちらもコジョカル、どちらも真実で、異なる別な世界のもう一人の自分、

作品のテーマ「目に見えるものと、見えないもの」とあるように、

目には見えないけど、でも確かに存在する世界。

原作では≪貴族≫≪妖精≫の世界は並立しますが、

ノイマイヤー版では表裏一体、どちらも共通して繋がる別世界。

したがって、ドタバタ劇の二組の恋人たちや職人の皆さんは、彼らの世界をただ通り過ぎていくだけのお客さん。

原作では結婚式でみんな幸せハッピーエンドでバンザーイバンザーイhappy01みたいな大団円を迎えますし、ノイマイヤー版もそこまでは同じですが、

そこから先が、独自の世界。

ラスト、赤い緞帳が閉じられて、それまで恭しく取り澄ましていた儀典長が、いきなり妖精パックと同じ魔性の笑顔に豹変、魔法の花持って観客に微笑みかけると、

観客はそこで ( Д) ゚ ゚ ポーンと目が覚めるのです。

どちらの世界が現実なの?もしかして魔法の世界はこちら側?

そして再び緞帳が開いたとき、そこはスモーク焚かれたもう一つの世界で、オベロンとタイタニアが愛のデュエットを踊っている……

(その真実の愛の世界には、妖精パックも存在する三角関係という、意味深さ……)

改めてプログラム読んだら、「二つの世界は密接に繋がっている」と解説に書かれてました。まあ、最後には私も気付けたので、まあいいか(笑)

一幕の冒頭、結婚式前のコジョカルのマリッジ・ブルーは見当違い、花嫁としては、新郎と儀典長の秘密の関係こそ警戒して!という。


衣装も独特で美しいです。

≪現世≫での貴族衣装もさることながら、≪幻想≫の夢の方の世界、これがまた、全身タイツにキャップという、見た感じはまるで、

美しいコケの胞子。

青緑に暗く沈んだ幻想の森の奥深くで、コケの胞子が、ふわりふわりと浮遊している……

『もののけ姫』でコケからポコポコ生えてくる「こだまの妖精」みたいだわ、と思う、神秘的な姿です。

しかも、予想外だったのは、パックの悪戯でロバに変身したボトムにタイタニアが恋する有名な場面、

バランシン版だとロバの着ぐるみがメルヘンチックでとっても愛くるしいのですが、

ノイマイヤー版では、ハンサムな色男ダリオ・フランコーニがちょっぴり上半身はだけて乱れた姿に、「ロバ耳」を装着したのみ、という、

とっても変態的セクシーで人間的な姿なのですね。

そんなロパ耳イケメン色男が、美しいコケの胞子と生々しくダンスするという……なんとも摩訶不思議な……大人の世界なのです……

(ファーストキャストは、渋く枯れた感じの色男ロイド・リギンズ。なんかもう色々と示唆的すぎて)

バランシン版と違いすぎです(笑)

