Quantcast
Channel: バレエ忘備録
Viewing all 99 articles
Browse latest View live

『ジゼル』~新国立バレエ団

$
0
0

2017.6.24 ~新国立オペラパレス

ジゼル 米沢唯

アルベルト 井澤駿

ミルタ 本島美和

ハンス 中家正博

村人のパ・ト゜・ドゥ 奥村康祐 柴山紗帆


(今日はかなり否定的な意見です。ファンの方ごめんなさい。自分もファンなのですが)


年間チケットで購入済みなのを忘れて、うっかり井澤君の日が重複してしましましたが、ファンなので行ってきました。井澤君の日を二回見ます。


まずは、オーケストラ。

素晴らしかったです。先日のボリショイの音が雑に思えるほどの、繊細でキラキラした音。

トキメキが膨らむ高揚感などはボリショイが圧倒的にステキですが、東京フィルのは優等生的にちんまりまとまってるながらも、丁寧できれいだったと思います。

(なんかエラそうですね。すみません)

ジゼルの米沢唯ちゃん。

いつもながら安定の唯ちゃん。

一幕のジゼルは元気いっぱい? ちょっと気負いを感じたかもしれません。

しかし、前回の厚地君との初役のジゼルの頃とは、同じではいられないのですね。若さとエネルギーで一気に駆け抜けていった、あの時の瑞々しいジゼル。でも時間は刻々と過ぎていき、戻ることはできません。

当時と同じスピードで走ることができなくなっても、新たな次の段階に移行してゆくのでしょうが、

舞台って彼女だけで作るものではないですしね……


ハンスの中家正博さん。

良かったです。彼がアルベルトでもいいのではないか?と思いました。

ペザントの奥村康祐君。

ボリショイで見たイケメンより奥村君のが断然ステキ素敵! 大変に良かったです~

下のアイラインが濃くて「あらら」と思いましたが、ま、そんなの関係ないですし。

もうベテランかと思いますが、踊りも演技も若々しくて好感度高く、かつノーブル。

彼がアルベルトでもいいのではないか?と思いました。

むしろ、奥村君のアルベルトが見られないのは、とても残念なこと。


アルベルトの井澤駿君。

爽やかで品良く、容姿端麗な井澤君、イケメン好きな私は彼をこれまでずっと強力に推してきたのですが、来期にはプリンシパルに昇格します。そろそろ猶予の時間は終わりじゃないかしら。

初々しいと言えばそうなんですけど、いつまでたっても新人っぽいというか、

「青山学院を卒業して新国立劇場に就職しました。配属先はバレエ団ソリスト」

という雰囲気が、今なお抜けないのですね。そろそろ中堅ですが。

井澤君のキラキラの経歴が醸し出すスマートな雰囲気を嫌いな奥様っていないでしょうけど、次の異動で幹部候補に配置換えしても違和感ないような、

アチラ側の男の子がなぜか舞台の主演をしているような、そんな発表会感を感じました……

『ジゼル』ってドラマチックな物語ですし、若くて初役なら、未熟なりにガーっと青春駆け抜けてくれたら、もうそれだけで尊く輝いてるものですが、

そんな熱量こそが、この日の彼に最も欠けていたかもしれません……

何もかも恵まれていることの弊害かしら。

素直で一生懸命なのは十分に伝わるのですが、でも、それだけでは舞台として満足できない。発表会を見に行ってるわけではないので。

ハンサムだけど情感薄く、ぬぼぉーっとしたアルベルトでした。

二幕、早い段階からの見事なアントルシャシスの連続から、対角線のに移行するなど、見せ場としては良かったのですが、

演出の都合なのか、通常なら舞台から下がってジゼルと交代するところも、ずっと舞台に居ずっぱりなんですね。

ぬぼーっとしたアルベルトがずっと舞台にいるので、なんか気が散ってしようがない(>_<)


『ジゼル』はアルベルトに始まりアルベルトに終わる男物語でもあるので、アルベルトがこうだと、舞台もこうなってしまうのか……と思ってしまいました。


私はあと一回、この退屈なアルベルトを見るのですよ……しかも、私はお友だちを誘ってしまっているので、ちょっと今からどおしよう、という感じで大変に困惑してます。

うーん、この日は朝から別件で外出していて疲れていたのかも。

だからこの感想も疲労による全く見当違いのものかもしれず、そうであってくれることを願うばかりです。


コワリョーワのインタビュー記事

$
0
0

ご無沙汰しております。レビュー記事をアップしようとしてフリーズして停止、それ以降は気力のほうもスライム状態。

暑いですね。

更新ないよりマシかと、別な話題を。


最近はインスタのチェックもヒーヒー言ってるのですが、

(フォローが増えすぎて、収拾がつかなくなってきて)

ツィスカリーゼ校長のところにアリョーナ・コワリョーワの『バレエ・インサイダー』のインタビュー記事がリンクされてました。

http://www.balletinsider.com/en/archive/solo/7693

まあ、可愛らしい~~heart04

そしてウエスト細っ!!

ファンにとっては興味深い記事なので、コワリョーワちゃん本人のインスタでもリンクしてくれるといいですね。

バレエ学校の校長先生をいつまでもアテにするのもなんですし。


ここで注目されるのは、マリインスキー劇場がコワリョーワを採用しなかった、というくだりです。

やっぱりな、という感想しかありません。

“ワガノワの生徒はマリインスキーに入ることを夢見ると聞いているけど、最近は最高の生徒はボリショイに入る。あなたのケースもそうですか?”

“マリインスキー劇場は私を招待しませんでした”

マリインスキー劇場はどうも熟慮の末に、コワリョーワを採用しなかったようで、これは小柄で可愛らしい子を好むファテエフ監督の好みからも、わりと予想されたんじゃないかと思います。

もし仮に招待してたらコワリョーワはマリインスキーに入団したかもしれないですし、

そうなると現体制だとコールドで年増の役しか回ってこなかった可能性もあり、今となってはもう、

採用されなくて良かったね!

という感想しか浮かびません。

コワリョーワはベジャールバレエ団をはじめ、多くのオーディションを受け、中でもエイフマン・バレエに傾倒したようですが、

エイフマンは高身長が前提のバレエ団で、かつ新しいヒロインを必要としており、選択肢として合理的。

(現在、コワリョーワとワガノワ同期のダリア・レズニックが入団一年目で主演ダンサーに躍り出ている)

しかし結局、ボリショイのオーディションに合格、特に何の約束もなく、一般枠で採用、

そして9月13日にシーズンが始まって、その二日後、リハーサルに呼ばれていきなり『ジュエルズ』が与えられ、

その三週間後に本劇場でデビューです。

間もなくニューヨークでもデビューしますし、さらに二か月後の翌シーズン始めには『白鳥の湖』でデビューが控えています。

素晴らしいですね。

インタビューからもボリショイに夢中っていうのが伝わってきますし、

ドラマチックな青春かっ飛ばしている真っ最中って感じですね。

それに、コワリョーワって、つくづく運が強い。

招待されてたらうっかり入団しちゃったかもしれないマリインスキーには先方から断られ、

そんな折に、ボリショイには高身長女子が好みというワジーエフが芸術監督に就任、

同時に、(コワリョーワ持ち上げ役に最適な)高身長でガタイの良いジャコポ・ティッシが、自ら志願して入団。

ティッシ君はボリショイ・ファンにとっては言っちゃなんですが、ほとんど人身御供の使い捨て上等の外子ということで、

(ティッシが潰されるじゃないの)

という風当りも、まあ、そんなに厳しくないと思うのですね。

コワリョーワ、東京で実際に見て、やっぱりデカかったですし。

ただ動画で見る限り、ユーロなエレガンス漂うイタリア男ティッシに、まだあどけないコワリョーワの並びは、とても特徴的で見目麗しくてゴージャス。

こんな大型カップル(実測サイズ的に)、今のバレエ団のどこ探してもいないですよ。

この次の来日公演は、ゼヒゼヒこの二人で『白鳥の湖』を、というのが私の切なる願望ですheart04


そして、コワリョーワの望むロールは、『ジゼル』と『若者と死』、

庶民的なコワリョーワに村娘の役はぴったりですが、舞台セットのドアの鴨居で頭打たないか心配(笑)

そして『若者と死』とは、これはまた渋い好みで……しかも、これはボリショイのレパートリーじゃないし、

こんなところに、彼女の心の奥を、ちょっぴり妄想してしまったり、しなかったり……

(ローザンヌの頃にベジャールバレエ団に打診してることからも、彼女の複雑な心境は十分に伺えるのですが)

コワリョーワ@ニューヨーク

$
0
0

NYシティバレエとパリオペラ座、ボリショイによる上演50周年記念となる 『ジュエルズ』公演、

https://www.nytimes.com/2017/07/21/arts/dance/balanchine-jewels-lincoln-center-festival-city-ballet-bolshoi-paris-opera-ballet.html

このマチネ『ダイヤモンド』でアリョーナ・コワリョーワとジャコポ・ティッシがプリンシパルを無事に務めたもよう。

レビューを拾ってきました。

http://criticaldance.org/first_impression/lincoln-center-festival-jewels-and-gems/

素晴らしかったようで、嬉しいです~

ティッシ君との連携で今一つ上手くいかない場面もあったようですが、投稿者さま泣いてしまわれたようで……

若さ煌めいてますものね。

そして、文中に彼女の身長に対する言及が見当たらないのです!

彼はコワリョーワちゃんの身長が気にならないんでしょうかね? それだけでなく、彼女のオーロラ姫を期待されているようで、

ボリショイのオーロラ姫といったら白カツラなので、視線が上にくるためさらに巨大になってしまいそうなんですが……

ご存じないハズはないので、気にならないんでしょうね。

オーロラ姫なら来期入団のセヴェナルドが最適でしょうし、あらためてボリショイは勢いってすごいですね。


そして私も投稿のホクマン氏に倣って、そろそろコワリョーワちゃんについて二言目にはデカイデカイと連呼するのをやめようかかなと。(笑)

マリインスキーでパリッシュがプリンシパルに昇格

$
0
0

ザンダー・パリッシュがプリンシパルに昇格しました。

前回の来日公演においてもパリッシュはローテーションに必要不可欠な存在としてとっくにプリンシパルの役割を担っていたので、

昇格は彼の地元のロンドン公演まで待たされた感じですね。

おめでとうございます!!

