2017.6.24 ~新国立オペラパレス
ジゼル 米沢唯
アルベルト 井澤駿
ミルタ 本島美和
ハンス 中家正博
村人のパ・ト゜・ドゥ 奥村康祐 柴山紗帆
(今日はかなり否定的な意見です。ファンの方ごめんなさい。自分もファンなのですが)
年間チケットで購入済みなのを忘れて、うっかり井澤君の日が重複してしましましたが、ファンなので行ってきました。井澤君の日を二回見ます。
まずは、オーケストラ。
素晴らしかったです。先日のボリショイの音が雑に思えるほどの、繊細でキラキラした音。
トキメキが膨らむ高揚感などはボリショイが圧倒的にステキですが、東京フィルのは優等生的にちんまりまとまってるながらも、丁寧できれいだったと思います。
(なんかエラそうですね。すみません)
ジゼルの米沢唯ちゃん。
いつもながら安定の唯ちゃん。
一幕のジゼルは元気いっぱい? ちょっと気負いを感じたかもしれません。
しかし、前回の厚地君との初役のジゼルの頃とは、同じではいられないのですね。若さとエネルギーで一気に駆け抜けていった、あの時の瑞々しいジゼル。でも時間は刻々と過ぎていき、戻ることはできません。
当時と同じスピードで走ることができなくなっても、新たな次の段階に移行してゆくのでしょうが、
舞台って彼女だけで作るものではないですしね……
ハンスの中家正博さん。
良かったです。彼がアルベルトでもいいのではないか?と思いました。
ペザントの奥村康祐君。
ボリショイで見たイケメンより奥村君のが断然ステキ素敵! 大変に良かったです~
下のアイラインが濃くて「あらら」と思いましたが、ま、そんなの関係ないですし。
もうベテランかと思いますが、踊りも演技も若々しくて好感度高く、かつノーブル。
彼がアルベルトでもいいのではないか?と思いました。
むしろ、奥村君のアルベルトが見られないのは、とても残念なこと。
アルベルトの井澤駿君。
爽やかで品良く、容姿端麗な井澤君、イケメン好きな私は彼をこれまでずっと強力に推してきたのですが、来期にはプリンシパルに昇格します。そろそろ猶予の時間は終わりじゃないかしら。
初々しいと言えばそうなんですけど、いつまでたっても新人っぽいというか、
「青山学院を卒業して新国立劇場に就職しました。配属先はバレエ団ソリスト」
という雰囲気が、今なお抜けないのですね。そろそろ中堅ですが。
井澤君のキラキラの経歴が醸し出すスマートな雰囲気を嫌いな奥様っていないでしょうけど、次の異動で幹部候補に配置換えしても違和感ないような、
アチラ側の男の子がなぜか舞台の主演をしているような、そんな発表会感を感じました……
『ジゼル』ってドラマチックな物語ですし、若くて初役なら、未熟なりにガーっと青春駆け抜けてくれたら、もうそれだけで尊く輝いてるものですが、
そんな熱量こそが、この日の彼に最も欠けていたかもしれません……
何もかも恵まれていることの弊害かしら。
素直で一生懸命なのは十分に伝わるのですが、でも、それだけでは舞台として満足できない。発表会を見に行ってるわけではないので。
ハンサムだけど情感薄く、ぬぼぉーっとしたアルベルトでした。
二幕、早い段階からの見事なアントルシャシスの連続から、対角線のに移行するなど、見せ場としては良かったのですが、
演出の都合なのか、通常なら舞台から下がってジゼルと交代するところも、ずっと舞台に居ずっぱりなんですね。
ぬぼーっとしたアルベルトがずっと舞台にいるので、なんか気が散ってしようがない(>_<)
『ジゼル』はアルベルトに始まりアルベルトに終わる男物語でもあるので、アルベルトがこうだと、舞台もこうなってしまうのか……と思ってしまいました。
私はあと一回、この退屈なアルベルトを見るのですよ……しかも、私はお友だちを誘ってしまっているので、ちょっと今からどおしよう、という感じで大変に困惑してます。
うーん、この日は朝から別件で外出していて疲れていたのかも。
だからこの感想も疲労による全く見当違いのものかもしれず、そうであってくれることを願うばかりです。