猫耳ならぬ、ロバ耳ですよ。これを色男がつけているという、

なんなんでしょう、この萌えは。今から40年前の話です。先進的すぎる。衣装は誰なの?と思ったら、

ユルゲン・ローゼ

でしたよ……才能とは、国境も時空も越えるのですね……


・ アリーナ・コジョカル。可愛い。完璧。理想的すぎて、ガラスのショーケースに飾られているような完璧さ。これはノイマイヤー先生の意向かと。

・  カーステン・ユング。雄々しくムッツリ寡黙かつ重厚感のある演技。もう妖精王オベロンは彼以外に考えられない・笑

・ アレクサンドル・トルーシュ。結婚式で儀典長のソロで見せたクラシックなテクニックが素晴らしく、

「なんでこの人こんなに上手いのかしら?」

と注意してよくよく見たら、プリンシパルだったという顛末。

あのときオペラグラスで確認してなかったら、ストーリーの構成が理解できなかったかもしれません。

……と、今書いてて思ったのですが、特に派手さの無い儀典長のソロで、際立って圧倒的に光らなければ、

例えば一般的なグラン・パ・ド・ドゥの「バリエーション1」程度のソロで終わっていたら、

そのままほやーっと見過ごしてしまって、ストーリーが成立しなかったかもしれません。

そういった、重要な役。

今にして思うと、この役が三公演ともアレクサンドル・トルーシュのシングルキャストだったのは、ノイマイヤー先生の完璧主義の表れかも。


演出や舞台美術は素敵でしたが、リゲティの音楽がどうも苦手で、

(心の中でカウントとるしかないような難解な現代音楽。現代といっても、100年後にはどう評価されるか)

深界の森の不気味さはよく表現してますが、やっぱメンデルスゾーンって永遠だわとあらためて思った次第です。

この『真夏の夜の夢』は若き日のノイマイヤーの作品ですが、巨匠となった最近の『リリオム』にも共通して感じたのは、伏線がいっぱいの綿密な構成と、

大いなる愛の中に、ちょっとした毒が効いていること。

あくまでさり気なく、洗練された知的な毒。ときに、辛辣。

そういったものが、彼の愛をより際立たせ、彼の作品をより高尚な芸術作品たらしめているように思いました。

室内楽のコンサート

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2016.3.31 ~ 東京オペラシティ コンサートホール

バレエとは全く関係無いのですが、昨日、車のオーナー向けイベントに当選したので行ってきました。

Dsc


音が鳴り始めてビックリ∑(=゚ω゚=;)

いつも聞いている音と全然違う~(笑)

音が心地よくて、頭に花が咲きっぱなし。

元ウィーン・フィルのクラリネット重鎮を監督に、現コンマス他ウィーン・フィルの正団員や補助団員他、「定期的に出演」というウィーン・フィル二軍?その他による室内楽。

30人編成。

クリアで粋で華やかな音、お正月にテレビで見るような、あんな音がするのです。

なんてゆうか、バイオリン弾いてる男性って、オトコマエが三割増しって感じで、もうトキメクことといったら。(笑)

第一バイオリンの一番うしろのベルリン・フィルの子だけは、まだ30歳そこそこなのに髭面で大きなクマ系でしたが、その他の奏者はみなさんいかにもウィーンheart04って感じ。

urikoは文化不毛の地で育ったので、このレベルのオーケストラの音には馴染み薄く、驚きでした。

今回の小編成で頭に花が咲くなら、ウィーン・フィルのフル編成だと脳内ヘブン状態になるかも??と、今年秋の来日公演の値段調べたら、S席5万円なんですね……

二人で行ったら10万円ですか……

これは、禁断の扉ですね……うーーん……


……そして、果て無きデスロード……


この公演は他に「トヨタ・マスター・プレイヤーズ・ウィーン」として全国ツアーがあり、お値段はS席5500円。

トヨタの社会貢献活動の一環のようです。おトクです。

しかも毎年やってるみたい。東北復興のチャリティーも兼ねているとのこと。

(興味お有りの方、一部でリターンチケット出てます)


私が行ったイベント公演では、開演前のホワイエでシャンパンやらサンドイッチやらが盛大に振舞われたのですが、

幕間には、ソフトドリンクとチョコレートのみ。

お酒類が一切無くなってしまいました。

飲酒運転対策なんでしょうね、車のイベントだし、とはわかっちゃいても、でも幕間には飲みたい人もいるでしょうし、

そもそも開演前にお酒を振舞っているので、どっちにしてもアウトですよね?笑

マチルダ・クシェシンスカヤ

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少し前の「ロシアNOW」の記事ですが、カンヌで世界最大の国際映像コンテンツ見本市「MIPTV」が現在行われており、その第一回テレビドラマ祭の最終選考の12作品に、ロシアの『マチルダ』が残ったとのこと。