こうなるとパリッシュの次の昇格は誰か?とか思っちゃうのですが、私の予想では、エルマコフやズヴェレフにはもうプリンシパルの芽は無く、

今現在、ジークフリート王子に配役されてる面々から出てくると思うのですが、いかがでしょうか。

アーネスト・ラティポフ、イワン・オスコルビン、ヴィタリー・アメリシコあたりです。

個人的にエルマコフ、ズヴェレフはプリンシパルになって欲しいのですが、

エルマコフに関しては今に至ってもジークフリート王子にもくるみ王子にも配役されておらず、

このあたり、ファテエフ監督の思惑を感じずにはいられません。


頭痛くなってきた……


そしてコリフェには、エフゲニー・コノワロフが昇格。ワガノワ2012年卒。

公式サイトの写真写りはイマイチですが、わりとソロとか踊っていた子ですよね。

先日に『ジゼル』のアルブレヒトでデビューしたヤロスラフ・プシコフ(Yaroslav Pushkov )のコリフェ昇進はありませんでした。

コノワロフとは同期ですが、なんか明暗が分かれた感じ?


そして、研修生として永久メイさんと、今年ボリショイ・アカデミーを卒業したCamilla Mazziが登録。

マリインスキーで研修生というのは、キム・キミン以来なので、正式入団の際にはソリスト以上ですね。

おめでとうございますーーhappy01

コールドの団員リストには、ワガノワから今年入団した子たちの名前があります。

中でもアレクサンドラ・コールシュノワちゃんは期待されますが、男子に関してはくるみ王子を踊ったような上位は誰もマリインスキーには入団しませんでした。

ま、今年に限ったことではないですが。

その他、ワガノワ・プリでエレオノーラ・セヴェナルドを抑えて優勝した韓国のスー・ビン・リーがマリインスキーに入団すると思い込んでいましたが、リストのどこにも名前がありません。

私の予想は大ハズレとなりました。


それにしても、関係ないですけどコールドの団員リストを見ていると、あらためて若手振付家のアントン・ピモノフがこの位置にいるのが気の毒でなりません。

ピモノフ、数年前まではセカンド・ソリストだったんですよ!

それがコリフェに降格され、コールドに降格され……

振付家として頭角を現していることへの報復かしら?とか下種ってしまうわけですが、ピモノフの奥さんのバトーエワは順調ですし、

なんなんでしょうね。

これだけ若手振付家が複数育っているオレの指導力って凄い!と同時に、

将来的に自分の芸術監督の地位を脅かすことになりそうな奴は、とりあえず頭抑えとけ、みたいな感じかしらと、下種ってみたり、みなかったり……

あ、スメカロフですか?

スメカロフは大丈夫です笑。彼はファテエフ監督の嫉妬対象にはなりません。きっとゲルギエフはスメカロフが嫌い。

(ワガノワの大学院設置騒動の際に、反ゲルギエフの旗手だったため)

オペラ『ばらの騎士』

$
0
0

この夏は『バレエ・ストリーム』にも『こどもバレエ』にも行けないというのに、なぜか二期会のオペラ『ばらの騎士』に行ってきました。

女性歌二人が主役らしい、くらいは知ってましたが、冒頭からいきなり美麗な女性同士の愛の世界!

それかもう、メロメロの愛の世界なのですよ。子供と一緒だったら、ちょっと緊張するくらいの。

これ、男装の麗人なのか、女性が男性役を演じてるだけなのか、どっち?? どっちなの??Σ(゚□゚(゚□゚*)

宝塚の男役さんなら高度に訓練された様式美の世界なので、迷う余地もないのですが、

女性歌手はあくまで女性歌手なので、もう「えーっと、えーっと」と混乱しっぱなしの一幕でした(笑)


ストーリーは、美貌の元帥夫人と、若き伯爵オクタヴィアンの物語。

(ですから、男装の麗人ではなく、美青年ですね)

これがめっぽう面白くて、男女の心の機敏というのは今も昔も変わらないのねーーとつくづく思った次第です。


≪時間しか感じなくなる。あなたはいつか私を捨て、あなたにふさわしい人を選ぶ。もっと若く、美しい人を≫

≪そんなことはない。あなただけを愛してる≫

≪私が言ってるのは真実よ。もう、今日は帰って≫


元帥夫人は若く美しい愛人にちょっと甘えてるだけなので、ここでギュっ(>_<)ってしてあげれば全て解決なのですが、伯爵は

≪それでは、貴女のおっしゃるとおりに帰ります≫

と、さっさと帰ってしまいます。本当に帰られて「しまった!どうしうよう?!」と後悔のソプラノ独唱、

この心境は、年増の女性ならきっと誰しもが思う、こっちからは言えないんだから、そっちから言ってよ、

忖度してよ、私の不安をわかって、私の望むように、

という切なる要求願望と、

そんなの言ってくれないとわからないよ!

という男性側との、永遠のすれ違いですね。今も昔も、洋の東西も問わず。


そして第二幕、伯爵は運命の少女と出会います。

意に添わぬ結婚をさせられそうな大金持ちの一人娘、ちょっぴりお転婆な美少女17歳!!

伯爵はあっさりと17歳美少女と恋に落ちるのですが、まあ、そうですよね。普通はそうなりますよね。

そうならないところって、マクロン大統領のとことムンタギロフのとこくらいよね??(←下世話)

そしてラスト、若い恋人たちから元帥夫人はそっと身を引きます。美しい引き際です。

これがもし伯爵が元帥夫人を選ぶ結末だったら、物語としては美しいかもしれませんが、ラストは映画『卒業』みたいに、

この先の困難を示唆するものでなければ嘘っぽくなりますよね? 舞台見てる奥様方も「これはアカンわ、この先難しいよ」って思いますよね。

だって元帥夫人の従兄弟が下品な落ちぶれ貴族なところをみると、夫人の実家も太くなさそうだし、夫人がこのまま生き残っていくには、とか色々思っちゃうのが、世間にスレた年増というもの。

そんなこんなで、滅法楽しいオペラ体験でした。

『ばらの騎士』、オペラ初心者に超オススメです~~happy01


しかし今さっきネットで確認したら、元帥夫人は32歳で、オクタヴィアン伯爵はなんと17才!!だそうで。

現代だったら、お縄案件待ったなしって感じ……?(笑)

ボリショイの新シーズンとか

$
0
0

ご無沙汰しております。

この夏は結局、バレエ公演に一度も行けませんでした。ええっと、夏って、もうじき終わるのでしょうか?

しかも秋以降のチケットも買い忘れたりで一枚も持っていないという体たらくです。

他のことにかまけてばかりで、自分のブログの存在さえすっかり忘れる始末でしたが、色々と一段落した感じです。少しずつ戻れるんじゃないかと思っています。


さて、アリョーナ・コワリョーワの『白鳥の湖』デビューが発表されましたーhappy01

相手役はヤコボ・ティッシ。期待した通りですね!

今年のボリショイのシーズン・オープニングは慣例通りの『白鳥の湖』で、初日は当然ながらザハロワ様。

(と、デニス・ロジキン)

コワリョーワちゃんは東京の様子を見る限りまだまだ大味なところがあるので、ベテランと組む安全策よりも、

ティッシ君とフレッシュな若さとパワーを前面に打ち出すべき、とは多分皆さんも思っておられるでしょうが、

さらにデビッド・モッタ・ソアレスがロットバルトに配役され、次のプリンシパルを目指す次世代デビューがここに集結。

ワジーエフ監督指揮するボリショイの輝く未来が見られることでしょう。素晴らしいですね~

煽り上等のファン心理(笑)

しかしインスタを見てる限り、彼らは実家に帰ったり家族旅行したり夏休みを満喫、モスクワに戻ったりもしてたようだけど、フツーに暦通りに練習をはじめた印象ですよね。

まあ、先生方の休暇とかもあるでしょうし、ボリショイというかワジーエフって、わりと無茶させるというか、入念な準備とか用意周到とか、そういうのあまり気にしない感じ。


そして新卒入団の千野円句君が9月末の 『エチュード』でデビュー。

エチュードってアラの目立つ振り付けで新人さんには大変でしょうけど、それだけ期待されてるってことですね。破格の大抜擢です。


あと、意外に思ったのはエレオノーラ・セヴェナルドのお披露目が『ドン・キホーテ』の第一ヴァリなことです。

いや、これでも十分なんですけど……

でも千野君も主演ですし、コワリョーワがシーズンオープニングの『ジュエルズ』でいきなりダイヤモンドを踊ったことを思うと、ショボさは否めず。

エレオノーラも「ドリアードの女王」くらいでも良かった気がしなくもないのですが、

まあ、どっちでもいいですかね。

エレオノーラのポテンシャル、バックグラウンドを思うと、これくらい些末なことかもしれません。

エレオノーラは中背で汎用性が高く、フリーギアからオーロラ姫、ジュリエットやオデットまでオールラウンドにこなせそうなところが魅力ですし、スター性十分。

年齢のわりにコッテリムッチリした色香があるのも、まあすぐに実年齢に追いつくでしょうし、

(彼女は去年のワガノワ来日公演時にすでにペネロペ・クルスみたいな色香があったわ)

ラトマンスキーの新作『ロミオとジュリエット』が、確か11月ですよね。

そしてエレオノーラの血縁であるマチルド・クシェシンスカヤの映画『マチルド』が10月末にロシアで公開、そののちに世界公開されるのですが、

これがえらい物議をかもしているようで。

https://jp.sputniknews.com/opinion/201708184000547/


とりあえず、主演女優よりエレオノーラ本人の方がずっと美人なんですけど!笑


そして、関係ないですけど、久々に動画アカウントを開いたらマリインスキーのチェビキナのオデットが上がってました。

https://youtu.be/LC6GqAH-aSw

うーーん、この演歌っぽさをなんと言えばよいのか……これ、マリインスキー?

彼女はマリインスキーの次世代ですが、コワリョーワと違って若さはもう理由にならないし、ただただ困惑するばかりというか。

チェビキナにはもうずっと期待を寄せてきたのですが、果たして彼女の他にマリインスキーの次世代オデットって、誰がいましたっけ……?

「大きな白鳥」にキャスティングされてるニカちゃん……?(ツヒビキナって読むのかしら)

彼女のくるみを見たけど、うーーん……

私の推してるエフゲニャ・ゴンザレスとマリア・イルシュキナは、モノになりそうなんでしょうか……?そもそも育成されてるのかどうかもわからないし……

ボリショイの主力はアレで若手がコレで、さらに今年入団の男子が粒ぞろい、足元の地盤がどんどん固まっているのに対し、

マリインスキー……

コワリョーワ『白鳥の湖』デビュー

$
0
0

ボリショイで新シーズンが開幕し、二日目のマチネでアリョーナ・コワリョーワがデビューしましたーhappy01

入団二年目、初の全幕主演が、『白鳥の湖』ですよ。

他にもジークフリート王子、ロットバルト、道化と、主要な役が全てデビュタントという、まさに新人公演です。

コワリョーワに興味のある方はインスタとかチェックされてるでしょうが、私も朝からウッキウキhappy01で検索しました。同じのをご覧になってるでしょうが、忘備録として。

https://www.instagram.com/p/BZHDIYthcLQ/?taken-by=yana.drygina

https://www.instagram.com/p/BZGjl73nYF7/?taken-by=ladunskiy

https://www.instagram.com/p/BZGrbWqBmCx/?taken-by=bolshoi_fan

https://www.instagram.com/p/BZGxcVhB_li/?taken-by=bolshoi_fan

https://www.instagram.com/p/BZGxCi9gjHw/?taken-by=picolissima

https://www.instagram.com/p/BZHcZwTFipy/?taken-by=_jk_art

まずは道化のアンドレイ・コシュキン。キュートで可愛い~heart04 キュンキュン回転してるし。

ロットバルトのデビッド・モッタ・ソアレス、インスタの短い動画だけではティッシの後ろで印象薄く、やや微妙にも感じられるけど、評判は良いようです。

コワリョーワを持ち上げてる懸命な様子は、少し涙を誘いますが(気の毒で)。

ジークフリート王子のヤコボ・ティッシ。

これは素晴らしいです~~この短い動画ですら漂ってくる魅力と色香と音楽性。エレガントで素敵ステキーlovelyheart04

ティッシへの意見としては、「コワリョーワ専属ににすべきできなく、ステパノワやシプーリナと組ませるべき」という声もあって、私も全く同感です。

さらに私はザハロワ様とも組んでほしいとも思っています。

ザハ様にやや不足するロマンチックで甘やかな雰囲気が、ティッシによって補完されると思うんですよね。

(『椿姫』のアルマンとか、ロジキンだとちょっと粗野なロシア過ぎて、おフランスなエレガンスに乏しくって)

ティッシはボリショイに移籍して一年を無為に過ごしましたが、今さら主役以外の脇で踊る子でもないでしょうし、今後の活躍が期待されますー


そしてアリョーナ・コワリョーワ。

もう言うまいと何度も何度も何度も繰り返し思うのですが、でもやっぱり言っちゃう。

デカいわね……

そして大味で薄いですね……彼女の特徴なのかチェンチコワ先生の指導なのか、茫洋として振り付けにしまりが無いというか、『ライモンダ』のときも通常はパーン☆と手で打つところ、そっと撫でるだけだったりとか、

とにかくメリハリに乏しい。

ボリショイ的にこれではアカンやろ?と疑問に思いつつも、でも可愛らしい~lovely

インスタでは概ね好評ですが、でもインスタってネガティブ意見の出にくいメディア。

いつもの掲示板をGoogle翻訳でざっと見ると、批判的な意見がほとんどです。てゆうか、もう散々って感じ。

さらにフェッテでやらかしたようで。

(こちらの一番最後↓)

https://www.instagram.com/p/BZGgvnnjcg3/

……でもそんなにあげつらうほどのミスでもないと思うのですが。

バレエのテクニックわかる方に教えて頂きたいのですが、脇を締めて軸を細くすれば、もっと安定して早く回転できますよね?

あえて安全策は選ばず、あくまで自分の理想にチャレンジ、

いかにもボリショイ的なハイ・スピードで後半に入ってもラストまでダブルで突っ込んでいくあたり、恐れ知らずの青春かっ飛ばしているように思えますが、

あまりの技術偏重のプレッシャーから、「作品を理解してない」と批判されるのは、まあ、あるかもしれません。

「そんなに焦らなくても」

という意見も見ましたが、でもコワリョーワは全力で駆け抜けなくてはならない。

経験が無いとか若いとか、そんなこと言ってる余裕なんてありません。

彼女の後ろには、あっという間に追いつき追い越してゆくポテンシャルを持ったエレオノーラ・セヴェナルドがすぐそこまで迫っていて、既に同じ舞台に立っています。

https://www.instagram.com/p/BZHSwNVl47Z/?taken-by=barabanidze

(エレオノーラの白鳥姿初めて見ましたが、美しいですねーーheart04それにかなり絞れました??)

彼女はコンクールやガラコンサートで何度も黒鳥を踊っていて、経験も十分。

https://www.instagram.com/p/BTvfrF-A6KA/?taken-by=elya_7ard

https://www.instagram.com/p/BTqY-80AN9e/?taken-by=elya_7ard

エレオノーラには今回のコワリョーワの「新人の一括おまとめセット販売」みたいなデビューではなく、

プリンシパルをつけて最上級のデビューが用意されることでしよう。

それに直接ツィスカリーゼ校長にみっちり仕込まれているエレオノーラは、もう既にボリショイ。

比較としてスミルノワのも貼っておきますね。

https://www.instagram.com/p/BZHdgIjFpAa/?taken-by=dama.alla


コワリョーワはデビューについては、

「時期尚早であった」

という意見に集約される感じですが、そこはボリショイの『白鳥の湖』です。

バレエ学校の全幕主演すら経験の無い女の子にね、いきなり無理言うなよ、とか、そんな愚痴は通用しません。切ないですが、批判は仕方ありません。

現実を受け止め、精進してほしいと願います。

ソロを見てみたいですが、怖くもあります。万が一マリインスキーのチェビキナとちょぼちょぼって感じだったら、ボリショイにおいては見込みナシ。


そしてコワリョーワのワガノワでの恩師が今回も駆けつけてますね。ユリア・カセンコワ先生。大事な舞台は毎度来られているようですが。

昨日もお友だちと少し話していたのですが、このような場合、

「教え子の大事な舞台だから」

と先生の自腹なのか、もしくはコワリョーワのお母さまが「是非に」と招待されているのか、どちらでしょうね。

(日本舞踊の師範してる親戚の聞きかじりだと、ほぼ後者ですね。親御さんは大変ですね……)

コワリョーワのソロ他

$
0
0

さてさて、コワリョーワのソロ動画(オディール)が来ましたよ。

https://youtu.be/YiV7GUpri9k

限定公開なので、投稿の天使の意図をお汲み取りいただきつつ、ご覧いただけると幸いかと存じます。

うーーん、大きなお人形さんみたいね。

前回に貼ったエレオノーラ・セヴェナルドの方が、ずっとこなれて見えるのですが……

若い娘というのは存在そのものが魔性、

そんな小悪魔的な若い黒鳥は個人的に好みなのですが、エレオノーラには少年からおっさんまでコロコロ転ぶであろう若い色香がムンムン。

(テクニックも強いし)

対するコワリョーワちゃんですが……こんな見てて緊張する黒鳥のバリエーションもないというか、まるで親戚の子の発表会を見てるみたい、懸命に踊ってる様子は可愛いのですが、

若さの魔性がさっぱり感じられない……表現はテクニックなので、全体に雑というか拙い感じが、そのように感じさせるのだと思うわけですが

でもでも、足が長くてステキ。

「時期尚早」という評判には「そうですね」と言うしかないのですが、その一方で例の掲示板では

「みんな思い出して、スミルノワもニクーリナもデビューの時には批判だらけだったよ!(意訳)」

という意見もあり、こき下ろされはデビューの洗礼なのかもしれません。

と言っても動画で見る現実は現実として、精進してほしいですね。


そしてアルテミィ・ベリャコフ君がジークフリート王子でデビュー。

これがもう、立ってるだけで美しい、ロシアの王道ど真ん中の正統派王子様でステキステキ~lovely

美形で品よく爽やかで、踊りもゆったり大らかで大変に良いデビューだったと思います。

ティッシはユーロな雰囲気とエレガンスで、またベリャコフ君とはまた違った王子様で、この二つのデビューを擁するボリショイの勢いを感じます。スゴいですね。

それぞれの動画貼っておきますね。

https://youtu.be/yq9C7g4V5YU

https://youtu.be/gtjo8SLZ34U

次回の来日公演では、二人とも見られるといいですね!


そして関係ないことですが、今から遅いバカンスに行ってまいります。今年はイタリアです。

今回はホテルと、初めての試みでアパートを借りるのですが、アパートはいわゆる民泊というやつです。

さっそく私は勘違いをしており、私が思い描いていたステキ建物ではなく、グーグルマップが正確で古くてポロい建物。

現実って厳しい。

古いって、数件となりはルネサンス期の建物ですし、当該アパートも古さはきっと筋金入り。

イタリアやしね……

一昨年のバカンスでは、カプリ島とナポリで共にお風呂の排水が流れませんでした……

カプリ島なんて、結構なお値段を出したのに……

というわけで、腹くくって覚悟決めます。


そして、常々から私の話す英語は通じてないとは感じてましたが、この度は書く英語のほうも通じてないことが発覚。

家主さんにメールしたけど、お返事に質問の回答が無い……しかも他にも何言ってるのかさっぱりわかんない。

とりあえず、行けばなんとかなるのかしらね……


(((( ;゚Д゚)))


民泊に関心ある方がいらっしゃるならレポします! では行ってきますーー


コワリョーワその後

$
0
0

アリョーナ・コワリョーワ直近の動向ですが、10月3日4日とザグレブで『Roberto Bolle and Friends』に出演し、翌日の5日にはモスクワに戻って『World Ballet Day 2017』の生中継です。

ボリショイの中継では、注目のエレオノーラ・セヴェナルドと共に個人クラスに名前が挙がっています。

(その他に、クセニア・シガンシナとアナスタシア・デニソワ)

(このあたり全部naomiさまのとこ丸写し。5日の午後3時から8時だそうです。この時間帯、ちょっと見るの難しいけど、後日に動画アップされますよね……?)