「MIPTV」の公式サイト

http://www.miptv.com/en/programme/mipdrama-screenings/

ロシアNOWの記事

http://jp.rbth.com/arts/movies/2016/03/13/574831

『マチルダ』の主人公は、マリインスキーの名バレリーナのマチルダ・クシェシンスカヤ

彼女とニコライ・ロマノフ皇太子(のちの、ロマノフ王朝最後の皇帝ニコライ二世)との叶わぬ愛の物語とのことです。

このマチルダの兄のヨシフ・クシェシンスカヤはマリインスキーの振付家であり、その玄孫が先日のワガノワ来日公演で主演したエレオノーラ・セヴェナルド

エレオノーラは、先日のwowowのワガノワ・ドキュメンタリーでも、主人公に圧倒的に勝利するライバルとして登場していました。

『マチルダ』、見てみたいですね。イマジカとかwowowとか、お買い上げしてくれるといいですね。NHKだと尚良し!

なお、『マチルダ』の映画は今秋公開予定とのこと。日本での公開はどうなんでしょう?

http://jp.rbth.com/arts/2014/10/30/2_50883


カンヌの国際ドラマ見本市に戻りますが、『メディチ~マスターズ・オブ・フィレンツェ』とか『ヴィクトリア』(どちらのヴィクトリアさんか存じませんけど)とか、すごく好みのジャンルで、

『ホームランド』好きとしては、他にもいくつか興味のある作品が。

と言っても、見る時間も無いのですけど…

そして、NHKの『精霊の守人』が4Kスーパーハイビジョン作品として特別上映されたそうです。

(しかし、urikoは一話を半分見て脱落してしまいました……評判が良ければ再チャレンジしてみるかも)

若手振付家のワークショップ

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九州地方での地震、お見舞い申し上げます。震度7とは驚きです。

皆さまのご無事をお祈りします。


今年で4回目となったマリインスキー国際バレエフェスティバルの恒例『若手振付家のクリエイティブ・ワークショップ』が、マリインスキーTVでLIVE中継されました。

公式サイトからのリンクされてるのに、検索しないと出てこないアーカイブはコチラ↓

http://rutube.ru/video/065f631f994951bb93fd2cb4adff6e4f/?pl_type=source&pl_id=7283


当初は適当にユルく始まった企画でしたが、四回目にして、気がつけば重要なイベント成長してしいます。ファテエフが自分の手柄と言わんばかりなのがアレですが、

(ロシアNOWのこの記事とか)

ここで小品を発表したのをきっかけに、振付家として足掛かりを築く子を複数輩出しているのも事実です。

サンクトペテルブルクの情報誌「sobaka」に、若手振付家の特集記事が載りましたが、

http://www.sobaka.ru/city/theatre/45375#fb

6人のうち5人までがこの「若手振付家のワークショップ」絡みで、残る1人はエイフマン関係者。さすがの大マリインスキー、

くさっても、鯛!

という感じです。

今年の振付は、イリヤ・ズホイ、クセニア・スベレワ、マキシム・ペトロフ、アンドレイ・メルクリーエフの四人。

ズホイとペトロフは去年の来日公演でコールドを踊っており、ズペレワさんはプロの振付家。メルクリーエフは言わずもながの、ボリショイから。

マキシム・ペトロフが、オッサン・ガラ『Knights of dance』で振り付けた「王のディヴェルティスマン」が、ブノワ賞にノミネートされましたよ。快挙!

詳しくは「la dolce vita」様のコチラで。


今年は、例年「これは、ちょっと……」と物議を醸すユーリ・スメカロフ作品が全幕に格上げ、『青銅の騎士』が国際バレエフェスティバルのオープニングを盛大に飾ったため、

【これ、どーやって落とし前つけるの?】

といったマリインスキーのワークショップ特有のヘンテコ作品が、今年はありません。無いなら無いで、ちょっと寂しい……笑

また、スメカロフの次点でいつも独自すぎる学芸会路線を突っ走っていたイリヤ・ズホイが、今年は個性を残しつつハッキリと商業化を意識したマイリンスキー好みに舵を切ったため、

全体がプロフェッショナルな公演になったと思います。

イリヤ・ズホイも、さすがに思うところがあったのかもしれません。

他のメンバーが実績を積み上げていく中で、自分だけ遅れを取っていることについて、試行錯誤の末に出したであろう彼の本気が、今回の作品に見られます。

こういうの、嬉しいですね!