ザグレブのガラ公演では、『白鳥の湖』三幕からパ・ド・ドゥと『ダイヤモンド』だそうです。共にプリマの演目。

http://www.hnk.hr/en/roberto-bolle-and-friends1/

相手役は共にヤコボ・ティッシ君です。美しいでしょうねheart04


その黒鳥のソロ、インスタに動画がアップされています。かなり前にアップされてるので皆さんご存知でしょうが、一応。

https://www.instagram.com/p/BZPHTbGFQ38/?taken-by=andrianovairinau

ツィツカリーゼ校長の評価も「時期尚早」など散々なコワリョーワですが、でもでも、デビュー戦としてはかなり健闘しているのではないかと思います。ですよね? 雑で大味なりに、長い足が美しいです~

比較として、ライバルのエレオノーラ・セヴェナルド(ワガノワからコンクール出場時)。

https://youtu.be/1Azlk75dTTU?t=6m48s

現在のエレオノーラはこの時よりかなり体を絞ってるし、デュエットの方では若い娘の小悪魔的魅力全開で、王子はじめ全ての男性を転がしまくり、

何より短いパ・ド・ドゥの中で物語をしっかり作っているので、

「物語を理解していない」「大きな人形みたい」

と書き込みされてて、それが納得できてしまうコワリョーワとは、もうスタート以前から違ってる感じです。

この一歳違いの個性も方向性も全く若いバレリーナが、この先どのように伸びていくのか、次の10年はボリショイ本当に熱いですね。楽しみです。

しかも、ボリショイはこの二人だけと違うんですよ。キラ星の如き陣容。

ここ数年、バレエ学校の最優等はボリショイ入団という流れがもはや既定路線って感じで、若手男子なんてイケメンの良い子いっぱいで選り取りみどり。


話が逸れちゃったので、戻します。

コワリョーワの白のアダージオのインスタ動画も追加きてるので貼っておきます。

https://www.instagram.com/p/BZec53-lFyy/?taken-by=_jk_art_

デカいのはもう既知のとおりとしても、連続のリフトが最後のほう物理的に持ち上がってないし(泣)、チャチャッ、チャチャチャ…で頭の上のトップポジションまで持ち上げるリフトなんて、もう恐怖すら感じる、ティッシ君の腰が反ってるし、

あああ、もう無理しないで、ほどほどでいいのよ……(>_<)

という感じで、涙を禁じえません。

ティッシ君のファンが増えるにつれ、「コワリョーワいい加減にしろ」的な排斥の気風がなんとなく漂いはじめたのも気になるところで、

このムギュって感じは男性の怪我も時間の問題って気もしますし、そうなるとコワリョーワの責任も、可哀そうだけど避けられない。

ティッシ君との組み合わせは美しくベストですが、やはりプランBも必要。

そこで次なる人身御供相手役ですが、今年入団のピーター・グセフ、彼なんてどうなんでしょうね? ボリショイで白鳥王子は踊れそうでしょうか?

身長はエルマコフと同等(195㎝)かそれ以上。エルマコフほどの忍耐があるかは不明。

https://www.instagram.com/piter_the_best/

直近も新人ながら白鳥王子で中国のイベントに出てるようだし、可能性に期待してしまいます。

インスタを見てわかるように自意識が非っ常ーに高く、それでいて女の子にモテてる気配が全くしないところが面白く、とにかく長身ガタイ系ってだけでurikoの超好みheart04

ボリショイは先日も線の細い王子様系の千野円句君のデビューが成功したばかりで、ベリャコフ君のような王道正統派からユーロの風薫る甘い王子、さらにはガタイ系王子まで、若手次世代だけで幅広く各種王子を揃えられるあたり本当に底力を感じます。大好き。

また話が逸れちゃった。

コワリョーワ、白のソロが見たいところですが、ざっと見たところ想像するにそれほど悪くはないのではないかと思いました。

少なくとも、マリインスキーのチェブキナより悪いってことは無さそう。

(チェブキナの白のソロは、若手を彼女しか出せないマリインスキー凋落の象徴って気が)

コワリョーワちゃん、腕の動きがいまひとつ棒っぽく、まだまだ洗練の余地を感じるものの、足はとってもきれい。

初めての全幕がボリショイでオデットだと、そのプレッシャーは如何ほどかと思いますが、ゆったりとした動きは伸びやかでよくコントロールされてるし、ラインも美しいし、上々のデビューですよね。ね?

(私の記憶だと『白鳥の湖』のデビューって格別にアラが目立ちやすく、私がバレエ見始めて以降、一発目から成功して好評だったのってステパノワくらいな気が)

評判は散々でしたが、これも一種の通過儀礼。何だかんだでボリショイの未来のオデットとして存在は認められたのではないかと思います。……ですよね?

今後が楽しみです。

明日のワールド・バレエ・デイも楽しみ(≧∇≦)

「ワールド・バレエ・デイ2017」からボリショイ感想

$
0
0

「ワールド・バレエ・デイ2017」LIVE中継され、ボリショイ部分をざっと見てみました。

まずは登録になったアレクサンドロワ、LIVE中継のモーニング・クラスに参加していることから、劇場との円満な関係がうかがえます。ファンとしては安心です♡

そして毎度注目のデニス・ロジキン、

「あら、今年は露出控え目なのね?happy01

と思っていたところ、クラス終盤に司会のノビコワ女史にインタビューに呼ばれてみれば、

もーー絶妙のお胸元の開き具合、胸筋の谷間くっきりハッキリ、レッスンで金髪がやや乱れてうっすらと汗ばむ肌、頬がほんのり桃色に上気していて、

ノビコワ女史も意図せざる事態に困惑気味、今が頂点の生命力、その眩さに私もモニター前で悶絶圧倒されておりました……

バカンスでフィレンツェ帰りのワタクシ、ダヴィデ像をはじめルネサンス美男美女の艶姿で頭に花が咲き乱れている状態ですが、

こっちのは生きてて、実際に動くんですよ?!


そして、レッスンにもリハーサルにも今年入団の新人さんが沢山いて楽しかったです~

まずはインスタでおなじみのスタニスラワ・ポストノワ(Postnova Stanislava)。

https://www.instagram.com/ruby.tear/?hl=ja

千野円句君の後ろにいましたが、身体が本当に柔らかくしなやか。足が長--い。

そして少女みたいに小柄で華奢。

カメラワークが悪くて踊っているところが見られませんでしたが、ソチの国際コンクールで二位になったときは、思ったほど目立たたず地味だった印象が……?

(アカデミーで小柄な子なら、一級下にすごくチャキチャキで可愛い子いますよね。あの子来年にはきっとボリショイに入りますよ!)

ポストノワちゃん、彼女の細さ軽さは、きっとボリショイ男子の心の安らぎ。

次に、「ラ・バヤデール」のリハーサルのよく見える位置に、タチアナ・オシポワ。

https://www.instagram.com/p/BZ4bm4qAjbL/?hl=ja&taken-by=tatyanaosipovaballet

彼女はアカデミーの発表会でコールド従えてオデットを踊っているのですが、コワリョーワやヒョードロワと同じくらいの高身長ですね!

なんとボリショイ若手に、三羽目の大白鳥が登場。

レッスン着も可愛かったし、記念の日に自身のオデット動画をアップするあたり、オデットへの野心を感じます。そりゃ狙ってることでしょう。

楽しみですね。


新人男子は、イゴール・ゲラシチェンコがやっぱり目立ってました。団の中で目立つ個性って大事ね。

あと、見たことないけど気になる子がいたので調べてみたら、どうも今年の新卒みたい。

https://www.bolshoi.ru/persons/ballet/3300/

クラスレッスンと「エチュード」のリハーサルの両方にいた子で、陰気くさいクラーい雰囲気の華奢な子で、ここまで線が細いと相手役の女の子が難しい。

公式ページにコンテスト入賞歴が記載されてるけど、全く記憶にありません。

こんな子いましたっけ?

この学年は千野君が有力ですが、インスタ等でも他の生徒さんのとこで見た記憶がほぼ無く、仮に目立たない大人しい生徒さんだったとして、

バレエダンサーとして見込みは厳しいのかしら?

次の来日公演とか、スパニッシュとか期待してしまうくらいには容姿が可愛いので、頑張って欲しいわーと思います。

(でもね、ボリショイって層が厚くて、順番待ちもスゴいのよね……)


中途入団組では、マリインスキーからゼレンスキーのミュンヘンを経て、今期からボリショイ移籍のタチアナ・チリグゾワ。

ワジーエフ監督からいっぱいダメ出し食らってましたね。

しかし、影の王国で整列したときに最前列の中央なので、マリインスキーだったらコリフェの位置。監督にしっかりシバかれとかないと、色々と風当りもあるかも?


そして個人レッスン。

デニソワちゃんはとても可愛く美しく、エレオノーラ・セヴェナルドも魅力的。

でも私の印象としては、コワリョーワが抜けていました。

コワリョーワとティッシ君、前日のザグレブでのガラ公演から時差とか考えたらギリギリで間に合った?というタイトな日程でしたが、もう、

風にそよく若葉のような爽やかさlovely

しかし先日の『白鳥の湖』のデビューで、コワリョーワに対して

「もっとベテランの指導的な立場の相手役をつけてやるべき」

という意見があったのですが、確かに何度も踊って慣れている『ダイヤモンド』でさえ、チェンチコワ先生の指導に二人揃ってモタモタしてしまう未熟さ。

それがヴォロトフ先生がコワリョーワの手を取って見本を示したとたん、別物のようになったのです。

こういうのを見ると、このようなところからスタートしたWデビューはやはり拙速だったと、同意せざるをえなくなりますね……

スコリクちゃんも、デビューの頃はダニーラやイランチェンコで手堅くまとめてきてましたし。

まあ、彼女を物理的に持ち上げられるベテランというのが問題でして。


その他、ワジーエフ監督のコールドの厳しい指導など、ちょっとフィーリンのことを思い出してしまいました。

エイフマン・バレエ来日、ダリア・レズニック

$
0
0

ご沙汰しております。なんとか生きております。

エイフマン・バレエの来日公演がいよいよ迫ってまいりました!

今さらではありますが、urikoの推しをご紹介したいと思います。ダリア・レズニクちゃん。2016年ワガノワ卒。


「めっちゃキレイな子がおる! 超好み!」

https://www.instagram.com/p/qspwYiw_Zn/

と在学中からインスタでチェックしていた彼女は、アリョーナ・コワリョーワやマリア・イルシュキナと同期です。一つ下にエレオノーラ・セヴェナルドがいます。

ワガノワのメインストリームでキラキラしてる彼女らの一方で、インスタグラムを見た限りの印象として、ダリア・レズニクはおっとり大人しく、控え目ではにかみ屋さんな感じ。

(美しいけど地味というか)

そしてレズニクの当時の実力ですが、動画など目を皿にして探し回ったものの群舞でしか目ぼしいものは発見できず、ワガノワでの位置も、それくらいのものかなという印象でした。

(もちろんツェスカリーゼ校長のブログにも登場しない。全く関心を持たれていない)

ただ容姿の美しさは本人も自覚していたようで、インスタにアップされる彼女の写真はどれも清楚で美しいです。

まあ、このルックスで自分の美しさがわからんようでは、目が悪いか頭が悪いかのどちらかよね…



話が逸れました。

ワガノワの前々回の来日公演でも、セヴェナルド主演の「くるみ割り人形」で“雪の精”や“アラビアのサイド”を踊っており、卒業公演でも結局アラビアのセンターは貰えず、群舞がおよその定位置。

そんな風でしたので、エイフマンに進路が決まった時も、

「やっぱりマリインスキーには入れなかったか…」


と正直思ったものです。

ところがエイフマンに入団して3か月後に『アンナ・カレーニナ』、半年後には『レッド・ジゼル』に主演するなど、まさかまさかの大抜擢!

『レッド・ジゼル』当時のインタビュー記事(うろ覚え)で、印象的だったのが、

「ワガノワで私は『選ばれない女の子』でした」

「恋人はいません。だから恋愛の感情表現は想像です」


というあたりです。おお、インスタグラムから受ける彼女のイメージと一致するじゃないの。

そんなあどけなかった可愛い彼女も、入団以来すっかりエイフマン好みの大人の女性に変容していき、『レッド・ジゼル』デビュー公演においては、心を病んで鏡の中に消えてゆくラストシーンなんて、ビジュアル的にエイフマン氏のイメージそのものではないか?という清冽さ。

https://www.instagram.com/p/BReIPgwFI0y/


その後もエイフマンのヒロインとして着々と実績を積んでいるようです。素晴らしいですね。


そうは言っても、ワガノワではこの容姿を持ちながらツェスカリーゼ校長にはスルーされまくったダリア・レズニクです……この容姿でソレなので、踊りはきっとアレなんだろうな……と想像してしまうのですが、実際のところはどうなんでしょう?

テクニックもさることながら、表現力とか舞台をリードしていく力量とか、バレエ学校でずっとその他大勢だった凡庸な子で大丈夫なんだろうか……?という思いがあります。

間もなく、その答えが舞台で見られます。


ただ、ダリア・レズニクはurikoの『推し』ですので、その評価は今から思いっきり高下駄履かせてアゲアゲの予定です!

だって、夢があるじゃないですか! 学校公演ではセンターを貰えなかったお気に入りのあの子が、自力で運命を切り開き、主演として凱旋する来日公演なんですよ!


嬉しいーーーそして楽しみです~~



それにしても、コワリョーワもそうですが、もし彼女らがうっかりマリインスキーに入っていたら、今ごろは今年入団の有力な後輩たちに押されてコールドの後ろの方で踊っていたんだろうな…と思うと、人生の選択って、感慨深いものがありますね。

 

ピーター・ライト版『白鳥の湖』によせて

$
0
0

(バーミンガムバレエ団の記憶とか)

 

新国立バレエ団のピーター・ライト版『白鳥の湖』が開幕しました。

私はチケットを2枚、米沢さんと木村さんの日を買っており、明日の30日から参戦となります。

明日から!楽しみです。

 

そしてピーター・ライト版『白鳥の湖』は2015年のバーミンガムバレエ団来日公演で見ているのですが、英国的で演劇性が高いと評判のライト版、あの日はマシュー・ゴールディングが途中降板したため、その後はリラックスして物語に没頭、その結果、ラストで

 

「?????」

 

と脳内に花が咲き、妄想炸裂の大混乱となったのです。もー、疑問でいっぱい。

あれから数年を経て、明日の舞台で、いよいよその答え合わせができます。

 

 

ライト版『白鳥の湖』って、【ベンノと王子の物語】ですよね…?

 

 

記憶が上書きされる前に、当時の記憶をたどって、バーミンガムバレエの備忘録など。

 

 

冒頭、亡き王の葬列、今にも崩れ落ちそうな王子を、後ろから支えるベンノ。

 

一幕、見合いの釣り書のようにズラリと並べられたお妃候補の肖像画に、鎮痛な面持ちの王子、ベンノは気晴らしに娼婦を呼んで王子を慰める。

いつの間にか照明が落ちて薄暗くなった居室に、ベンノと王子は二人きり。バルコニーから月を眺める憂いの王子と、その姿を見つめるベンノ。

そこに流れてくる、甘く美しいバイオリンの旋律。

 

(え、音楽、今それ?)

 

通常は二幕で王子とオデットが踊る純愛のホワイトアダージオ、あの名曲なのですよ。

 

(きみ、王子に恋してるの?)

 

ハープがぽろろーんと響いて、もうそうとしか思えない。これがロマンスでないなら、そうでない理由を誰か教えて。

舞台はすっかりアオハライドなベンノの世界。

 

二幕、王子は白鳥姫とアダージオを踊る。同じ曲だけど、そこにベンノはいない。

 

三幕、華やかなお妃選びの舞踏会、各国からの姫君たちの従者はそれぞれ国際色豊かなのに、肝心の姫君たちはなぜか揃って茶色のオバサンみたいな地味なドレスを着てる。

どうして?これでは誰が誰だかわからない。まるで十把一絡げのへのへのもへじ。姫君らそれぞれのお国は大事だけど、姫君らそのものはどーでもいいってこと?

 

とある姫君なんて、グレゴローヴィチ版ロットバルトの音楽

 

♪♪ズン・ズン・ズン・ズン ジャジャジャジャーン・ジャジャジャジーャン♪♪

 

で踊り始める始末。これ、邪魔者の音楽でしょうに、うら若い乙女に対してあんまりな扱い。たとえ王子やベンノにとって姫君がこの様に見えているとしても、これではあからさま過ぎる、酷いわ、この正直者。

そして舞台は荒れて、オディールの後を追いかけて走り去る王子、ベンノは豪華なマントをゴージャスに翻して、その王子を追いかけるのです。

 

(なんでベンノがマント?)

 

物語はいよいよ佳境へ。

 

四幕、オデットの後を追って、湖に身投げする王子、ベンノは間に合わず、湖から王子を引き上げる。

例のあの長いマントで包んだ王子の亡骸を抱きあげたベンノの悲しみの姿。物語の終わり。

 

(え、引き上げるの王子だけ? オデットは?)

(そもそも、オデットって、存在したの?)

(もしオデット/オディールが王子の心の内にしか存在しないなら、王子はお妃選びの舞踏会で、オデットの後を追ったのではなく、逃げたの?)

(逃げたって、何から?)

 

そこでurikoの脳内に流れ出す、ホワイトアダージオの甘い旋律。

ベンノと王子、そういえば同じテーマ曲だったわね…?

 

そして冒頭の「????」に戻るのですが、いけない、このままでは二次創作の薄い本が出来てしまう。いい加減にしろ私。

 

そういえば、今にして思い返すと、1幕のパドカトルもキャスト表には「娼婦」だけど、まあ東カレ的には宅飲みに西麻布のラウンジ嬢を呼んだくらいの「綺麗な置物」、

4人で踊っていても、実質は王子とベンノが2人で踊っているのよね?

 

…などなど、数年前の記憶であやふやですが、ここまで妄想が走るのは、バーミンガムの王子役の黒人のダンサーが、憂いを帯びて思慮深く、繊細な表現をするタイプだったからではないかと思うのです。

 

さて、夜も更けてきました。明日の舞台で答えは見つかるかなーー

 

(ピーター・ライト卿自身の解説動画も見つけちゃった。恥の上塗りをする前に、妄想も大概にしろ、と自分を戒める…)

コワリョーワ『白鳥の湖』デビュー

$
0
0

ボリショイで新シーズンが開幕し、二日目のマチネでアリョーナ・コワリョーワがデビューしましたー

入団二年目、初の全幕主演が、『白鳥の湖』ですよ。

他にもジークフリート王子、ロットバルト、道化と、主要な役が全てデビュタントという、まさに新人公演です。

コワリョーワに興味のある方はインスタとかチェックされてるでしょうが、私も朝からウッキウキで検索しました。同じのをご覧になってるでしょうが、忘備録として。

https://www.instagram.com/p/BZHDIYthcLQ/?taken-by=yana.drygina

https://www.instagram.com/p/BZGjl73nYF7/?taken-by=ladunskiy

https://www.instagram.com/p/BZGrbWqBmCx/?taken-by=bolshoi_fan

https://www.instagram.com/p/BZGxcVhB_li/?taken-by=bolshoi_fan

https://www.instagram.com/p/BZGxCi9gjHw/?taken-by=picolissima

https://www.instagram.com/p/BZHcZwTFipy/?taken-by=_jk_art

まずは道化のアンドレイ・コシュキン。キュートで可愛い~ キュンキュン回転してるし。

ロットバルトのデビッド・モッタ・ソアレス、インスタの短い動画だけではティッシの後ろで印象薄く、やや微妙にも感じられるけど、評判は良いようです。

コワリョーワを持ち上げてる懸命な様子は、少し涙を誘いますが(気の毒で)。

ジークフリート王子のヤコボ・ティッシ。

これは素晴らしいです~~この短い動画ですら漂ってくる魅力と色香と音楽性。エレガントで素敵ステキー

ティッシへの意見としては、「コワリョーワ専属ににすべきできなく、ステパノワやシプーリナと組ませるべき」という声もあって、私も全く同感です。

さらに私はザハロワ様とも組んでほしいとも思っています。

ザハ様にやや不足するロマンチックで甘やかな雰囲気が、ティッシによって補完されると思うんですよね。

(『椿姫』のアルマンとか、ロジキンだとちょっと粗野なロシア過ぎて、おフランスなエレガンスに乏しくって)

ティッシはボリショイに移籍して一年を無為に過ごしましたが、今さら主役以外の脇で踊る子でもないでしょうし、今後の活躍が期待されますー


そしてアリョーナ・コワリョーワ。

もう言うまいと何度も何度も何度も繰り返し思うのですが、でもやっぱり言っちゃう。

デカいわね……

そして大味で薄いですね……彼女の特徴なのかチェンチコワ先生の指導なのか、茫洋として振り付けにしまりが無いというか、『ライモンダ』のときも通常はパーン☆と手で打つところ、そっと撫でるだけだったりとか、

とにかくメリハリに乏しい。

ボリショイ的にこれではアカンやろ?と疑問に思いつつも、でも可愛らしい~

インスタでは概ね好評ですが、でもインスタってネガティブ意見の出にくいメディア。

いつもの掲示板をGoogle翻訳でざっと見ると、批判的な意見がほとんどです。てゆうか、もう散々って感じ。

さらにフェッテでやらかしたようで。

(こちらの一番最後↓)

https://www.instagram.com/p/BZGgvnnjcg3/

……でもそんなにあげつらうほどのミスでもないと思うのですが。

バレエのテクニックわかる方に教えて頂きたいのですが、脇を締めて軸を細くすれば、もっと安定して早く回転できますよね?