○ SeasonS
Music by Max Richter
Choreographer and Set Designer: Ilya Zhivoi

若さとパワー、疾走感。瑞々しくて、今風なコンテ。

上でも書いたとおり、これまで文化祭?みたいなヘンコ作品ばかり発表していたズホイが、今回プロフェッショナルに確変、

沿岸プリモルスキー劇場のマリインスキー4で上演にピッタリって感じの、爽やかな仕上がりとなっています。

去年までは「この子はアカンかも」と正直思ってましたが(ゴメンね)、今回はテーマの選択、選曲、編曲、照明と全てが合致、才能を示したと思います。

ただ、コンダウーロワとズヴェレフは別として、ズホイって小柄なダンサーが好みなんですね……

○ Labyrinth
Music by Franz Schubert, Аndrei Martynov
Choreographer and Set Designer: Ksenia Zvereva

複雑に変化するフォーメーション、安心の振付など、プロの風格。しかし、いかんせん灰色の上下に白スニーカーという集団が、まるで

刑務所の受刑者大脱走?

お題も『ラビリンス』ですし。

テンポの早い動きにエルマコフがやや苦戦も、チェビキナが目立つ目立つ。

全員同じ衣装でこれだけ際立つのは、好き嫌いはあっても主演ダンサーとして得難い資質だと思います。単に「大きい」というのもあるでしょうけど。

去年入団したばかりで既に『ドリアードの女王』などオデット路線まっしぐらの噂の新人エフゲニャ・ゴンザレスが混じってましたが、

目立つ容姿なら、チェビキナに軍配ですかね……

○ Pavlovsk
Music by Karen LeFrak
Choreographer and Set Designer: Maxim Petrov

なんとブノワ賞にノミネート! 注目のマキシム・ペトロフの新作。

ダンサーとしては、来日公演だと『愛の伝説』ではロマン・ベリャコフやクズミン、チュチュンニクらと6人グループのイケメン将校を踊っており、

ソリスト候補の若手イケメン枠です。

つまり、ダンサーとしてもそこそこイケてる、純マリインスキー男子。

彼の作品について、書くことは去年と同じになってしまいますが、

作品が好きなのか、踊っているダンサーが好きなのか判断が付かないくらい、彼の作品は好ましくて好きなのです。

ペトロフは本人が長身のせいか長身のダンサーを好み、しかも私今回もの好みにピッタリのファテエフ冷遇組を多く起用しています。

ズヴェレフ、エルマコフ、ロマンチコフが同時にいっぺんに踊っているなんて、もう夢みたい……lovely

うっとりするような、ロシア的世界じゃないですか。

ロマンチコフなんて、コリフェからコールドに降格されてんですよ。そんな干されマンですが、ブリリョーワと組んで映える長身は相変わらず誠実そうでステキですし、

エルマコフと踊ってる白いドレスのチェレシケビチ(絶賛干され中)もまた、正統派の美しい腕の動きにうっとり。

現在のファテエフ体制へのアンチテーゼすら感じさせます。

ただペトロフって抜け目なくて、彼ら冷遇組の他に、ファテエフ最近のお気に入りで『シルヴィア』など主演の続くタチアナ・トカチェンコも混ぜてるんですね。

若いのにソツがないですね!

……単にガールフレンドのイワンニコワに似たタイプのトカチェンコが好みってだけかもしれませんけど。

作風としては古典的テクニックの連続で、派手なリフトもなく、今様のコンテではないものの、

マリインスキーダンサーの美しさを堪能できます。

今回は音楽もテレビドラマ的で、格調高さや洗練は、最初から狙っていません。背伸びしない等身大。

ただ、ラストのエピローグ部では若さが出たというか、少しやらかしちゃったかな?とも思うのですが。

ストーリーとしては、衣装美術館で居眠りした警備員が、過去の貴族たちの夢を見て、あとで学芸員たちに見つかって大目玉という感じ?