あえて安全策は選ばず、あくまで自分の理想にチャレンジ、

いかにもボリショイ的なハイ・スピードで後半に入ってもラストまでダブルで突っ込んでいくあたり、恐れ知らずの青春かっ飛ばしているように思えますが、

あまりの技術偏重のプレッシャーから、「作品を理解してない」と批判されるのは、まあ、あるかもしれません。

「そんなに焦らなくても」

という意見も見ましたが、でもコワリョーワは全力で駆け抜けなくてはならない。

経験が無いとか若いとか、そんなこと言ってる余裕なんてありません。

彼女の後ろには、あっという間に追いつき追い越してゆくポテンシャルを持ったエレオノーラ・セヴェナルドがすぐそこまで迫っていて、既に同じ舞台に立っています。

https://www.instagram.com/p/BZHSwNVl47Z/?taken-by=barabanidze

(エレオノーラの白鳥姿初めて見ましたが、美しいですねーーそれにかなり絞れました??)

彼女はコンクールやガラコンサートで何度も黒鳥を踊っていて、経験も十分。

https://www.instagram.com/p/BTvfrF-A6KA/?taken-by=elya_7ard

https://www.instagram.com/p/BTqY-80AN9e/?taken-by=elya_7ard

エレオノーラには今回のコワリョーワの「新人の一括おまとめセット販売」みたいなデビューではなく、

プリンシパルをつけて最上級のデビューが用意されることでしよう。

それに直接ツィスカリーゼ校長にみっちり仕込まれているエレオノーラは、もう既にボリショイ。

比較としてスミルノワのも貼っておきますね。

https://www.instagram.com/p/BZHdgIjFpAa/?taken-by=dama.alla


コワリョーワはデビューについては、

「時期尚早であった」

という意見に集約される感じですが、そこはボリショイの『白鳥の湖』です。

バレエ学校の全幕主演すら経験の無い女の子にね、いきなり無理言うなよ、とか、そんな愚痴は通用しません。切ないですが、批判は仕方ありません。

現実を受け止め、精進してほしいと願います。

ソロを見てみたいですが、怖くもあります。万が一マリインスキーのチェビキナとちょぼちょぼって感じだったら、ボリショイにおいては見込みナシ。


そしてコワリョーワのワガノワでの恩師が今回も駆けつけてますね。ユリア・カセンコワ先生。大事な舞台は毎度来られているようですが。

昨日もお友だちと少し話していたのですが、このような場合、

「教え子の大事な舞台だから」

と先生の自腹なのか、もしくはコワリョーワのお母さまが「是非に」と招待されているのか、どちらでしょうね。

(日本舞踊の師範してる親戚の聞きかじりだと、ほぼ後者ですね。親御さんは大変ですね……)

ピーター・ライト版『白鳥の湖』 その①

$
0
0

 

(バーミンガムロイヤルバレエ団の記憶とか)

 

新国立バレエ団のピーター・ライト版『白鳥の湖』が開幕しました。

私は米沢さんの日と木村さんの千秋楽日を買っており、明日の30日から参戦となります。

明日から! 楽しみです。

 

 

このライト版『白鳥の湖』、私は2015年のバーミンガムロイヤルバレエ団来日公演で見ているのですが、あの時は何の予備知識もなく、またマシュー・ゴールディングが途中降板したため、リラックスしてゆる~く見てました。そしてその後のドラマチックな展開と衝撃の結末に、

 

「?!?!?」

 

妄想と疑問でいっぱい。

 

あれから6年を歳月を経て、明日の舞台で、いよいよその答え合わせとなります。

 

果たして。

 

 

 

 

ライト版『白鳥の湖』って、【ベンノと王子の物語】ですよね…?

 

 

 

 

 

 

 

記憶が上書きされる前に、当時の記憶をたどって、バーミンガムロイヤルバレエの備忘録など。

 

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

 

冒頭、亡き王の葬列、今にも崩れ落ちそうな王子を、後ろから支えるベンノ。

 

一幕、ズラリと並べられたお妃候補の釣書を前に、鎮痛な面持ちの王子、ベンノは娼婦を呼んで王子に気晴らしを勧める。

いつの間にか照明が落ちて薄暗くなった居室に、ベンノと王子が二人きり。バルコニーから月を眺める憂いの王子と、その姿を見つめるベンノ。

そこに流れてくる、甘く美しい旋律。

 

 

(え、音楽、今それ?)

 

 

「白鳥の湖」メインテーマ『情景』。後から思い返してみると、プティパ・セルゲイエフ版をはじめ、わりとよくある曲順であることにはあるのですね。でも使われる場面のストーリーが違う。二人きりのこのシチュエーション、

 

 

(きみ、王子に恋してるの?)

 

 

ハープがぽろろーんと響いて、もうそうとしか思えない。これがロマンスでないなら、そうでない理由を誰か教えて。

舞台はすっかりアオハライドなベンノの世界。

 

 

 

二幕、王子は白鳥姫とアダージオを踊る。そこにベンノはいない。王子のみ。

 

 

三幕、華やかな舞踏会、姫君の従者一行はそれぞれ国際色豊かな民族衣装なのに、肝心の姫君たちがなぜか揃ってオバサンみたいな地味な茶色のドレス。

 

どうして?これでは誰が誰だかわからない。まるで十把一絡げのへのへのもへじ。姫君らのお国は大事だけど、個々の姫君そのものはどーでもいいってこと?

 

とある姫君なんて、グレゴローヴィチ版ロットバルトのテーマ、

 

♪♪ズン・ズン・ズン・ズン ジャジャジャジャーン・ジャジャジャジーャン♪♪

 

で踊り始める始末。これ、邪悪のテーマ曲でしょうに、姫君たちって敵なの? たとえベンノにとって姫君が王子を奪い去る敵であるとしても、これではあからさま過ぎる、わかりすぎやわ、この正直者。

 

そして舞踏会は大荒れに荒れて、オディールの後を追って走り去る王子、ベンノは華麗にマントを翻し、颯爽と王子の後を追う。

 

(なんでベンノがマント?)

 

物語はいよいよ佳境へ。

 

 

四幕、オデットの後を追って、湖に身投げする王子、ベンノは間に合わず、湖から王子を引き上げる。

王子の亡骸を抱きあげた悲しみのベンノ。先刻の例の長いマントが空気を孕んでふわりと広がって、絶望の中で物語が終わる。

 

 

 

(え、引き上げるの王子だけ? オデットは?)

 

(そもそも、オデットって、存在したの?)

 

(もしオデット/オディールが王子の心の内にしか存在しないなら、王子はお妃選びの舞踏会で、オデットの後を追ったのではなく、逃げたの?)

 

(逃げたって、何から?)

 

 

 

そこで脳内に流れ出す、フルオーケストラの『情景』。

 

 

 

そして冒頭の「?!?!?」に戻るのですが、いけない、このままでは二次創作の薄い本が出来てしまう。

 

 

 

 

 

三行にまとめます。あの日、ライト版に私が感じたストーリーは、

 

 

(ベンノと王子は互いに心を通い合わせることはなく、王子は自分の世界に閉じこもる。ベンノの手は常に王子に差し出されているのに、王子はその手を取ることはなく、逃れるように自ら命を断ってしまう。)

 

 

オデットは王子の内面にある純粋の象徴、真実の愛。

それを自ら殺してしまったから、もう王子も死ぬしかないの。

 

 

 

……と、自分で書いてて、わりと病んでるのは自覚はあるけど…でも、こんな風に見えてしまったのね…

 

 

ベンノから見る現実の世界と、王子の逃避する理想の世界。

 

 

「いつまでもフラフラ遊んでばかりいて!」「さっさと結婚しなさい!」「私が選んだ中から決めて!」とわめき散らす母親(または上司)、嬢を呼んでの乱痴気騒ぎ、ちょっと二人きりになってみたり、舞踏会ではお見合いマッチングとか「もうしんどい勘弁して」

 

 

こちらの世界はどこまでもリアルで過酷で、理想の世界は美しい。

 

 

 

 

 

 

 

さて、夜も更けてきました。明日の新国立の舞台で答えは見つかるかなーー

 

 

(包み隠さず言うと、ライト版『白鳥の湖』って【ベンノと王子の悲恋】の物語ですよね? 王子が自ら死を選ぶことによって、彼らの恋が成就するの。だから、あのラストシーンがあんなにも悲劇的で美しい。王子の亡骸を抱いて佇むラストは、まるでピエタ像のような荘厳さだったわ…)

 

(これを、本当に新国立でやるの…?)

 

ピーター・ライト版『白鳥の湖』 その②

$
0
0

(ピーター・ライト版『白鳥の湖』その①からの続き)

 

2015 バーミンガムロイヤルバレエ団(BRB)

2021.10.30 米沢唯/福岡雄大

2021.11.3 木村優里/渡邊峻郁

 

 

実は前日に、6年越しのバーミンガムロイヤルバレエ団(BRB)『白鳥の湖』ライト版の感想をアップしていたのですが、30日の米沢/福岡組の舞台を観て、

 

(きゃー、私が間違っておりました。私の勘違い、お恥ずかしいーー)

 

とブログを消去して、逃亡しておりました。記憶と盛大に違い過ぎて、あんなの格好悪くて晒しておけない。

 

新国立のライト版『白鳥の湖』は王道ど真ん中、王子とオデットの真実の愛の物語でした。すみませんすみません。

 

あまりに違っていたので、いつもは写真とキャスト表しか見てない公式プログラムも、今回はあらすじと作品解説も読んでみました。そして、あらためて確信。

 

米沢さんは新国立の大正義、常に正しく、鉄壁の構成と実施。

 

 

その一方で、千秋楽の木村さん渡邊さんはまだ若く拙いところがあり、いろいろとスキだらけ、でもそこに観客の想像を広げる自由さがあって、BRBで感じたトキメキが再来! 舞台に心躍る瞬間があったのです。

 

 

もーー、木下嘉人君のベンノが素敵で!

語らずにはいられない。

 

 

新国立の公式プログラムでは、あらすじにはオデットと王子の物語しか書かれていないけど、千秋楽のあの日、あの舞台で、公式のあらすじには一切書かれていない木村君演じるベンノの物語を、感じ取った人はきっと私だけではなかったはず。

 

(米沢さんの日も同じ木下君だったけど)

 

 

というわけで、自分用のメモと言い訳しつつ、BRBの感想も手直しして『その①』として再掲すことにしました。(コチラ)

 

だってどうせ自分以外に見る人もいないし、自分用のブログだし、それに書き留めておかないと、忘れるのです。年取ったので。

あんなに楽しかった舞台も、心動かされた記憶も、メモでも残しておかないと忘れてしまう。

 

 

木下君のベンノがどれだけ素敵だったかは、また日を改めて。

 

(木下嘉人君は、今期ファーストソリストに昇進したばかりなのね。素晴らしい仕事ぶりです!)

 

 


ピーター・ライト版『白鳥の湖』 その③

$
0
0

(ピーター・ライト版『白鳥の湖』その②からの続き)

 

2015 バーミンガムロイヤルバレエ団(BRB)

2021.10.30 米沢唯/福岡雄大

2021.11.3 木村優里/渡邊峻郁

 

 

 

米沢さんの舞台のあと、作品をもっと知りたくなり、久々に公式プログラムのあらすじと解説を読んでみたところ、二幕のあらすじで

 

“まだ恋をしたことがない者が彼女に永遠の愛を誓い、……”

 

と書かれていることに気づきました。

なんと、オデットにかけられた魔法を解く相手の条件として、「純潔」のみならず「初恋すら未経験」であることが求められるのですね。

 

 

わりと、ハードル高いのね…

 

 

ここまで条件を限定する必要もないように思えますが、公式のあらすじにわざわざ書いてあるのですから、これは重要事項なのでしょう。

 

他に思ったのは、クルティザンヌについて、新国立の公式プログラムの解説でもあらためて「高級娼婦」と明記されていることです。BRBではキャスト表記からハッキリと「娼婦」とありました。

 

ライト版の特徴の一つに、この役どころが「王子の友人」ではなく「娼婦」であることが挙げられますが、そんな、わざわざ「娼婦」って書く必要あります? もっと他にマイルドな呼び方あるでしょうに、どうせ今風に言って「タワマンのホムパに西麻布のラウンジ嬢を呼んで」くらいのイメージでしょ? たとえ事実上のプロフェッショナル嬢であっても、みなさん「友人」っておっしゃるでしょうに、と勝手に妄想していたのですが、

 

 

…もしかして、本当に娼婦を呼んだんですか?

 

 

 

そういえば、NHKBS海外ドラマ『女王ヴィクトリア~愛に生きる』で、ザクセンのアルバート公子が女王との結婚前に、まだ女性経験の無い彼のために兄君が粋な計らいで娼婦を呼び、色々と男女の寝室の手ほどきを受けてムニャムニャ……という場面がありましたが、

 

 

え、そうなの? まだこの恋をしたことのない純潔の妖精さんに、あのあと、あれして、あれなの?

 

 

 

だって公式にそう書いてるし!(書いてない)

 

 

 

 

 

 

 

(2011.11.3 木村優里/渡邊峻郁/木下嘉人)

 

冒頭、亡き父王の葬列で、蒼白な渡邊王子。

 

一幕、端正だけど、いまだ恋すら未経験の幼い王子。情感薄く、ただ困惑している。

そんな王子を支え、盛り立てようとする木下ベンノ。彼の王子に対する優しさ慈しみがほんわりと会場を包み込み、舞台は木下君の独断場。以降、木下ベンノの目線で物語が進行する。

 

そこへ現れる般若母后、人目も憚らずキレ散らかす。

 

「いつまでフラフラ遊んでいるの!」

「さっさと結婚しなさい!」

「この中から選びなさい!明日!」

 

素直な王子は悲しげにうなだれるけど、木下ベンノは適当に聞き流してる。母后のヒステリーは王子を萎縮させるだけで、クソの役にも立たない。

父王が死去し、王子を庇護するものは何もない。王子は明日にも妃を決めなくてはならないほど、事態は逼迫している。

 

(母后のキレっぷりから想像するに、分家筋による王家乗っ取りとか? NHKBSドラマ『クイーンメアリー愛と欲望の王宮』で描かれてた歴史事実もエグかったけど、そら、この甘ちゃん王子が相手なら楽勝よね)

 

これが宿命ならば、せめて王子の良き助けとなる同盟国、姫君を選びたい。

 

 

(だって、放っておいたらどんな失敗をやらかすかわからんもの、この王子)

(渡邊王子が恋愛に未経験なのは、きっと木下ベンノが余計な悪い虫を全て追い払ってきたせいね)

 

 

優柔不断な王子を、現実路線にもっていく。

(とりあえず女性経験を)

それが王子のために、今の自分にできること。

 

 

母后を追い払い、令嬢たちを帰したあと、いよいよクルティザンヌ嬢の登場。

木下ベンノが用意した高級ハイスペック理沙子嬢は今日も艶やかで有能、自分の役割を完璧に理解している。きっと初心な王子の心を解きほぐし、男にしてくれるはず。…してくれるんじゃないかな? そう期待している。

一応保険として、この男は恐らくこう言っているはず。

 

「キミより若くて可愛い子も連れてきて」

 

そうして連れてきたのはデビューしたての紗弥嬢、フレッシュで伸びやかに踊るも、ろくろ回しで回転がもたついちゃって木下ベンノがめっちゃ真顔になったりとか、そんなところが初々しく、すかさず妖艶な笑み浮かべた理沙子嬢がギュンギュン回って、

 

「妹分の紗弥ちゃんです。よろしくね♡」

 

と鮮やかにウインクを決める。ほら、こんなに楽しいよ? こちらに来て一緒に踊ろう?と、やがて王子もベンノに誘われるままに彼らと一緒に踊り始める。四人で踊るパドカトル。

 

……だけどベンノの思いが強すぎて、四人で踊っていても、実質のところ王子とベンノ二人のパドドゥ。踊っているのはあくまで彼らで、クルティザンヌ嬢たちは単なる前景、きれいな動く置物。

 

(木下ベンノ、こんなにも王子を大事にしてるのに、クルティザンヌ嬢を媒介にしないと王子とダンスもよう踊らんのよね。臆病なの。本当は彼のほうがずっと傷つきやすくて繊細。ただ、王子より現実が見えてるだけ)

 

 

続きます。

 

 

 

コワリョーワ『白鳥の湖』デビュー

$
0
0

ボリショイで新シーズンが開幕し、二日目のマチネでアリョーナ・コワリョーワがデビューしましたー

入団二年目、初の全幕主演が、『白鳥の湖』ですよ。

他にもジークフリート王子、ロットバルト、道化と、主要な役が全てデビュタントという、まさに新人公演です。

コワリョーワに興味のある方はインスタとかチェックされてるでしょうが、私も朝からウッキウキで検索しました。同じのをご覧になってるでしょうが、忘備録として。

https://www.instagram.com/p/BZHDIYthcLQ/?taken-by=yana.drygina

https://www.instagram.com/p/BZGjl73nYF7/?taken-by=ladunskiy

https://www.instagram.com/p/BZGrbWqBmCx/?taken-by=bolshoi_fan

https://www.instagram.com/p/BZGxcVhB_li/?taken-by=bolshoi_fan

https://www.instagram.com/p/BZGxCi9gjHw/?taken-by=picolissima

https://www.instagram.com/p/BZHcZwTFipy/?taken-by=_jk_art

まずは道化のアンドレイ・コシュキン。キュートで可愛い~ キュンキュン回転してるし。

ロットバルトのデビッド・モッタ・ソアレス、インスタの短い動画だけではティッシの後ろで印象薄く、やや微妙にも感じられるけど、評判は良いようです。

コワリョーワを持ち上げてる懸命な様子は、少し涙を誘いますが(気の毒で)。

ジークフリート王子のヤコボ・ティッシ。

これは素晴らしいです~~この短い動画ですら漂ってくる魅力と色香と音楽性。エレガントで素敵ステキー

ティッシへの意見としては、「コワリョーワ専属ににすべきできなく、ステパノワやシプーリナと組ませるべき」という声もあって、私も全く同感です。

さらに私はザハロワ様とも組んでほしいとも思っています。

ザハ様にやや不足するロマンチックで甘やかな雰囲気が、ティッシによって補完されると思うんですよね。

(『椿姫』のアルマンとか、ロジキンだとちょっと粗野なロシア過ぎて、おフランスなエレガンスに乏しくって)

ティッシはボリショイに移籍して一年を無為に過ごしましたが、今さら主役以外の脇で踊る子でもないでしょうし、今後の活躍が期待されますー


そしてアリョーナ・コワリョーワ。

もう言うまいと何度も何度も何度も繰り返し思うのですが、でもやっぱり言っちゃう。

デカいわね……

そして大味で薄いですね……彼女の特徴なのかチェンチコワ先生の指導なのか、茫洋として振り付けにしまりが無いというか、『ライモンダ』のときも通常はパーン☆と手で打つところ、そっと撫でるだけだったりとか、

とにかくメリハリに乏しい。

ボリショイ的にこれではアカンやろ?と疑問に思いつつも、でも可愛らしい~

インスタでは概ね好評ですが、でもインスタってネガティブ意見の出にくいメディア。

いつもの掲示板をGoogle翻訳でざっと見ると、批判的な意見がほとんどです。てゆうか、もう散々って感じ。

さらにフェッテでやらかしたようで。

(こちらの一番最後↓)

https://www.instagram.com/p/BZGgvnnjcg3/

……でもそんなにあげつらうほどのミスでもないと思うのですが。

バレエのテクニックわかる方に教えて頂きたいのですが、脇を締めて軸を細くすれば、もっと安定して早く回転できますよね?

あえて安全策は選ばず、あくまで自分の理想にチャレンジ、

いかにもボリショイ的なハイ・スピードで後半に入ってもラストまでダブルで突っ込んでいくあたり、恐れ知らずの青春かっ飛ばしているように思えますが、

あまりの技術偏重のプレッシャーから、「作品を理解してない」と批判されるのは、まあ、あるかもしれません。

「そんなに焦らなくても」

という意見も見ましたが、でもコワリョーワは全力で駆け抜けなくてはならない。

経験が無いとか若いとか、そんなこと言ってる余裕なんてありません。

彼女の後ろには、あっという間に追いつき追い越してゆくポテンシャルを持ったエレオノーラ・セヴェナルドがすぐそこまで迫っていて、既に同じ舞台に立っています。

https://www.instagram.com/p/BZHSwNVl47Z/?taken-by=barabanidze

(エレオノーラの白鳥姿初めて見ましたが、美しいですねーーそれにかなり絞れました??)