○ Last Conversation
Music by Johann Sebastian Bach
Choreographer and Set Designer: Andrei Merkuriev

ボリショイから、メルクリーエフ登板。

マリインスキーのこの企画にあっては完全に異質、際立つ洗練。

メルクリーエフがボリショイから連れてきた相手役の子はディアナ・コシュレワ。

チェビキナとはモスクワ国際バレエコンクール同期で、コンクールの後、それぞれマリインスキーとボリショイに入団しました。

○ Elegy. Ophelia
Music by Pyotr Tchaikovsky
Choreography and Set Designs:  Ksenia Zvereva

これはー、今回の私のイチオシ! 今回のハイライト。

ズペレワさんのプロフェッショナルな作品で、テリョーシキナの美しさをドラマチックに余すところなく表現。

テリョーシキナの足って、こんなに魅力的だったかしら?と思うほどの美女っぷり。

本人も気に入ったらしく、このフェスティバルのクロージング・ガラでも同作品を再び踊っていました。

今風にリフトが多用されますが、中でも見せ場のリフトが、採点して加点つけたくなるほどの猛烈なローテーショナルリフト、

短い中にもドラマがあって、舞台袖にあるガラスボウルに張られた水をピチャピチャするのは、オフェーリアの来るべき溺死の運命を暗示しているのでしょうが、

ちょっとわかり易すぎる演出かも? 

でも、これがあるから、短い尺の中でオフェーリアと誰でも分かるわけで、潔し。

そして素晴らしいテリョーシキナに対して、エルマコフは完全に黒子、完全に美しいテリョーシキナの持ち上げ役、

オフィーリアに対してハムレットのはずですが、もう衣装もエルマコフだけ

“制作が間に合わなかったん??”

ってくらいの適当さで、洗濯機から出したばかりの寝巻のジャージ状態、

黒子にも程があるって感じです。しかし美しいテリョーシキナの背景としては申し分なし。

こういうのも……マリインスキー男子としての在り様の一つではないかと……思うのです……





さて、上にリンクを貼った「sobaka」に、この「若手振付家のワークショップ」に関係した振付家の近況があります。

(翻訳ブッコなので、よくわかりません。ロシア語解る方、助けて)

それによると、ウラジーミル・バルナバはこの七月にマイヨーに招かれてモナコのモンテカルロ・バレエで作品を上演、

(多分、コレですね↓)

http://www.balletsdemontecarlo.com/ballets-de-monte-carlo/fiche-spectacle.php?id_menu=1&id_sousmenu=1&id_spectacle=55

その他ダンチェンコで『シンデレラ』や、来年の夏にはマリインスキーで「Yaroslavna」が予定されてると。

バルナバは一昨年前にゴールデン・マスク受賞してますし、この中では筆頭格。

六月のザハロワ・レービンの『トランス・シベリア芸術祭』で来日しますよーー(≧▽≦)

そしてスメカロフは、今秋チェリャビンスク歌劇場で『パキータ』をリリースするそうです。

おお、全幕ですね! 去年は『ファウスト』のバレエのみ振付してましたが、昇格ですね!

そして来春にはバルナバと共に『ソラリス』の計画があると。

そしてアントン・ピモノフとマキシム・ペトロフの二人は、夏の『白夜の星フェスティバル』で上演する音楽プロコフィエフでテリョーシキナの作品のリハーサルを、五月から開始するとのこと。

ピモノフは既にマリインスキー『バンビ』等とヤコブソンで『ロミオとジュリエット』の全幕がありますし、

ブノワ賞にノミネートされたマキシム・ペトロフも、自分の初めての全幕ものについて、野心は当然あるでしょう。

楽しみですね。

この中からロシアのリアム・スカーレットに化ける振付家が誕生するといいですねー!

(≧▽≦)

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