彼女はコンクールやガラコンサートで何度も黒鳥を踊っていて、経験も十分。

https://www.instagram.com/p/BTvfrF-A6KA/?taken-by=elya_7ard

https://www.instagram.com/p/BTqY-80AN9e/?taken-by=elya_7ard

エレオノーラには今回のコワリョーワの「新人の一括おまとめセット販売」みたいなデビューではなく、

プリンシパルをつけて最上級のデビューが用意されることでしよう。

それに直接ツィスカリーゼ校長にみっちり仕込まれているエレオノーラは、もう既にボリショイ。

比較としてスミルノワのも貼っておきますね。

https://www.instagram.com/p/BZHdgIjFpAa/?taken-by=dama.alla


コワリョーワはデビューについては、

「時期尚早であった」

という意見に集約される感じですが、そこはボリショイの『白鳥の湖』です。

バレエ学校の全幕主演すら経験の無い女の子にね、いきなり無理言うなよ、とか、そんな愚痴は通用しません。切ないですが、批判は仕方ありません。

現実を受け止め、精進してほしいと願います。

ソロを見てみたいですが、怖くもあります。万が一マリインスキーのチェビキナとちょぼちょぼって感じだったら、ボリショイにおいては見込みナシ。


そしてコワリョーワのワガノワでの恩師が今回も駆けつけてますね。ユリア・カセンコワ先生。大事な舞台は毎度来られているようですが。

昨日もお友だちと少し話していたのですが、このような場合、

「教え子の大事な舞台だから」

と先生の自腹なのか、もしくはコワリョーワのお母さまが「是非に」と招待されているのか、どちらでしょうね。

(日本舞踊の師範してる親戚の聞きかじりだと、ほぼ後者ですね。親御さんは大変ですね……)

コワリョーワのソロ他

$
0
0

さてさて、コワリョーワのソロ動画(オディール)が来ましたよ。

https://youtu.be/YiV7GUpri9k

限定公開なので、投稿の天使さまの意図をお汲み取りいただきつつ、ご覧いただけると幸いです。

うーーん、大きなお人形さんみたいね。

前回に貼ったエレオノーラ・セヴェナルドの方が、ずっとこなれて見えるのですが……

若い娘というのは、存在そのものが魔性、

そんな小悪魔的な若い黒鳥は個人的に好みなのですが、エレオノーラには少年からおっさんまでコロコロ転ぶであろう若い色香がムンムン。

(テクニックも強いし)

対するコワリョーワちゃんですが……こんな見てて緊張する黒鳥のバリエーションもないというか、まるで親戚の子の発表会を見てるみたい、懸命に踊ってる様子は可愛いのですが、

若さの魔性がさっぱり感じられない……表現はテクニックなので、全体に雑というか拙い感じが、そのように感じさせるのだと思うわけですが

でもでも、足が長くてステキ。

「時期尚早」という評判には「そうですね」と言うしかないのですが、その一方で例の掲示板では

「みんな思い出して、スミルノワもニクーリナもデビューの時には批判だらけだったよ!(意訳)」

という意見もあり、こき下ろされはデビューの洗礼なのかもしれません。

と言っても動画で見る現実は現実として、精進してほしいですね。


そしてアルテミィ・ベリャコフ君がジークフリート王子でデビュー。

これがもう、立ってるだけで美しい、ロシアの王道ど真ん中の正統派王子様でステキステキ~

美形で品よく爽やかで、踊りもゆったり大らかで大変に良いデビューだったと思います。

ティッシはユーロな雰囲気とエレガンスで、またベリャコフ君とはまた違った王子様で、この二つのデビューを擁するボリショイの勢いを感じます。スゴいですね。

それぞれの動画貼っておきますね。

https://youtu.be/yq9C7g4V5YU

https://youtu.be/gtjo8SLZ34U

次回の来日公演では、二人とも見られるといいですね!


そして関係ないことですが、今から遅いバカンスに行ってまいります。今年はイタリアです。

今回はホテルと、初めての試みでアパートを借りるのですが、アパートはいわゆる民泊というやつです。

さっそく私は勘違いをしており、私が思い描いていたステキ建物ではなく、グーグルマップが正確で古くてポロい建物。

現実って厳しい。

古いって、数件となりはルネサンス期の建物ですし、当該アパートも古さはきっと筋金入り。

イタリアやしね……

一昨年のバカンスでは、カプリ島とナポリで共にお風呂の排水が流れませんでした……

カプリ島なんて、結構なお値段を出したのに……

というわけで、腹くくって覚悟決めます。


そして、常々から私の話す英語は通じてないとは感じてましたが、この度は書く英語のほうも通じてないことが発覚。

家主さんにメールしたけど、お返事に質問の回答が無い……しかも他にも何言ってるのかさっぱりわかんない。

とりあえず、行けばなんとかなるのかしらね……


(((( ;゚Д゚)))


民泊に関心ある方がいらっしゃるならレポします! では行ってきますーー

コワリョーワその後

$
0
0

アリョーナ・コワリョーワ直近の動向ですが、10月3日4日とザグレブで『Roberto Bolle and Friends』に出演し、翌日の5日にはモスクワに戻って『World Ballet Day 2017』の生中継です。

ボリショイの中継では、注目のエレオノーラ・セヴェナルドと共に個人クラスに名前が挙がっています。

(その他に、クセニア・シガンシナとアナスタシア・デニソワ)

(このあたり全部naomiさまのとこ丸写し。5日の午後3時から8時だそうです。この時間帯、ちょっと見るの難しいけど、後日に動画アップされますよね……?)


ザグレブのガラ公演では、『白鳥の湖』三幕からパ・ド・ドゥと『ダイヤモンド』だそうです。共にプリマの演目。

http://www.hnk.hr/en/roberto-bolle-and-friends1/

相手役は共にヤコボ・ティッシ君です。美しいでしょうね


その黒鳥のソロ、インスタに動画がアップされています。かなり前にアップされてるので皆さんご存知でしょうが、一応。

https://www.instagram.com/p/BZPHTbGFQ38/?taken-by=andrianovairinau

ツィツカリーゼ校長の評価も「時期尚早」など散々なコワリョーワですが、でもでも、デビュー戦としてはかなり健闘しているのではないかと思います。ですよね? 雑で大味なりに、長い足が美しいです~

比較として、ライバルのエレオノーラ・セヴェナルド(ワガノワからコンクール出場時)。

https://youtu.be/1Azlk75dTTU?t=6m48s

現在のエレオノーラはこの時よりかなり体を絞ってるし、デュエットの方では若い娘の小悪魔的魅力全開で、王子はじめ全ての男性を転がしまくり、

何より短いパ・ド・ドゥの中で物語をしっかり作っているので、

「物語を理解していない」「大きな人形みたい」

と書き込みされてて、それが納得できてしまうコワリョーワとは、もうスタート以前から違ってる感じです。

この一歳違いの個性も方向性も全く若いバレリーナが、この先どのように伸びていくのか、次の10年はボリショイ本当に熱いですね。楽しみです。

しかも、ボリショイはこの二人だけと違うんですよ。キラ星の如き陣容。

ここ数年、バレエ学校の最優等はボリショイ入団という流れがもはや既定路線って感じで、若手男子なんてイケメンの良い子いっぱいで選り取りみどり。


話が逸れちゃったので、戻します。

コワリョーワの白のアダージオのインスタ動画も追加きてるので貼っておきます。

https://www.instagram.com/p/BZec53-lFyy/?taken-by=_jk_art_

デカいのはもう既知のとおりとしても、連続のリフトが最後のほう物理的に持ち上がってないし(泣)、チャチャッ、チャチャチャ…で頭の上のトップポジションまで持ち上げるリフトなんて、もう恐怖すら感じる、ティッシ君の腰が反ってるし、

あああ、もう無理しないで、ほどほどでいいのよ……(>_<)

という感じで、涙を禁じえません。

ティッシ君のファンが増えるにつれ、「コワリョーワいい加減にしろ」的な排斥の気風がなんとなく漂いはじめたのも気になるところで、

このムギュって感じは男性の怪我も時間の問題って気もしますし、そうなるとコワリョーワの責任も、可哀そうだけど避けられない。

ティッシ君との組み合わせは美しくベストですが、やはりプランBも必要。

そこで次なる人身御供相手役ですが、今年入団のピーター・グセフ、彼なんてどうなんでしょうね? ボリショイで白鳥王子は踊れそうでしょうか?

身長はエルマコフと同等(195㎝)かそれ以上。エルマコフほどの忍耐があるかは不明。

https://www.instagram.com/piter_the_best/

直近も新人ながら白鳥王子で中国のイベントに出てるようだし、可能性に期待してしまいます。

インスタを見てわかるように自意識が非っ常ーに高く、それでいて女の子にモテてる気配が全くしないところが面白く、とにかく長身ガタイ系ってだけでurikoの超好み

ボリショイは先日も線の細い王子様系の千野円句君のデビューが成功したばかりで、ベリャコフ君のような王道正統派からユーロの風薫る甘い王子、さらにはガタイ系王子まで、若手次世代だけで幅広く各種王子を揃えられるあたり本当に底力を感じます。大好き。

また話が逸れちゃった。

コワリョーワ、白のソロが見たいところですが、ざっと見たところ想像するにそれほど悪くはないのではないかと思いました。

少なくとも、マリインスキーのチェブキナより悪いってことは無さそう。

(チェブキナの白のソロは、若手を彼女しか出せないマリインスキー凋落の象徴って気が)

コワリョーワちゃん、腕の動きがいまひとつ棒っぽく、まだまだ洗練の余地を感じるものの、足はとってもきれい。

初めての全幕がボリショイでオデットだと、そのプレッシャーは如何ほどかと思いますが、ゆったりとした動きは伸びやかでよくコントロールされてるし、ラインも美しいし、上々のデビューですよね。ね?

(私の記憶だと『白鳥の湖』のデビューって格別にアラが目立ちやすく、私がバレエ見始めて以降、一発目から成功して好評だったのってステパノワくらいな気が)

評判は散々でしたが、これも一種の通過儀礼。何だかんだでボリショイの未来のオデットとして存在は認められたのではないかと思います。……ですよね?

今後が楽しみです。

明日のワールド・バレエ・デイも楽しみ(≧∇≦)

Viewing all 99 articles
Browse latest View live